「そら☆きみ」~悲しいバンドの物語~
- 2008/01/14
- 08:51
「そら☆きみ」~悲しいバンドの物語~
623 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 01:13:34.49 ID:3/Y7CYvl0
ケータイ小説
「そら☆きみ」~悲しいバンドの物語~
1
「腹が減っては戦はできぬ。」こんな事をつぶやくワタシの名前はミカ。どこにでもいるような女子高生。
この前60歳の誕生日に、クラスの中で前からいいなって思っていたゴルバチョフ君に告白されたんだ。
ゴルバチョフ君はワタシより16年上で刀狩が趣味のかっこいい男の子。
それでいてスポーツ万能で優しいだけじゃなく、
「おぬしもそろそろ、年貢の納め時じゃのう」っていう所がスッゴくカワイイの。
けれどワタシの趣味が一揆で、彼の趣味とは真逆だったから告白されてスッゴくびっくりした。
だけど「突き合ってください」っていう彼の台詞に込められたまっすぐな気持ちが本気だってわかったから
ワタシはOKしたんだ。こうしてワタシ達は付き合うことになった。
そして初めてのデートの日、目一杯のおしゃれをしてハッピーな気持ちで一杯のワタシは
家の玄関から勢いよく飛び出して、待ち合わせの場所まで急いだんだ。
待ち合わせ場所に着いたワタシは「今日はゴルバチョフ君と映画見て、ディナー食べて、それから…キャー(笑)。」
なんてことをゴルバチョフ考えながら待っていた。
約束の時間は10時、今はまだ9時45分。少し早く来すぎちゃったかな…?
そういえば、今日は私の大好きなスイーツのラー麺をご馳走してくれるって言ってたな…。
そんな他愛の無い事を考えているうちに10時になった。
623 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 01:13:34.49 ID:3/Y7CYvl0
ケータイ小説
「そら☆きみ」~悲しいバンドの物語~
1
「腹が減っては戦はできぬ。」こんな事をつぶやくワタシの名前はミカ。どこにでもいるような女子高生。
この前60歳の誕生日に、クラスの中で前からいいなって思っていたゴルバチョフ君に告白されたんだ。
ゴルバチョフ君はワタシより16年上で刀狩が趣味のかっこいい男の子。
それでいてスポーツ万能で優しいだけじゃなく、
「おぬしもそろそろ、年貢の納め時じゃのう」っていう所がスッゴくカワイイの。
けれどワタシの趣味が一揆で、彼の趣味とは真逆だったから告白されてスッゴくびっくりした。
だけど「突き合ってください」っていう彼の台詞に込められたまっすぐな気持ちが本気だってわかったから
ワタシはOKしたんだ。こうしてワタシ達は付き合うことになった。
そして初めてのデートの日、目一杯のおしゃれをしてハッピーな気持ちで一杯のワタシは
家の玄関から勢いよく飛び出して、待ち合わせの場所まで急いだんだ。
待ち合わせ場所に着いたワタシは「今日はゴルバチョフ君と映画見て、ディナー食べて、それから…キャー(笑)。」
なんてことをゴルバチョフ考えながら待っていた。
約束の時間は10時、今はまだ9時45分。少し早く来すぎちゃったかな…?
そういえば、今日は私の大好きなスイーツのラー麺をご馳走してくれるって言ってたな…。
そんな他愛の無い事を考えているうちに10時になった。
624 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 01:13:59.70 ID:3/Y7CYvl0
「あれ?おかしいな?まだゴルバチョフ君来ないよ…。」
少し心配になった私が彼の携帯にかけようとしたその時、後ろからワタシの名前を呼ぶ声が聞こえた。
「ようミカ」。ゴルバチョフ君だ!やっと来た!そう思ったワタシは
「もー!ゴルバチョフ君遅いよー!心配したんだからね!」と言って振り返った。
けど、そこにいたのは同じクラスで不良のペレストロイカ斎藤と、レーニンと、田代まさしだった…
「何であんたたちがここにいるのよ!」とワタシが言うと、
「へへ、ゴルバチョフと抜け駆けはずりいぜ」「俺たちも混ぜろよ」「いいとこ知ってるぜ~」と口をそろえて言って
ワタシの肩を掴むと無理やりワタシを連れ出した。
「いやっ!はなしてよ!」とワタシが言う暇も無く、近くにあった車に乗せられるとそのまま廃工場へ連れて行かれた。
そこには覆面をかぶった男がいて、他の3人に金を渡していた。どうやらこの男が黒幕らしい。
「アンタ一体誰よ!ワタシをどうする気よ!」と言うと、
「ごちゃごちゃうるせえ女だ。おい、とっとと回してやれよ」と男が言うと、不良の3人がいきなりワタシに襲い掛かった。
「いやっ!やめてよっ!やだぁ!」ワタシは必死に抵抗する。けど男3人に対しては無力だった。
