父「タカシ、誕生日プレゼントは何がいいんだ?」…last
- 2009/10/25
- 18:00
父「タカシ、誕生日プレゼントは何がいいんだ?」…last
151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 02:10:27.44 ID:rrNCW8CC0
タカシ「ニュースでさ…小熊ひろったってのはみたけど…」
そばかす「飼ってもいいんだって。あげないわよ。かわいいでしょ?」
確かにクマはこいつが獰猛になるなんて信じられないほどかわいかった。
だがそんな問題じゃない。そんな問題じゃない。
ギャル「かーわーい~い~♪」
もふもふ もふもふ
そばかす「かわいいよね」
基本的にはギャルとそばかす以外はクマの存在をどう扱うべきか悩んでいた。
最終的に看板犬みたいなものと言う事だろうということで落ち着きはしたが。
そばかす「飼ってもいいんだって。あげないわよ。かわいいでしょ?」
確かにクマはこいつが獰猛になるなんて信じられないほどかわいかった。
だがそんな問題じゃない。そんな問題じゃない。
ギャル「かーわーい~い~♪」
もふもふ もふもふ
そばかす「かわいいよね」
基本的にはギャルとそばかす以外はクマの存在をどう扱うべきか悩んでいた。
最終的に看板犬みたいなものと言う事だろうということで落ち着きはしたが。
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155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 02:18:52.41 ID:rrNCW8CC0
テレビのニュースでは、未だに暗いニュースのほうが多く取りざたされているが、
少なくとも、俺の周りではそれに引っ張られる人はいないままに時間は流れて行った。
さらに、2ヶ月後。
とんとん拍子と言うのはこういうことなんだろうかというぐらいにあっさりと、俺の就職先が決まった。
隕石が落ちるというデータが世に広まると潰れる会社はおおいが就職はしやすくなるのか……。
いや、そんな単純なものじゃないのは分かっているんだが。
面接の時の事を思い返すに、本当に誰でもいいから人手が欲しい会社だったんだろう。
その分、人手がなくて辛いという事なんだろうけど、
自分からそういうことがわかってるとこ受けたんだからその点については特に言うことはない。
少なくとも、俺の周りではそれに引っ張られる人はいないままに時間は流れて行った。
さらに、2ヶ月後。
とんとん拍子と言うのはこういうことなんだろうかというぐらいにあっさりと、俺の就職先が決まった。
隕石が落ちるというデータが世に広まると潰れる会社はおおいが就職はしやすくなるのか……。
いや、そんな単純なものじゃないのは分かっているんだが。
面接の時の事を思い返すに、本当に誰でもいいから人手が欲しい会社だったんだろう。
その分、人手がなくて辛いという事なんだろうけど、
自分からそういうことがわかってるとこ受けたんだからその点については特に言うことはない。
160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 02:28:50.22 ID:rrNCW8CC0
この間の事を何か言おうとしても、なぜだか充実しまくってました、としか言えない。
目に見える変化でめざましかったのはそばかすの連れてくるクマが日に日に成長していく事ぐらいだ。
ほほえましいというよりは若干怖いんだが、飼い主は全くそれを意に介していなかった。
意に介してほしい。
自分自身の大きな変化は内定だったけれど、だいたい同じ時期にクラスの面々も次第に行き先がきまってきた。
男子は従兄と同じ大学へ進学するそうだ。近場だし男子のやりたい研究をやってるらしい。
デブは実家の店を手伝うというか、継ぐ方針らしい。
ギャルも大学進学で……そばかすはよくわからない。
とりあえず割と話す面々をあげてみたけれど、それ以外の連中も自分の道に進んでいるようだった。
目に見える変化でめざましかったのはそばかすの連れてくるクマが日に日に成長していく事ぐらいだ。
ほほえましいというよりは若干怖いんだが、飼い主は全くそれを意に介していなかった。
意に介してほしい。
自分自身の大きな変化は内定だったけれど、だいたい同じ時期にクラスの面々も次第に行き先がきまってきた。
男子は従兄と同じ大学へ進学するそうだ。近場だし男子のやりたい研究をやってるらしい。
デブは実家の店を手伝うというか、継ぐ方針らしい。
ギャルも大学進学で……そばかすはよくわからない。
とりあえず割と話す面々をあげてみたけれど、それ以外の連中も自分の道に進んでいるようだった。
163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 02:34:35.15 ID:rrNCW8CC0
いまさらだが、自分の中に「絶対」…とまではいかなくとも希望がある人は強い。
希望も何もなくただ同じ毎日を続ける事を選択した俺がそうなれるだなんて全く思ってなかった。
だからこそ、その希望を大事にしたいと思っていたんだが…
俺の内定が決まってから数日後。俺だけでなく俺のクラスのほぼ全員が同様の怪文書を受け取った。
「お前らが消えれば世界は正しく浄化される」
と言う一文だけの紙がポストなどに投函されていたり、
家の壁にらくがきされていたりしていた。
そばかすはクマの毛をバリカンで刈られて書かれていたとクマをつれてきて実物をみせてくれたが、
とりあえずクマを連れてくるな。
希望も何もなくただ同じ毎日を続ける事を選択した俺がそうなれるだなんて全く思ってなかった。