「抵抗すんなよ、今に気持ちよくなるからよぉ!」とペレストロイカ斎藤がまずワタシを犯した。
「痛い!やめてよぉ!いやだぁ…」「へっ!よがってるくせに何言ってんだ!」
「おい斎藤!早く俺にも回せよ!出ないとロシア革命起こすぞ!!」
「そうだよ!早くこっちにも回せよ!もう俺、待ちきれなくてミニにタコが出来てんだよ!」
不良どもはワタシの気なんか知らずに私を犯すことだけを考えていた。
そしてワタシは3人に散々犯された。
「あーすっきりしたぜ!」斎藤が言う。「俺、本当に社会主義者でよかった!」レーニンも満足そうに語る。
「やっぱり覗きだけじゃものたりねえよな!」田代も上機嫌だ。
「どうだお前等、良かったか?」覆面男が喋る。「勿論!」「最高だったよ!」「こんなヤリマン教えてくれてありがとうな!」
3人はとても嬉しそうに覆面男に言った。
「そうか…良かったか…けどお前等が犯した女は俺の女なんだよ!」
覆面男が覆面を取った。そこにはゴルバチョフ君の顔があった。
651 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 01:41:47.16 ID:3/Y7CYvl0
2
――嘘、なんでゴルバチョフ君がワタシを不良どもに犯させたの?どうして?ワタシは混乱した。
よく見たら不良たちも混乱している。一体どうしたのと私が思っているとゴルバチョフ君が静かに語りだした。
「どうして俺がお前達にミカを襲わせたのか、それはミカの俺への愛が本物かどうか確かめるためだったんだ!」
びっくりした。ワタシは本当にゴルバチョフ君を愛していたのに。彼はそれが信じられなかったんだ。
そう思うととても悲しくなったけど、ゴルバチョフ君は続けた話した。
「俺は確かにミカに告白をしてOKをもらった。けどミカの趣味は一揆で、俺の趣味の刀狩とは正反対のものだったんだ。
だから俺はミカが俺の告白をOKしたのは、クラスの人気者の俺の告白を断る事で、クラスのやつ等からいじめられるようになる。
それを恐れて仕方がなくOKしたかもしれないって思ったんだ。だからこんなことをやっちまったんだ。」
そうだったんだ。ゴルバチョフ君も、辛かったんだ。ワタシはそう思い、こんなにも私の事を真剣に思ってくれる彼が凄く嬉しかった。
「けれどミカはお前達に犯されている時も、俺の事をずっと想ってくれてた!俺達の愛は本物だったんだ!」
そうだよ、ゴルバチョフ君。わたし達の愛は純愛だよ。
「だけどお前達はそれを汚した!だから俺はお前達を粛清する!!」ゴルバチョフ君は激怒しながらこう叫んだ。
「な、何言ってんだゴルバチョフ!あんまりふざけたこと言うといくらお前でも許さねえぞ!」ペレストロイカが叫ぶ。
「お前この間俺の銅像ぶっこわしたお詫びにヤリマン紹介するって言っていたじゃねーか!だから今日俺は…!」レーニンがそれに続く。
「そうだ!お前が覚醒剤だけじゃつまらないだろうからって言われたから俺はこんなことをしたんだ!俺は悪くない!」田代も調子よく言う。
「うるせー!この悪党共が!ぶっ殺してやる!」
ドカッ!バキッ!ズガッ!不良3人にゴルバチョフ君得意のサンボとシステマがきまり、3人はボコボコにされた。
「さあミカ、帰ろう」「うん…」ゴルバチョフ君はワタシを優しく抱いて、この場から帰った。
けれど、ゴルバチョフ君は帰る間際に3人に対してこう言った。
「これだけじゃ俺の粛清は終わらない、お前達を携帯小説にしてさらしてやる!」
そして家に帰るとゴルバチョフ君はものすごい速さで携帯小説を書き上げ、投稿した。
内容は3人のレイプ魔がレイプの果てに警官に銃殺されると言うものだ。
そのセンセーショナルな内容が大ヒットし、携帯小説はあっという間に1位を取り書籍化されることになった。
657 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 01:47:04.00 ID:UHr06YzV0
ID:3/Y7CYvl0の文才wwwww
659 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 01:50:46.07 ID:oBqbTJoS0
ID:3/Y7CYvl0は天才
666 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 01:58:47.44 ID:3/Y7CYvl0
3
「どうだミカ!すごいだろう!書籍化で1000万も金が入った!何でも出来るぞ!」
ゴルバチョフ君が大はしゃぎでワタシに言う。けどワタシの心はあの小説が1位を取った時から、彼から少しずつ離れていた。
「もう止めてよ!」私は叫んだ。
「どうしたミカ?どうして止めないといけないんだ?悪いのはあいつ等だし、金も手に入るんだぜ?」
「ワタシはそんなゴルバチョフ君が好きなんじゃないんだよ!お願い!あの頃のゴルバチョフ君に戻って!」
ワタシは泣いて懇願した。けどその願いは彼に届かず
「うるせー!何が悪いんだこの馬鹿!」ドガッ!殴られた。
ワタシはあまりのことに涙をためて外に飛び出し、そして――野糞をした。
「うわぁ何やってんだミカ!おいミカ!大丈夫か!おい!ミカ、ミカァァァァァァァ!!」
薄れ行く意識の中、ワタシはゴルバチョフ君の声を聞いた。
この一件以来、わたし達はお互い傷付き、どこかギクシャクするようになってしまった。
けどきっと元に戻れる!ワタシはそう思っていた。――あの女が来るまでは。
678 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:03:36.30 ID:3/Y7CYvl0
4
ある日の学校帰り、ワタシはゴルバチョフ君と二人で歩いていた。けれどお互い口は利かないままだ。
だけど、ワタシは今日こそは仲直りしようと、ゴルバチョフ君に話しかけようとした、その時
「――久しぶり、ゴルバチョフ♪」女の声がした。振り向くと一人の女の子がたっていた。
ツインテールで人懐っこそうで可愛いけど、どこか油断してはいけない雰囲気を持っている子だった。
誰?ワタシがそう思うと「ビーフ…ビーフ佐々木…!」ゴルバチョフ君がつぶやいた。
その子、ビーフ佐々木と呼ばれた女の子はワタシ達を見ると
「へー、その子がゴルバチョフの新しいカノジョなわけ。ふーん、けっこー可愛いじゃん」と言った。
「あんた誰よ!ゴルバチョフ君にそんな馴れ馴れしくして、一体何者!」
ワタシが叫ぶと、その女は笑いながら「あっれー?アンタゴルバチョフから何にも聞いてないワケー?」と答えた。
ワタシが続けて口を開こうとした次の瞬間、信じられない言葉が女の口から発せられた。
「あたしはねー、ビーフ佐々木。ゴルバチョフの元カノだよー♪ヨロシクッ!」
元カノ?ゴルバチョフ君に?そんな事初めて聞いた。ショックだった。信じられなかった。
ワタシとゴルバチョフ君の間には隠し事なんて一つも無いと思っていた。
その事が足元から覆され、ワタシの中で何かがガラガラと音を立てて崩れる音が聞こえた。
そんな呆然と立ち尽くしているワタシの耳元でビーフ佐々木は静かに囁いた。
「――性欲をもてあます」
性欲?どうしてワタシを?まさかこの子――
「あんた、もしかしてレ――」「何しにきた、ビーフ!!!」
ワタシの問いをゴルバチョフ君の怒号が掻き消す。
「べっつに~、ちょっと気になっただけだよ。それっじゃーねミカちゃん、またねっ♪」
そう言ってビーフ佐々木はワタシ達の前から去っていった。
ワタシ達の間に大きな不安の種を植え付けて…
692 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:15:13.52 ID:3/Y7CYvl0
5
その日からワタシはしばらく夜も眠れないことが続いた。
一体あの子は何者?ゴルバチョフ君とどんな事があったの?そして今のワタシ達をどう思っているの?
様々な考えが浮かんでは消えていった。
そんな風に悩んでいる日が続いていたある日、ワタシが学校に行くとゴルバチョフ君が休みだった。
どうしたんだろう?人一倍、出席には気を使っていたゴルバチョフ君が休みだなんて…
ワタシの中を不安が支配してゆく。すると、教室に先生がやって来た。なにやら険しい顔をしてる。
何かあったのかな?と思っていると、先生の口から、想像を絶する、ワタシにとって、信じられない言葉が飛び出した。
「ゴルバチョフが…ヤクザにレイプされた…!」
目の前が真っ暗になったと思うと、ワタシの意識は深い闇の底へそのまま吸い込まれていった。
699 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:21:31.52 ID:3/Y7CYvl0
6
あの後、ワタシは気づいたら保健室のベッドに寝かされていた。そしてゴルバチョフ君に何が起こったのかもわかってきた。
どうやらゴルバチョフ君は今朝登校途中に、路地から飛び出してきたヤクザのベンツに自転車をぶつけてしまったらしい。
そして因縁をつけられたゴルバチョフ君は、得意のサンボとシステマで善戦したものの、超強いヤクザにボコられてしまったらしい。
そしてそのままゲイであるそいつに犯されてしまった、とのことだった。
ワタシはベッドから跳ね上がると、そのままの勢いでゴルバチョフ君が入院している病院へと急いだ。
どうして――。どうしてこうなっちゃったの?神様、何かわたし達悪いことした?酷すぎるよ!