だからこそ、その希望を大事にしたいと思っていたんだが…
俺の内定が決まってから数日後。俺だけでなく俺のクラスのほぼ全員が同様の怪文書を受け取った。
「お前らが消えれば世界は正しく浄化される」
と言う一文だけの紙がポストなどに投函されていたり、
家の壁にらくがきされていたりしていた。
そばかすはクマの毛をバリカンで刈られて書かれていたとクマをつれてきて実物をみせてくれたが、
とりあえずクマを連れてくるな。
166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 02:40:56.98 ID:rrNCW8CC0
とりあえずそれ以降、毎日毎日似たようなメッセージが届くようになった。
従兄「迷惑だなコレ…ひがみか?」
タカシ「ひがみじゃない?」
もっとも、俺含む大概の連中はスルーしているわけだが…。
スルーできない人も、当然のようにいるというのを目の当たりにすることになった。
ある日、元同じクラスの中でもあまりしゃべらない女子の口数が、だんだん減ってきているのに男子が気づいた。
俺はあまりしゃべらなかった事もあってか全く気付かなかったんだけれど、確かに指摘されると顔色が悪い。
男子「…大丈夫かな?」
タカシ「直接きいてみたほうがいいんじゃないか?」
男子「……タカシ行ってくれよ」
タカシ「なんでだよ?」
男子「俺は見つめあうと素直におしゃべりできないんだよ」
タカシ「見つめあう必要ないよな?」
従兄「迷惑だなコレ…ひがみか?」
タカシ「ひがみじゃない?」
もっとも、俺含む大概の連中はスルーしているわけだが…。
スルーできない人も、当然のようにいるというのを目の当たりにすることになった。
ある日、元同じクラスの中でもあまりしゃべらない女子の口数が、だんだん減ってきているのに男子が気づいた。
俺はあまりしゃべらなかった事もあってか全く気付かなかったんだけれど、確かに指摘されると顔色が悪い。
男子「…大丈夫かな?」
タカシ「直接きいてみたほうがいいんじゃないか?」
男子「……タカシ行ってくれよ」
タカシ「なんでだよ?」
男子「俺は見つめあうと素直におしゃべりできないんだよ」
タカシ「見つめあう必要ないよな?」
169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 02:46:27.02 ID:rrNCW8CC0
男子「………しょうがない、ギャルに頼むか…」
ギャル「何を?」
男子「女子元気ないからさ、どうかしたかって聞いてほしくて…」
ギャル「……自分で言えば?」
従兄の事でいままで結構ギャルとは話していたが、こんなに悪い笑顔のギャルは初めて見た。
ニヤニヤと明らかに面白くてたまらないと言わんばかりに笑っている。
多分俺も今似たような顔をしているだろう。頑張れ男子。
仕方ないといいながら、男子は女子のほうに向かう。
俺はできるだけそっちをみないようにしながら聞き耳を立てた。
男子「…よぉ……最近元気ないよな?」
女子「……うん」
男子「なんかあったか?」
女子「クラスのみんなもらってるっていう手紙の事で……ちょっと」
ギャル「何を?」
男子「女子元気ないからさ、どうかしたかって聞いてほしくて…」
ギャル「……自分で言えば?」
従兄の事でいままで結構ギャルとは話していたが、こんなに悪い笑顔のギャルは初めて見た。
ニヤニヤと明らかに面白くてたまらないと言わんばかりに笑っている。
多分俺も今似たような顔をしているだろう。頑張れ男子。
仕方ないといいながら、男子は女子のほうに向かう。
俺はできるだけそっちをみないようにしながら聞き耳を立てた。
男子「…よぉ……最近元気ないよな?」
女子「……うん」
男子「なんかあったか?」
女子「クラスのみんなもらってるっていう手紙の事で……ちょっと」
171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 02:55:46.22 ID:rrNCW8CC0
男子「勝手な言い分を信じる必要なんてないし、大丈夫だと思うけど?こんなセコイ奴が何かできるとは思えないし」
女子「……おにいちゃんが……なんかすごく、あの手紙に感化されてるの……」
そっちをみないようにしていたけれど、明らかに女子の声が涙声になってきていて気になる。
前のほうを見てみるとギャルも同じようでチラ見しつつ様子をうかがっている。
そういえば女子の兄はニュース聞いてヤケになった側なんだっけか。ちょっとだけ思い出した。
女子「私が学校行こうとしたら… むっ…むだ…なのに…むだなのにって… なんでそんなことするんだって…」
誘惑に勝てず振り返ると、自分の手で涙をぬぐいながら必死に話す女子と、
何もできずオロオロする男子が目に入った。ティッシュかハンカチ差し出せ。好感度あがるぞ?
女子「嫌がらせかって…おこってくるの……」
男子「……そうだったのか…別に嫌がらせとかでやってるつもりないのにな…」
男子は必死に慰めようとしているんだろうけれどあまり効果がない。
女子「……おにいちゃんが……なんかすごく、あの手紙に感化されてるの……」
そっちをみないようにしていたけれど、明らかに女子の声が涙声になってきていて気になる。
前のほうを見てみるとギャルも同じようでチラ見しつつ様子をうかがっている。
そういえば女子の兄はニュース聞いてヤケになった側なんだっけか。ちょっとだけ思い出した。
女子「私が学校行こうとしたら… むっ…むだ…なのに…むだなのにって… なんでそんなことするんだって…」
誘惑に勝てず振り返ると、自分の手で涙をぬぐいながら必死に話す女子と、
何もできずオロオロする男子が目に入った。ティッシュかハンカチ差し出せ。好感度あがるぞ?