そんな事を思いながら走っていると、涙がこぼれてきた。そして病院に着いた。
ゴルバチョフ君は個室にいた。その姿は包帯まみれで痛々しいものだった。
「ゴルバチョフ君…」ワタシに気づいたゴルバチョフ君がはっとこっちを見た。
「大丈、夫…?」ワタシがそう言うとゴルバチョフ君は「もう…俺達終わりだな…」といきなり言った。
「どうして!?なんでワタシ達終わりなの!?まだ始まったばっかりじゃない!嫌だよそんなの!」
私は必死に説得した。けどゴルバチョフ君は悲しそうに叫んだ。
「ダメだ!お前だけでなく俺も傷物になっちまった!もうお前を愛する資格なんて俺には無い!クソッ…!なんでだよ…なんでこうなっちまったんだよ!」
「ゴルバチョフ…君…ウッウッ…ご、ごめんねぇ…うぐっ…ワタシッ…ワタシがどんくさいからっ…ひぐっ…こんなことに…」
「…もういいよ…帰ってくれ…もう帰ってくれ!」
ゴルバチョフ君はそう叫んで、手当たりしだいワタシに向かってものを投げつけた。その剣幕に押されてワタシは逃げるように病院を後にした。
708 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:29:12.25 ID:3/Y7CYvl0
7
家に帰ったワタシは、どうしようもない無力感に包まれていた。
「このまま二人の愛は永遠にかなわないのかな…」
ワタシは本気でそう思った。もうだめだ。神様は残酷だ。
こんなに二人は愛し合っているのに。こんなにも二人の愛は純粋なのに。
ワタシが神様を呪っているその静寂を、ケータイの音が切り裂いた。
こんな時に…一体誰?とワタシはそう思った次の瞬間
「――ゴルバチョフ君!」
ワタシは震える手で着信ボタンを押した。「――ミカ、俺だ。さっきは悪かった…俺気が動転してて…」
――ゴルバチョフ君だ!謝ってくれてる!ワタシはゴルバチョフ君が元に戻ったと思って凄く嬉しかった。
そしてこのままワタシ達二人の関係も元に戻るんだ!そう思ってゴルバチョフ君と話した。
「ううん、気にしてないよ♪それより次のデートはいつにする?」ワタシは聞いた。
するとゴルバチョフ君は神妙な顔つきでこう言った「ミカ、実は俺、お前に一つだけ言いたい事があるんだ」
ワタシは一気に緊張した。まさか――プロポーズ!?
そう思うと手がまるでアル中のワタシのお父さんのように震えだした。
そして、ゴルバチョフ君は、静かに、優しくそっとつぶやいた。
「ミカには夢が無いね」プツッ
私は倒れた。
710 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:30:53.33 ID:3/Y7CYvl0
ここで残念なお知らせがある
俺もそれなりに多忙だからせいぜいいけるとしても3時までだ
それ以降は17:00以降に持ち越しになるだろう
とりあえず書けるまで書くから応援頼むぜ!
721 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:50:33.03 ID:3/Y7CYvl0
8
ワタシの愛は最後の最後に彼に否定されてしまった。
その日からワタシの絶望の日々は始まったのだ。
流石に憔悴しきったワタシを見て、お母さんも学校を休むように言ってくれた。
いつもはただのアル中のお父さんもワタシのためにいろいろと世話を焼いてくれるようになった。
けれどワタシの心は満たされるまま、月日だけが過ぎていった。
そんなある日、ワタシが街をさまよっていると、一人の男に声をかけられた。
「あれ?もしかして…君はミカちゃんかい?」
誰?そう思うと、そのターバンをしたアラブ系の男は
「俺の名前はアルカイダ!今をときめくロッカーさ!君の事はゴルバチョフの友達からよく聞いてたぜ!」
と言った。何だろうこの人。とっても明るい。その陽気さに、冷え切っていたワタシの心が温まっていくのが分かった。
すぐにワタシはアルカイダと打ち解けた。
「しっかし、ゴルバチョフももったいないことしたなぁ~。こーんなカワイイ子をふっちまうなんてよ!」
「えー、ワタシそんなでもないよー(笑)」「ところでミカはロックに興味ある?」
「ん?あるよ、それがどうかした?」「今俺、新しいロックバンドを結成しようと思ってんだ。よけりゃ一緒にやらね?」
「やるやるー!リハビリには音楽をやるといいって主治医の先生も言ってたし、ワタシ、頑張る!!」
「よっしゃーキマった!これから俺たちはロックメンバーだぜ!よろしくなミカ!」
「うん、よろしくアルカイダ!」
こうして私たちはロックバンドを結成する事になった。
その途中、アルカイダの遠い親戚にあたりロック仲間でもある赤井粛清という割と細めの男の人が仲間に加わり、
ワタシ達の活動は本格化するのであった。
722 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:50:53.44 ID:3/Y7CYvl0
9
話し合った結果、ワタシ達のロックバンドの名前は「俺のミカ、あいらぶゆう」となった。
じゃんけんで負けた奴の名前が「俺の」の後に入るということで、ワタシが負けたためこうなった。
「やっぱり恥ずかしいよ~!別のにしようよ~!」
「ダメダメ、じゃんけんでこうしようって言ったのはミカだべ(笑)今更無理よ、無理!」
「そうだぞ、あまりわがまま言うとシベリアに送っちゃうぜ(笑)」
「んも~!二人ともイジワルなんだからぁ!」和気藹々としたムードの中、名前は決定した。
このバンドでは、ワタシはほら貝を、アルカイダは和太鼓、そしてボーカルを赤井がやることになってる。
アルカイダの和太鼓のテクは凄い。16ビートなんてものじゃなかった。まさしくアレは160ビートだった。
ボーカルの赤井の声も凄かった。美声なのにとても大きな音が出る。
初めて「彼の千の風になって」を聞いた時、ワタシは思わず涙を流してしまったほどだ。
正直二人の超絶テクに押され気味の感じもするけど、ワタシだって、一揆の時の合戦で鍛えたほら貝には自信がある。
こうしてワタシ達は本格派ロックバンドとしてデビューを果たし、大人気になった。
そしてこの間、Avexと契約をし、出した初のシングルがオリコンのヒットチャート1位になるミリオンヒットを記録した。
こうして、ワタシは「ロッカーミカ」として充実した日々を送っていた。
――けれど、ワタシの心は、あの日から決して全てが満たされる事はなくなっていたのだった。
731 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:01:44.63 ID:3/Y7CYvl0
気が変わった。行けるところまで行くぜ俺は
10
「――カ。ミカ」誰かがワタシを呼ぶ声が聞こえる。
「おいミカ!聞いてんのか!次の出演先が決まったぞ!あのMステだ!生タモさんが見れるんだぜ!…っておい、だから聞いてんのかって!」
赤井のそう呼ぶ声にワタシはハッとする。
「ご、ごめん。ちょっと疲れてぼーっとしてた。」
「おいおい、大丈夫かよ~。そんなんじゃタモさんに、明日来てくれるかな?って聞いてもらえなくなるじゃんかよ~(笑)」
「そうだね、ごめんね、アハハハ!」ワタシはとっさにそう返した。
結局私の傷はまだ癒えていなかったのだ。最近はそれがバンド活動にもあわられ始めている。
赤井のこんな言動も、そんなワタシを気遣ってのものだ。それが余計私を傷つける。
「…どうした、本当に大丈夫かよ。疲れてんなら休んだっていいんだぜ?」
「うん…ワタシは大丈夫…それよりアルカイダは?」
「ああ、あいつならまたSPRing-8に行ってるよ。放射能半減実験がちょうど佳境だってさ。」
アルカイダは、こんなワタシを見るに見かねて最近はこんなことをしてくれている。
一体それがワタシの何になるのか分からないが、ワタシにはそんな心遣いが嬉しく、そして重かった。
「おい、本当に体の調子悪そうだぞ。医者行けよ。マネージャーには俺から言っとくからさ。」
赤井はそう言った。確かに、心だけでなく、最近は少し疲れが抜けない。とりあえず医者に行こう、そう思った。
「あのー、我集院ミカさん、大変言いにくいのですがあなたの病気は――癌です。」
738 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:09:16.75 ID:3/Y7CYvl0
11
癌?あの癌?日本人の年間死亡率1位と言われている、あの癌にワタシがなっている?
「しかも、全身に転移していて、もう現代医学ではどうしようもありません。お気の毒ですが、もって後半年、いや1ヶ月です…」
そう言われた時ワタシは愕然とした。どうして、ワタシまだ18なのに!
まだまだ一杯恋もしたいし、やりたいことだってたくさんあるのに!