女子「嫌がらせかって…おこってくるの……」
男子「……そうだったのか…別に嫌がらせとかでやってるつもりないのにな…」
男子は必死に慰めようとしているんだろうけれどあまり効果がない。
173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 03:02:52.15 ID:rrNCW8CC0
今目の前で泣いている女がいるときに悠長ではあるけれど…
ヤケになって好き放題してやるって思っている人が俺たちのように今までの生活保ってるのを見れば、
そんな状況になるのもなんとなくわかる気はする。女子の兄はきっと、「あてつけ」のように感じてるんだろうな。
きっと意味不明投函も主も、そういうタイプなんだろう。
そばかす「大丈夫」
女子「?!」
男子「?!」
ときどき思うんだが…そばかす、お前どっから現れた。
そばかす「女子ちゃんのほうが手紙の人よりもおにいさんよりも強い。負けたりしないよ」
女子「あ…ありがとう…」
そばかす「いまは、おにいさんが弱いの認めたくない時期なんだろうから、ほっといたほうがいいよ」
そう言いながら自分のハンカチを差し出すそばかす。
その役目は男子にさせてやってほしかった。
ヤケになって好き放題してやるって思っている人が俺たちのように今までの生活保ってるのを見れば、
そんな状況になるのもなんとなくわかる気はする。女子の兄はきっと、「あてつけ」のように感じてるんだろうな。
きっと意味不明投函も主も、そういうタイプなんだろう。
そばかす「大丈夫」
女子「?!」
男子「?!」
ときどき思うんだが…そばかす、お前どっから現れた。
そばかす「女子ちゃんのほうが手紙の人よりもおにいさんよりも強い。負けたりしないよ」
女子「あ…ありがとう…」
そばかす「いまは、おにいさんが弱いの認めたくない時期なんだろうから、ほっといたほうがいいよ」
そう言いながら自分のハンカチを差し出すそばかす。
その役目は男子にさせてやってほしかった。
174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 03:09:06.30 ID:rrNCW8CC0
そばかす「大丈夫、弱い人の自己保身のために強い人が負けてやる必要はないんだよ」
女子「…ありがとう…」
……そういえば、今の今まで忘れていたけれど、
そばかす自身もそういう弱い奴の自己保身ってやつに巻き込まれかけたんだよな…
大変な目に会ってるはずなんだけどさりげなさ過ぎて完全にスルーしていた…。
しかし、今はそばかすが女子をフォローしたけれど、
家の中に一緒に住んでいる奴がそうだっていうなら定期的に見てやったほうがいいかもしれないな。
そう思って、俺は男子の肩をたたいてささやいた。
タカシ「このヘタレ」
男子「お前最近調子に乗ってるだろ?なぁそうだろ?」
タカシ「とりあえずヘタレ脱却して女子をきちんとフォローしろよ」
女子「…ありがとう…」
……そういえば、今の今まで忘れていたけれど、
そばかす自身もそういう弱い奴の自己保身ってやつに巻き込まれかけたんだよな…
大変な目に会ってるはずなんだけどさりげなさ過ぎて完全にスルーしていた…。
しかし、今はそばかすが女子をフォローしたけれど、
家の中に一緒に住んでいる奴がそうだっていうなら定期的に見てやったほうがいいかもしれないな。
そう思って、俺は男子の肩をたたいてささやいた。
タカシ「このヘタレ」
男子「お前最近調子に乗ってるだろ?なぁそうだろ?」
タカシ「とりあえずヘタレ脱却して女子をきちんとフォローしろよ」
175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 03:19:20.18 ID:rrNCW8CC0
男子は微妙な顔のまま、一度だけうなづいた。
ふと、ギャルのほうを見るとこちら側には関心がなくなっていたのかクマにめちゃくちゃかまっている。
あの流れを聞いていて途中で気が移るなんて大物だな。ちょっと女子にその根性分けてやってくれ。
まぁ、それはそれとして俺も直接ではないにしろどうにかしたいとい気持ちはあった。
そこで、帰りのHRの後に、進路担当をちょっと呼びとめてみた。
進路「何?問題があったの?」
タカシ「問題と言うか…先生は最近みんながされてるイタズラをしってますか?」
進路「知ってるわ。生徒だけじゃなくって先生達にも来ているのよ」
タカシ「……そうなんですか?」
進路「ええ。どういうタイプの人がやってるのかだいたいわかるからほっておいているけど…」
タカシ「当人じゃなく、身近な人が感化されてしまう例があるみたいなので、
他の先生にも注意するよう伝えてもらっていいですか?」
進路「そうなの?……あー……確かにあるかもね… わかったわ。会議なんかで話題に出してみるわね」
ふと、ギャルのほうを見るとこちら側には関心がなくなっていたのかクマにめちゃくちゃかまっている。
あの流れを聞いていて途中で気が移るなんて大物だな。ちょっと女子にその根性分けてやってくれ。
まぁ、それはそれとして俺も直接ではないにしろどうにかしたいとい気持ちはあった。
そこで、帰りのHRの後に、進路担当をちょっと呼びとめてみた。
進路「何?問題があったの?」
タカシ「問題と言うか…先生は最近みんながされてるイタズラをしってますか?」
進路「知ってるわ。生徒だけじゃなくって先生達にも来ているのよ」
タカシ「……そうなんですか?」
進路「ええ。どういうタイプの人がやってるのかだいたいわかるからほっておいているけど…」
タカシ「当人じゃなく、身近な人が感化されてしまう例があるみたいなので、
他の先生にも注意するよう伝えてもらっていいですか?」
進路「そうなの?……あー……確かにあるかもね… わかったわ。会議なんかで話題に出してみるわね」
179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 03:26:45.43 ID:rrNCW8CC0
なんというか、前の担任とは違った意味で頼もしい先生だと思う。
俺がこの人に頼りっぱなしだという部分も大いにあると思うけれど。
進路担当との話が終わってから、俺はカバンを手にとって帰路についた。
久しぶりに、帰りがけに空を眺めてみる。月は上弦の三日月だ。なんとなくあの日のあたりを思い出す。
タカシ「…そうだ」
父ちゃん達に、まだ内定もらえたって手紙を送っていなかった。
明日は休日だし、夜のうちに手紙を書いてしまおう。
内定が決まったこと以外には何をかこうかと考えながら帰った。
あまり、心配はさせたくない。今までぼんやりしてたけど今は仲のいいのが結構いる…とかは書こうかな。
「なんでそんなに楽しそうなんだよ…」
後ろからそんな声が聞こえたので、振り返る。
見知らぬ人が立ってた。振り返らずに逃げてしまえばよかった。なんか面倒くさそうな予感がする。
俺がこの人に頼りっぱなしだという部分も大いにあると思うけれど。
進路担当との話が終わってから、俺はカバンを手にとって帰路についた。
久しぶりに、帰りがけに空を眺めてみる。月は上弦の三日月だ。なんとなくあの日のあたりを思い出す。
タカシ「…そうだ」
父ちゃん達に、まだ内定もらえたって手紙を送っていなかった。
明日は休日だし、夜のうちに手紙を書いてしまおう。
内定が決まったこと以外には何をかこうかと考えながら帰った。
あまり、心配はさせたくない。今までぼんやりしてたけど今は仲のいいのが結構いる…とかは書こうかな。
「なんでそんなに楽しそうなんだよ…」
後ろからそんな声が聞こえたので、振り返る。
見知らぬ人が立ってた。振り返らずに逃げてしまえばよかった。なんか面倒くさそうな予感がする。
183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 03:36:04.31 ID:rrNCW8CC0
「もう2年もしないうちにみんな死ぬんだぞ?もっと悲しそうにするのが礼儀だろ?」
タカシ「……死ぬとは限らないんじゃないんですか?」
「いや、死ぬ。84%だぞ?地球は84%の確率で滅びるんだぞ?半分以上なら死ぬ覚悟をすべきだ」
根本的に考えが合わない予感がしだしたから即座に逃げたい。
あー…でもなんかこいつゴツいんだよな…俺未だに体力面では鍛えられてないから追いつかれそうな気がする…
「それなのに嬉しそうに毎日暮らしやがって…そんなに死ぬのが怖い連中がおかしいか」
論破するのも疲れそうなんだよな…早く家帰りたい。
…言うだけ言って逃げて、逃げ切れなければ助けを呼ぶか…?