「とりあえず、すぐさま入院して延命治療を施しましょう!」
そのお医者さん、独田井龍先生は優しく、けれど力強くワタシに言ってくれたけど、ワタシの耳には入らなかった。
そしてワタシは入院した。病院には毎日両親が見舞いに来てくれる。
最初わたしの病状を聞いたときは泣いたけど、出来る事を最後までしてくれると言ってくれた。
ワタシは両親にこんなにも愛されていたんだと始めて知って泣いた。
またアルカイダと赤井も忙しい間を縫って頻繁に会いに来てくれた。
「やっぱりお前のほら貝が無いとしまらないぜ。」アルカイダは言う。
「藪医者の言う事なんか気にすんな、おれが家族後とシベリアに送って粛清して、変なこと言わないようにしてやっからよ!」
赤井も励ましてくれた。
そんな日が1週間ほど続いたある日、赤井が一人、ワタシの元を訪れた。
744 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:14:44.85 ID:3/Y7CYvl0
12
「赤井…どうしたの、一人で?アルカイダと一緒じゃないの?」ワタシが尋ねると、赤井は神妙な顔つきになり
「いや、今日は一人で来た。…実は前からお前に言いたい事があったんだ。」と答えた。
ワタシはドキリとした。前にもこんな事があったような気がする。
けど、ワタシは落ち着いて答えた、「一体何の話?もしかして赤井…」
「ああ…前からずっとお前に言いたいと思っていたけど…言えなかったことを今言うよ…!」
やっぱり!そして赤井はワタシの隣で囁いた。
「―――――くさい。 」
は?ワタシ聞き返した。今、何と?
「―――――くさい。 」
私は臭かったらしい。ショックだ。
そのストレスにより私は寝込んだ。
そして――次に目が覚めたときは20日経っていた。
751 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:24:06.43 ID:3/Y7CYvl0
13
けど、目が覚めるとワタシの隣には信じられない人がいた。
「――ゴルバチョフ君!」どうして!?そう思った次の瞬間、ワタシはそれに気づいた。
「アルカイダ!赤井!それに…あなたはビーフ佐々木さん!?」
そう、皆いた。そして皆はワタシに次の事を伝えた。
ワタシに残された時間は後10日だという事。そして――これから何かが起こるという事。
ワタシはそう言われて、この雰囲気の原因が分かった。そうか、何かが起こるんだ――。
そんな気がしていた。そして案の定、それは起こった。
ただし、ワタシの目の前でなく、テレビの中の出来事として。
「ミロ!上田ノ例エ突ッ込ミ普及委員会ガテレビニ出テイルゾ!」そういったのはアルカイダ。少し合わないうちに片言になった。
「いよいよ、恐れていた事態が起きたのね…」ビーフがつぶやく。
テレビからは上田の「スイーツじゃないんだから!」やら「お前はガッシ!ボカか!」と言う声が聞こえてくる。
「まさか本当に…一体この先俺たちはどうする…?」赤井が言う。
「とりあえず、アレを実行に移すしかないな…こちらの損害も大きいが…」ゴルバチョフ君がそう話す。
皆神妙な面持ちだ。ワタシは皆が何を言っているのかわからなかった。
そして、再びワタシの意識は闇の中に落ちていった。
――ワタシは一人、蚊帳の外。
757 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:34:00.95 ID:3/Y7CYvl0
14
ワタシが次におきた時。それはもう医者から宣告されたタイムリミットまで5日に迫った時だった。
もうワタシの隣にいるのは赤井粛清、彼だけだった。
かいがいしく私を世話してくれるものの、その顔つきは臭そうだった。
ワタシにはやっぱり夢なんて無かったんだな――。
今更、昔ゴルバチョフ君に別れ際に言われた事を思い出した。
そんな時だった。赤井が息を弾ませ部屋に入ってきた。手には何か紙を持っている。
「ミカ!聞いたか!Amazonの恋空のレビューが集英社から出版化されたんだってよ!」
――耳を疑った。
ワタシはこう見えてもネットで結構買い物をする。その時にAmazonはいつも使っているとこだった。
そして、以前気になっていた恋空のレビューも見たことがある。
――だがそれは一部のインターネットユーザーの手によって、惨状と化していた。
そんなあのレビューが書籍化?ワタシは信じられなった。
「ああ、何でもプレイボーイの編集長が泣きながら土下座してまでAmazonの社長に頼み込んだらしい。」
そう…ワタシは思った。さっきは酷いと思っていたけど、全国のバカ女達に真実を見せ付けてやれる。そう思えたのだ。
今の世の中の女達は、恋空のような甘い恋愛に夢を抱いている。
けど現実はワタシのように、辛く、厳しいものだという事をあいつらは知らない。
――ううん、認めようとしないだけ。
けど、そんな隠し通していた真実ががあいつ等の目の前に突きつけられることになる――。
その事にワタシは胸が躍りそうになった。
けど、私はもう死ぬ運命。そんな事は叶うはずなんて無いって思ってた。
――あの人に出会うまで!
762 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:41:46.42 ID:3/Y7CYvl0
15
ワタシは久しぶりに外を散歩してみた。残された時間はあと1日。
――最後は今まで育った町を見て回りたい、ワタシはそんな事を思って外に出た。
「今日、死ぬんだなぁ・・・。最近、一揆してなかったなぁ・・・。」
そんな独り言を言いながら歩いていると、ワタシはある男の人に出会った。
その人はずっと走っていて、決して後戻りできず、傷だらけで立ち止まっていた。
すると、彼の目の前に謎の男が現れた!