助けを呼んでも助けてくれるような人が近場にいるだろうか?
なんで家からも学校からも中途半端に遠いところで声かけるかな……
「返事しろ!!」
タカシ「死ぬのが怖いのはおかしくないけどお前の理屈はおかしいと思う」
タカシ「……死ぬとは限らないんじゃないんですか?」
「いや、死ぬ。84%だぞ?地球は84%の確率で滅びるんだぞ?半分以上なら死ぬ覚悟をすべきだ」
根本的に考えが合わない予感がしだしたから即座に逃げたい。
あー…でもなんかこいつゴツいんだよな…俺未だに体力面では鍛えられてないから追いつかれそうな気がする…
「それなのに嬉しそうに毎日暮らしやがって…そんなに死ぬのが怖い連中がおかしいか」
論破するのも疲れそうなんだよな…早く家帰りたい。
…言うだけ言って逃げて、逃げ切れなければ助けを呼ぶか…?
助けを呼んでも助けてくれるような人が近場にいるだろうか?
なんで家からも学校からも中途半端に遠いところで声かけるかな……
「返事しろ!!」
タカシ「死ぬのが怖いのはおかしくないけどお前の理屈はおかしいと思う」
187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 03:44:52.15 ID:rrNCW8CC0
タカシ「少なくとも、死ぬかもしれない事はわかっててやってるのだっている。自分ができないからって邪魔すんな」
とりあえず、逃げだした瞬間足くじいたりしないように注意する。
相手がこっちに襲いかかってきても逃げ切るには、
家や学校に向かうよりも街のほうに走って従兄のバイト先に逃げ込むほうがいいだろう。
……あ、やっぱ相手怒ってる。自分を否定されるのは気分悪いもんな。
俺もさっきのお前に似たような気分にさせられたからおあいこだと思うんだけど……。
男がつかみかかってきたので左に避けて、従兄のバイト先目指す。
体力ない上にカバンの教科書は重いけれど仕方がない、何とか逃げ切ったらそれから対策を考えよう。
「まて!このガキ!!!」
アーケード街に入る。たしか時計のある角にあるハンバーガーショップだったはず。
タカシ「たすけて!!」
まともに働いている人達が耳を貸してくれることを祈って叫んでみる。
しかし何も起こらなかった。
とりあえず、逃げだした瞬間足くじいたりしないように注意する。
相手がこっちに襲いかかってきても逃げ切るには、
家や学校に向かうよりも街のほうに走って従兄のバイト先に逃げ込むほうがいいだろう。
……あ、やっぱ相手怒ってる。自分を否定されるのは気分悪いもんな。
俺もさっきのお前に似たような気分にさせられたからおあいこだと思うんだけど……。
男がつかみかかってきたので左に避けて、従兄のバイト先目指す。
体力ない上にカバンの教科書は重いけれど仕方がない、何とか逃げ切ったらそれから対策を考えよう。
「まて!このガキ!!!」
アーケード街に入る。たしか時計のある角にあるハンバーガーショップだったはず。
タカシ「たすけて!!」
まともに働いている人達が耳を貸してくれることを祈って叫んでみる。
しかし何も起こらなかった。
191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 03:50:55.72 ID:rrNCW8CC0
とりあえず、従兄のバイト先に駆け込む。男は俺が店の中に入ったのを見るとうろたえた。
従兄「あ?めずらしいなタカシ。どうした?」
タカシ「変質者に追っかけられた、かくまって!」
従兄は怪訝な顔をすると、俺の指差した方向を見た。
まだあの男は店に入ってくべきかどうするか迷っている。
従兄「よし、じゃあテーブル席で待ってろ。帰る時いっしょにかえってやるから」
タカシ「ありがとう…」
まさか自分の就職も決まったような段階になってまで、従兄の力を頼りまくるとは…少し情けない気もする。
だけどまぁ、理不尽に暴力振るわれないためだ、仕方ない。
従兄「あ?めずらしいなタカシ。どうした?」
タカシ「変質者に追っかけられた、かくまって!」
従兄は怪訝な顔をすると、俺の指差した方向を見た。
まだあの男は店に入ってくべきかどうするか迷っている。
従兄「よし、じゃあテーブル席で待ってろ。帰る時いっしょにかえってやるから」
タカシ「ありがとう…」
まさか自分の就職も決まったような段階になってまで、従兄の力を頼りまくるとは…少し情けない気もする。
だけどまぁ、理不尽に暴力振るわれないためだ、仕方ない。
195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 04:06:23.22 ID:rrNCW8CC0
しばらくしてから、従兄のバイトがあがったので、俺は従兄と一緒に店を出る。
あの男が俺を見て睨んできたが、従兄が睨み返すとコソコソと逃げて行った。
……多分、俺が弱そうだから狙ったんだな、あいつ…
従兄と一緒に家に帰りついてから、俺は父ちゃん達に送る手紙を書いた。
自分の言葉をきちんと伝える自信はあまりなかったが、まぁなんとかなるだろう。
えーと… 父ちゃん、母ちゃんへ、タカシです。 ……固いか?とりあえず続きを…
二人が無事だと知って、とてもうれしかったです。 帰りがけに考えてたやつを入れて…
俺はずっとおとなしかったんですが、最近は仲のいい奴もいます。
隕石の撃退計画は、その周囲の人に期待されています。
俺は、父ちゃんと母ちゃんが参加しているから、期待程度じゃなく成功すると信じています。
…プレッシャーになるか…?いや、これは応援だ。応援。
きちんとせいこうするとしんじていますが、そのためにも今すぐ会いたいとは言いません。
ただ、8歳の誕生日ができなかった分のプレゼントをねだってもいいでしょうか?
……とりあえずかきあげて、伯父から切手をもらい、手紙を入れた封筒に張る。
明日は護身具を持って郵便局へ行こう。そして、この手紙を父ちゃん達に受け取ってもらうんだ。
あの男が俺を見て睨んできたが、従兄が睨み返すとコソコソと逃げて行った。
……多分、俺が弱そうだから狙ったんだな、あいつ…
従兄と一緒に家に帰りついてから、俺は父ちゃん達に送る手紙を書いた。
自分の言葉をきちんと伝える自信はあまりなかったが、まぁなんとかなるだろう。
えーと… 父ちゃん、母ちゃんへ、タカシです。 ……固いか?とりあえず続きを…
二人が無事だと知って、とてもうれしかったです。 帰りがけに考えてたやつを入れて…
俺はずっとおとなしかったんですが、最近は仲のいい奴もいます。
隕石の撃退計画は、その周囲の人に期待されています。
俺は、父ちゃんと母ちゃんが参加しているから、期待程度じゃなく成功すると信じています。
…プレッシャーになるか…?いや、これは応援だ。応援。
きちんとせいこうするとしんじていますが、そのためにも今すぐ会いたいとは言いません。
ただ、8歳の誕生日ができなかった分のプレゼントをねだってもいいでしょうか?
……とりあえずかきあげて、伯父から切手をもらい、手紙を入れた封筒に張る。
明日は護身具を持って郵便局へ行こう。そして、この手紙を父ちゃん達に受け取ってもらうんだ。
197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 04:16:29.92 ID:rrNCW8CC0
数週間後。父ちゃんと母ちゃんからの返事が届いた。
俺が誕生日プレゼントにねだったものを約束してくれるらしい。
自分でもちょっとわがまま言ったかと思ったんだが、返事の筆跡は踊りださんばかりに嬉しそうだった。
従兄「…俺、お前が何ねだったか知らないんだけどさ…」
タカシ「うん。見せてないし」
従兄「嬉しいからってあんまり叔父さん達に負担掛けるなよ?」
タカシ「大丈夫じゃないか…?たぶん」
父ちゃん達からの返事が届くころには、妬みの手紙もとぎれとぎれになってきた。
理由としては、隕石の撃退策の具体的なシミュレーション案がニュースで放送されるようになってきたからだと思う。
ただ単に「ミサイルつかいます!」としか言われてなかった頃よりは、
周囲の人々も先がある事を考え出してきた雰囲気を感じてる。
俺が誕生日プレゼントにねだったものを約束してくれるらしい。
自分でもちょっとわがまま言ったかと思ったんだが、返事の筆跡は踊りださんばかりに嬉しそうだった。
従兄「…俺、お前が何ねだったか知らないんだけどさ…」
タカシ「うん。見せてないし」
従兄「嬉しいからってあんまり叔父さん達に負担掛けるなよ?」
タカシ「大丈夫じゃないか…?たぶん」
父ちゃん達からの返事が届くころには、妬みの手紙もとぎれとぎれになってきた。
理由としては、隕石の撃退策の具体的なシミュレーション案がニュースで放送されるようになってきたからだと思う。
ただ単に「ミサイルつかいます!」としか言われてなかった頃よりは、
周囲の人々も先がある事を考え出してきた雰囲気を感じてる。
199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 04:29:09.03 ID:rrNCW8CC0
ギャル「一時はどうなる事かと思ったけど、結構みんなしっかり立ち直ったよねー」
デブ「……けど…編成前のクラスのいなく人もどってこないね…」
ある時、ギャルとデブがそんな話をしていた。ギャルもデブも、若干しょんぼりしている。
俺はずっと空気でいたせいか、そこまではっきりと前のクラスの事は思い出せないんだが、
一応周囲との交流があった場合は気になるんだろう。
ギャル「ねーねー、そばかすはなんかしらない?どうにかして呼び戻せない?」
そばかす「学校に来る以外の事に意義を見つけた人もいるから、多分無理よ」
ギャル「私たちが滅んでも滅びなくても学校に来たほうがいい…って思ったようにってことだよね…」
そばかす「そうね」
今更だが、本当にこいつらはよくそんな覚悟を決めて学校に来てたなぁと思う。
今のポテンシャルを当時の俺が持っていてもそこまで覚悟きめられなかっただろう。
デブ「……けど…編成前のクラスのいなく人もどってこないね…」
ある時、ギャルとデブがそんな話をしていた。ギャルもデブも、若干しょんぼりしている。
俺はずっと空気でいたせいか、そこまではっきりと前のクラスの事は思い出せないんだが、
一応周囲との交流があった場合は気になるんだろう。
ギャル「ねーねー、そばかすはなんかしらない?どうにかして呼び戻せない?」
そばかす「学校に来る以外の事に意義を見つけた人もいるから、多分無理よ」
ギャル「私たちが滅んでも滅びなくても学校に来たほうがいい…って思ったようにってことだよね…」
そばかす「そうね」
今更だが、本当にこいつらはよくそんな覚悟を決めて学校に来てたなぁと思う。
今のポテンシャルを当時の俺が持っていてもそこまで覚悟きめられなかっただろう。
200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 04:37:08.57 ID:rrNCW8CC0
女子が泣いている。この場面では仕方ないよな。
俺だってギャルたちの気の抜けた会話がなければ泣いてたと思う。
進路担当が教室に入ってきて、言った。
進路「みなさん、卒業おめでとうございます。」
今日は、この学校の卒業式だ。といってもデブの言っていたように人がほとんど戻ってきてないから、
卒業生は30名足らずと結構小規模なものだけど。
進路担当は目に涙を浮かべている。
進路「私は、あなた達が学校に残ってくれて本当によかったと思っています。
辛いことや、悲しい事も沢山あったでしょう。すべてから守れずに本当にごめんなさい。」
ギャル「せんせー謝る必要ないよー」
ギャルは軽く言っているつもりだろうけど鼻声だ。全くごまかせていない。
俺だってギャルたちの気の抜けた会話がなければ泣いてたと思う。
進路担当が教室に入ってきて、言った。
進路「みなさん、卒業おめでとうございます。」