「うおおおおお!チェルノブ!我等デスタリアンの誇りにかけても貴様を、ぐえーっ!!!」
そのチェルノブと呼ばれた人は謎の男を一瞬で殴り倒した。
ドキン!
私の心臓が激しい鼓動を刻ンでいるのが分かった。
すると彼もこっちに気づいた。すると彼はワタシを見て
「何て…何てきれいな人なんだ…儚くて…けど芯が強そうで…」
お互い一目ぼれだった。
「俺はチェルノブ。原子力発電所の爆発事故に巻き込まれた、炭鉱夫だ。妹を含む家族は全員死んでしまった。」
「そうなの…それは悲しかったでしょう…けど…これからはワタシが死ぬまでいてあげる…」
「ミカ…ミカァーッ!」
彼が私に抱きついてきた。けど、その瞬間――
「うっ…!ゲホッ!ゲボッ!」
私は血を吐いた。
766 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:48:03.96 ID:3/Y7CYvl0
16
とうとうお別れの時間が来ちゃったみたい。
ごめんねチェルノブ、会ったばかりなのにまた貴方につらい別れを味合わせてしまって。
そう思って私はチェルノブのほうを見た。
けど、チェルノブは、何もしないで、静かに佇んでいた。
そして、ワタシに向かって一言こう言った。
「釣りはよしな」
チェルノブは言った。
釣り?ワタシのこの血を吐くということが、この人にはワタシがこの人の愛を試そうとしようとするように見えたのだろう。
けどこれは決してそんな事なんかじゃない。私は最後の力を振り絞ってチェルノブへ伝える。
「釣り…なんかじゃないよ…ワタシ…今日で死んじゃうんだ…」
けどチェルノブは言い放った。
「釣りはよしな」
ワタシは、最後まで人に信じてもらえずに死んでいくんだと思うととても悲して泣いてしまった。
だけど、チェルノブだけには、信じてもらいたかった。
だから、ワタシは言った。
「グスン…えぐっ…ホントに…苦しいんだよぉ…ぐふっ」
そう言って入間にもワタシは血を吐いた。
けど、チェルノブの目は冷たいままだった。
777 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:01:37.42 ID:3/Y7CYvl0
17
どうして…どうして皆、アタシを捨てるの…??
ゴルバチョフ君に、アルカイダに赤井粛清、お父さんにお母さん、そして――チェルノブ。
ワタシは地獄に突き落とされた気がした。
そんな時、何かが私のほうへ向かっているのに気が付いた。
「あ…れは…何…?」
それは、――核ミサイルだった。
あの天才物理学者アインシュタインが見つけ出した人類最大にして最悪の力。
60年前、広島と長崎を焼き尽くし、ワタシのお婆ちゃんに一生消えない傷を残した悪魔の炎。
それが、今まさに私に向かってきた。
――ああ、ワタシ、死んじゃうんだぁ…一体誰なんだろうな…私を殺したい人って…
最後までワタシは、人に嫌われたまま死んでいくと思った。
けど、それは違ったの。
778 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:02:01.71 ID:3/Y7CYvl0
核は、世界中に発射されていたんだ。
核が地球を襲う。そんな時、ワタシの頭の中に一人の男の声が響いてきた。
「ミカヨ、聞コエテイルカ?アルカイダダ。全テハ俺ノ筋書キ通リダッタ。
オ前ニ近ヅイタノモ、ロックバンドヲ結成シタノモ、全テハコノ日ノタメダッタノダ。
コノタメダケニ日本人ノ真似ヲシテマデオ前ニ近ヅイタノダ。フハハハハ!サラバダミカヨ…来世デ会オウ!」
そう…全てはアルカイダの策略だった…
みんな…ゴメン……。
アタシ、世界を救えなかった…。
でも…希望はあるよ……。
次世代の子供たち…。
君たちが、空を作るの…。
争いの無い、平和な、空を。
君たちの、空。君空――――。
「ピカッドドーン」
こうしてワタシは死んだ。スイーツ(笑)
君空 ~Fin~
781 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:03:17.53 ID:3/Y7CYvl0
ちょっと>>50に今から投下してくる
皆最後までありがとうな
俺なんか>>590に乗っかっただけの金魚の糞みたいな存在なのに応援してくれて嬉しかったぜ
じゃあもう寝ろよ、お休み
50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/19(月) 21:48:23.59 ID:f6BmpMDA0
これ完成したら
http://ip.tosp.co.jp/p.asp?I=MAHOBOOK
に載せようぜwww
590 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 00:45:37.39 ID:pKphpAPV0
うpるなら誰かやってくれwwwwwwwwww
俺もう眠いwwwwwwwwwwwwwwww
暇潰しに付き合ってくれてありがとうwwwwwwwwwww
779 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 04:02:55.18 ID:QnTEk6oH0
(;∀;)イイハナシダナー
782 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:03:27.84 ID:1KsTN4BHO
感動した!wwwwww
783 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:03:31.67 ID:Oh/KCRfo0
終わった・・・!