今日は、この学校の卒業式だ。といってもデブの言っていたように人がほとんど戻ってきてないから、
卒業生は30名足らずと結構小規模なものだけど。
進路担当は目に涙を浮かべている。
進路「私は、あなた達が学校に残ってくれて本当によかったと思っています。
辛いことや、悲しい事も沢山あったでしょう。すべてから守れずに本当にごめんなさい。」
ギャル「せんせー謝る必要ないよー」
ギャルは軽く言っているつもりだろうけど鼻声だ。全くごまかせていない。
203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 04:44:14.11 ID:rrNCW8CC0
進路「今、世界は救済策があるのは知っていながらも混沌としています。」
進路担当は涙目のまま続ける。
進路「あなた達がその中でもしっかり歩めることは、この数か月で十分に見てきたつもりです。
ですから、これからも地に足をつけて、一歩一歩前に進んでください」
短い担任だったが、みんなが進路担当の言葉をきちんと聞いていた。
もちろん俺もだ。よくよく考えなくても、隕石ニュースがなくても恩師に当たり人物だったんじゃないだろうか?
主に俺の就職的な意味で。
進路担当が別れの言葉を言い終わってさいごのHRが終わった後も、俺含む数人は教室にまだ残っていた。
進路担当は涙目のまま続ける。
進路「あなた達がその中でもしっかり歩めることは、この数か月で十分に見てきたつもりです。
ですから、これからも地に足をつけて、一歩一歩前に進んでください」
短い担任だったが、みんなが進路担当の言葉をきちんと聞いていた。
もちろん俺もだ。よくよく考えなくても、隕石ニュースがなくても恩師に当たり人物だったんじゃないだろうか?
主に俺の就職的な意味で。
進路担当が別れの言葉を言い終わってさいごのHRが終わった後も、俺含む数人は教室にまだ残っていた。
206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 04:57:34.75 ID:rrNCW8CC0
タカシ「みんな、いままでありがとう。多分あの時男子が話しかけてこなかったら、
俺今も何も考えないまま…はないと思うけど、もっと無気力に生きていた気がする」
実際に、あそこで考えてあったからその後父ちゃんと母ちゃんが生きていたって時に本当に立ち直れたんだと思う。
そんな事を俺が言うと、続けてデブがいう。
デブ「僕も、みんなと話せるようになってよかった。なんとなくだった事に意味ができてうれしかった。」
ギャル「私もー。以外とみんな面白くて楽しかった~。」
オレとデブ以外多分だけど、こういう状況に陥らなくっても充実した学園生活を遅れてたと思うんだ。
男子「そうだな…俺も、生きること前提にしてよかったと本気で思ってるよ。
最期の思い出づくりとか行く場合は、最期に死ぬ事を考えてたから…」
こいつがそんなネガティブな選択肢を持っていたというのはなんとなく驚きだった。
死ぬ前提でもいろんなところに行くだけ行ってそのまま無事に帰ってくるプランだと思っていたんだが。
そばかす「仮に帰ってくるプランでも、似たような人に遭遇して最後はまいっちゃうと思うよ。」
最期の最期まで一番謎が残ったこいつに関しては、そばかすはもうこういう生物なんだと思うことにした。
それでも、卒業式にはクマを連れてきてなくて感心したとおもったら、
保護者席にスーツ着せておいてたのはやはり突っ込んでおきたい。
俺今も何も考えないまま…はないと思うけど、もっと無気力に生きていた気がする」
実際に、あそこで考えてあったからその後父ちゃんと母ちゃんが生きていたって時に本当に立ち直れたんだと思う。
そんな事を俺が言うと、続けてデブがいう。
デブ「僕も、みんなと話せるようになってよかった。なんとなくだった事に意味ができてうれしかった。」
ギャル「私もー。以外とみんな面白くて楽しかった~。」
オレとデブ以外多分だけど、こういう状況に陥らなくっても充実した学園生活を遅れてたと思うんだ。
男子「そうだな…俺も、生きること前提にしてよかったと本気で思ってるよ。
最期の思い出づくりとか行く場合は、最期に死ぬ事を考えてたから…」
こいつがそんなネガティブな選択肢を持っていたというのはなんとなく驚きだった。
死ぬ前提でもいろんなところに行くだけ行ってそのまま無事に帰ってくるプランだと思っていたんだが。
そばかす「仮に帰ってくるプランでも、似たような人に遭遇して最後はまいっちゃうと思うよ。」
最期の最期まで一番謎が残ったこいつに関しては、そばかすはもうこういう生物なんだと思うことにした。
それでも、卒業式にはクマを連れてきてなくて感心したとおもったら、
保護者席にスーツ着せておいてたのはやはり突っ込んでおきたい。
208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 05:07:32.35 ID:rrNCW8CC0
俺たちは一通り、友人たちへの感謝を述べあって、そのあとに教室を出て別れた。
まさか、こんなにさわやかな卒業式を迎えられるなんて全く考えていなかったので、とりあえず隕石に感謝してみた。
隕石降るとか言わなきゃ多分こうはならなかったからな、俺。
まぁ、隕石が降るとかいうからそれ以前の無気力状態になった気がしなくもないんだが。
家に帰る途中で、いつだったかのコートの男がいるのに気づいた。
タカシ「こんにちは」
コート「こんにちは、ご卒業おめでとうございます。これ、お祝いの品です、届けに来ました」
タカシ「ありがとうございます」
パシリも大変だな、とか思ったけど言わないことにした。
とりあえず渡されたものを受け取り、頭を下げる。
コート「ご就職と聞きましたが、いいんですか?こんな世の中ですよ?」
タカシ「今だからいいと思う部分もあると思うので、行ってきます」
コート「そうですか。それでは、今後も頑張ってください」
タカシ「はい!」
まさか、こんなにさわやかな卒業式を迎えられるなんて全く考えていなかったので、とりあえず隕石に感謝してみた。
隕石降るとか言わなきゃ多分こうはならなかったからな、俺。
まぁ、隕石が降るとかいうからそれ以前の無気力状態になった気がしなくもないんだが。
家に帰る途中で、いつだったかのコートの男がいるのに気づいた。
タカシ「こんにちは」
コート「こんにちは、ご卒業おめでとうございます。これ、お祝いの品です、届けに来ました」
タカシ「ありがとうございます」
パシリも大変だな、とか思ったけど言わないことにした。
とりあえず渡されたものを受け取り、頭を下げる。
コート「ご就職と聞きましたが、いいんですか?こんな世の中ですよ?」
タカシ「今だからいいと思う部分もあると思うので、行ってきます」
コート「そうですか。それでは、今後も頑張ってください」
タカシ「はい!」
211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 05:18:03.28 ID:rrNCW8CC0
家に帰って開けてみると、手紙と、
8歳のころ父ちゃんと母ちゃんが俺に渡すつもりだった「星」のデータが入っていた。
手紙によると、父ちゃん達は星そのものではなく、
その星の分析データを俺に渡してプレゼントする気だったらしい。
そのためのデータ分析中に隕石落下が判明して外出不可扱いになったんだそうだ。
コートから以前聞かされてはいたが、あらためてめちゃくちゃな発覚理由だと思う。
とりあえず俺は、その星のデータをきちんとファイルにしまいこんだ。
卒業後も、おれは伯父の家に世話になりつつ、食品会社につとめていた……。
仕事をしていく合間に、どんどん世相というものがかわっていった。
俺が就職したばかりのころは多少緩やかになったとはいえ混沌期だった。
ニュースも暗いものが多かった気がする。
8歳のころ父ちゃんと母ちゃんが俺に渡すつもりだった「星」のデータが入っていた。
手紙によると、父ちゃん達は星そのものではなく、
その星の分析データを俺に渡してプレゼントする気だったらしい。
そのためのデータ分析中に隕石落下が判明して外出不可扱いになったんだそうだ。
コートから以前聞かされてはいたが、あらためてめちゃくちゃな発覚理由だと思う。
とりあえず俺は、その星のデータをきちんとファイルにしまいこんだ。
卒業後も、おれは伯父の家に世話になりつつ、食品会社につとめていた……。
仕事をしていく合間に、どんどん世相というものがかわっていった。
俺が就職したばかりのころは多少緩やかになったとはいえ混沌期だった。
ニュースも暗いものが多かった気がする。
219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 05:32:26.21 ID:rrNCW8CC0
それがしばらくするうちにものすごく楽観ばかりになる時期が来て、
そのあとにまた「すべての生物がいき絶える」などという声が反映される時期が来た。
どうやら、隕石がやってきてみるまでは、楽観と絶望を交互に繰り返すものらしい。
それによってセールスの内容がかわったりして、正直仕事はめんどくさい事も多い。
だが、仕事をすることで誰かに必要とされるのは消して悪い印象はなかった。
俺自身は、仕事の思考錯誤の繰り返しで日々を送っていたが、俺の周囲はどんどん動いていった
まず、大学に進学したギャルがついに従兄と付き合いだした。何度か家に来ていたが、
メイクを大人しくして髪染めもそこまで明るくなくなっていたため最初誰かわからなかった。
「また清楚系かよ」とかいってその清楚系からギャルの声が出たときギャップで腹がよじれたもんだ
ギャル伝いで、当時の友人たちの情報は入ってきた。
男子も従兄やギャルと同じ大学できちんとやってるらしいし、
デブも店をきちんと運営できているらしい。
そばかすは相変わらずよくわからないが街中などでみかけるから、まぁ元気なんだろう。
クマが猛獣レベルに成長していたから近づくことなんてできなかったけれど…。
「みんなすごいな」とはなしていたが、ギャルや従兄から見れば俺も十分に変わってきたらしい。
そう言ってもらえると、結構むずがゆいものがある
そしてやってきた、隕石最接近の予定日 兼 俺の20の誕生日
そのあとにまた「すべての生物がいき絶える」などという声が反映される時期が来た。
どうやら、隕石がやってきてみるまでは、楽観と絶望を交互に繰り返すものらしい。
それによってセールスの内容がかわったりして、正直仕事はめんどくさい事も多い。
だが、仕事をすることで誰かに必要とされるのは消して悪い印象はなかった。
俺自身は、仕事の思考錯誤の繰り返しで日々を送っていたが、俺の周囲はどんどん動いていった
まず、大学に進学したギャルがついに従兄と付き合いだした。何度か家に来ていたが、
メイクを大人しくして髪染めもそこまで明るくなくなっていたため最初誰かわからなかった。
「また清楚系かよ」とかいってその清楚系からギャルの声が出たときギャップで腹がよじれたもんだ
ギャル伝いで、当時の友人たちの情報は入ってきた。
男子も従兄やギャルと同じ大学できちんとやってるらしいし、
デブも店をきちんと運営できているらしい。
そばかすは相変わらずよくわからないが街中などでみかけるから、まぁ元気なんだろう。
クマが猛獣レベルに成長していたから近づくことなんてできなかったけれど…。
「みんなすごいな」とはなしていたが、ギャルや従兄から見れば俺も十分に変わってきたらしい。
そう言ってもらえると、結構むずがゆいものがある
そしてやってきた、隕石最接近の予定日 兼 俺の20の誕生日
220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 05:44:57.43 ID:rrNCW8CC0
その日ばかりは、周期的な楽観と絶望では測れない、緊張で迎えられた。
隕石を迎え撃つのは深夜に行われることになっていて、誰もが生中継のテレビか、空を見上げていた。
俺や伯父一家は、テレビをつけた状態で空の様子をうかがっていた。
中継画面には各国の軍が迎撃ミサイルの護衛をしているシーンが映っている。
伯父「……こんな風に守る必要があるんだな」
タカシ「未だに、地球が壊れたほうがいいと思う奴はいるみたいだから」
そんな事を話していると、テレビから発射の合図が聞こえるが、どうなっているのかよくわからない。
テレビから「成功です!」という声が流れたと同時に、無数の流れ星が空に流れた。
打ち返された時に粉々になったかけらが、
隕石としてではなく燃え尽きてしまう流れ星として地球に降り注いだのだ…
と、テレビで軌道計算チームとして紹介された父ちゃんが語っている。
近所からも、真後ろからも隕石を追い返したことで喜びの声が聞こえてくる。
俺はそれをただ「よかったなー」とか言いながら眺めていた。
隕石を迎え撃つのは深夜に行われることになっていて、誰もが生中継のテレビか、空を見上げていた。
俺や伯父一家は、テレビをつけた状態で空の様子をうかがっていた。
中継画面には各国の軍が迎撃ミサイルの護衛をしているシーンが映っている。
伯父「……こんな風に守る必要があるんだな」
タカシ「未だに、地球が壊れたほうがいいと思う奴はいるみたいだから」
そんな事を話していると、テレビから発射の合図が聞こえるが、どうなっているのかよくわからない。
テレビから「成功です!」という声が流れたと同時に、無数の流れ星が空に流れた。
打ち返された時に粉々になったかけらが、
隕石としてではなく燃え尽きてしまう流れ星として地球に降り注いだのだ…
と、テレビで軌道計算チームとして紹介された父ちゃんが語っている。
近所からも、真後ろからも隕石を追い返したことで喜びの声が聞こえてくる。
俺はそれをただ「よかったなー」とか言いながら眺めていた。
227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 05:57:29.24 ID:rrNCW8CC0
父ちゃんも母ちゃんも、きちんと俺のわがままを聞いてくれたらしい。
俺が頼んだのは「隕石撃退のときに被害を全く出さない方法をとってくれ」だった。
隕石をコナゴナにしても、コナゴナになったかけらが地面に到達してしまえば甚大な被害を出す。
そのための計算は難しいものだと頭ではなんとなくわかっていたけど、
俺の自慢の父ちゃん母ちゃんにケチがつかないような形で地球や俺達を守ってほしかった。
隕石の削りかすでうまれた流れ星はしばらく続いた。小さな隕石になってしまったものはなかったらしい。
そこで中継はとぎれて、深夜番組に切り替わる。
タカシ「やり遂げたんだな…やっぱすごいな父ちゃん達は…」
俺が頼んだのは「隕石撃退のときに被害を全く出さない方法をとってくれ」だった。
隕石をコナゴナにしても、コナゴナになったかけらが地面に到達してしまえば甚大な被害を出す。
そのための計算は難しいものだと頭ではなんとなくわかっていたけど、
俺の自慢の父ちゃん母ちゃんにケチがつかないような形で地球や俺達を守ってほしかった。
隕石の削りかすでうまれた流れ星はしばらく続いた。小さな隕石になってしまったものはなかったらしい。
そこで中継はとぎれて、深夜番組に切り替わる。
タカシ「やり遂げたんだな…やっぱすごいな父ちゃん達は…」
230: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 06:11:11.89 ID:rrNCW8CC0
きっとやり遂げるに違いないとわかっていたはずなのに、うれし涙が止まらなかった。
翌朝……
ミサイル発射位置から一晩で迎えに来れるわけがないというのは分かっていたが、
なかなか来てくれるはずの父ちゃん達がこなくてやきもきしていた。
おまけにテレビでは父ちゃんと母ちゃんに生インタビューという企画のテロップが流れている。
やっぱり俺はテレビに関しては生はあまり好きじゃないかもしれない。どうしてもというときはとてもありがたいけど…
CMがおわり、番組が再開すると同時に、インターフォンが鳴る。
父「タカシー!!テレビ見てるだろー!!あけてくれー!!」
母「お母ちゃん達やったよー!」
その声は、テレビと玄関の両方から響いた
終わり
翌朝……
ミサイル発射位置から一晩で迎えに来れるわけがないというのは分かっていたが、
なかなか来てくれるはずの父ちゃん達がこなくてやきもきしていた。
おまけにテレビでは父ちゃんと母ちゃんに生インタビューという企画のテロップが流れている。
やっぱり俺はテレビに関しては生はあまり好きじゃないかもしれない。どうしてもというときはとてもありがたいけど…
CMがおわり、番組が再開すると同時に、インターフォンが鳴る。
父「タカシー!!テレビ見てるだろー!!あけてくれー!!」
母「お母ちゃん達やったよー!」
その声は、テレビと玄関の両方から響いた
終わり
232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 06:14:45.16 ID:rrNCW8CC0
途中、ふねをこいでしまったりで著しく間が空いてしまったりしてすみませんでした。
今回はこれでおしまいです、読んでくださったり注意してくださったりしたかた、支援のかたありがとうございました
今回はこれでおしまいです、読んでくださったり注意してくださったりしたかた、支援のかたありがとうございました
170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 02:49:01.69 ID:dG+xw0meO
ラーメンズスレかと思いきや
236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 06:20:09.76 ID:Ps3kMb5ZO
ラーメンズスレじゃないのか
239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/25(日) 06:27:23.54 ID:rrNCW8CC0
>>170,>>236
父「ターカーシー お誕生日プレゼント、何がいいんだ~?
た~か~し~~~スルーすんなよ~~~お父さん悲しいぞ~
た~~~か~~~し~~~~!!」
満足したので寝ます
父「ターカーシー お誕生日プレゼント、何がいいんだ~?
た~か~し~~~スルーすんなよ~~~お父さん悲しいぞ~
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