>>778超乙wwwwww
784 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 04:04:19.49 ID:7fkjy7fe0
乙wwwwwwwwwwwwwwwww
785 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:04:29.91 ID:Z9O9t4EH0
乙www最高だったw
786 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 04:04:39.22 ID:umQWx+jG0
>>781
乙!久しぶりにいいもの見た
書籍化楽しみにしてるぜ
787 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:04:46.13 ID:D7Qek/UB0
>>778
おつかれだぜwwwww
ケータイ小説の大賞がとれるといいなwww
788 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 04:05:09.18 ID:cbLqe7Nu0
やべぇ見入ったwあ
789 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:05:18.37 ID:DwUpU+FO0
ガチで感動したわ・・・・
790 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:05:27.85 ID:5kctbW1i0
感動したwwwwwwwマジで乙wwwwwww
安価取ったやつも原型まとめたやつも小説書いたやつも天才wwwwwwなんかうれしいわwwwwwww
791 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 04:05:46.76 ID:7fkjy7fe0
いつの間にか架空じゃなくなってたwwwwwwwwwwwwww
792 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:06:29.93 ID:7sa53F3X0
うわぁ
これスクリーンで豪華キャストで見てええ
794 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:07:27.66 ID:DwUpU+FO0
みんな…ゴメン……。
アタシ、世界を救えなかった…。
でも…希望はあるよ……。
次世代の子供たち…。
君たちが、空を作るの…。
争いの無い、平和な、空を。
君たちの、空。君空――――。
このくだりが最高
796 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:07:52.67 ID:oBqbTJoS0
乙!!!!!
楽しかった、ぜひ書籍化してほしい
「あれ?おかしいな?まだゴルバチョフ君来ないよ…。」
少し心配になった私が彼の携帯にかけようとしたその時、後ろからワタシの名前を呼ぶ声が聞こえた。
「ようミカ」。ゴルバチョフ君だ!やっと来た!そう思ったワタシは
「もー!ゴルバチョフ君遅いよー!心配したんだからね!」と言って振り返った。
けど、そこにいたのは同じクラスで不良のペレストロイカ斎藤と、レーニンと、田代まさしだった…
「何であんたたちがここにいるのよ!」とワタシが言うと、
「へへ、ゴルバチョフと抜け駆けはずりいぜ」「俺たちも混ぜろよ」「いいとこ知ってるぜ~」と口をそろえて言って
ワタシの肩を掴むと無理やりワタシを連れ出した。
「いやっ!はなしてよ!」とワタシが言う暇も無く、近くにあった車に乗せられるとそのまま廃工場へ連れて行かれた。
そこには覆面をかぶった男がいて、他の3人に金を渡していた。どうやらこの男が黒幕らしい。
「アンタ一体誰よ!ワタシをどうする気よ!」と言うと、
「ごちゃごちゃうるせえ女だ。おい、とっとと回してやれよ」と男が言うと、不良の3人がいきなりワタシに襲い掛かった。
「いやっ!やめてよっ!やだぁ!」ワタシは必死に抵抗する。けど男3人に対しては無力だった。
「抵抗すんなよ、今に気持ちよくなるからよぉ!」とペレストロイカ斎藤がまずワタシを犯した。
「痛い!やめてよぉ!いやだぁ…」「へっ!よがってるくせに何言ってんだ!」
「おい斎藤!早く俺にも回せよ!出ないとロシア革命起こすぞ!!」
「そうだよ!早くこっちにも回せよ!もう俺、待ちきれなくてミニにタコが出来てんだよ!」
不良どもはワタシの気なんか知らずに私を犯すことだけを考えていた。
そしてワタシは3人に散々犯された。
「あーすっきりしたぜ!」斎藤が言う。「俺、本当に社会主義者でよかった!」レーニンも満足そうに語る。
「やっぱり覗きだけじゃものたりねえよな!」田代も上機嫌だ。
「どうだお前等、良かったか?」覆面男が喋る。「勿論!」「最高だったよ!」「こんなヤリマン教えてくれてありがとうな!」
3人はとても嬉しそうに覆面男に言った。
「そうか…良かったか…けどお前等が犯した女は俺の女なんだよ!」
覆面男が覆面を取った。そこにはゴルバチョフ君の顔があった。
651 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 01:41:47.16 ID:3/Y7CYvl0
2
――嘘、なんでゴルバチョフ君がワタシを不良どもに犯させたの?どうして?ワタシは混乱した。
よく見たら不良たちも混乱している。一体どうしたのと私が思っているとゴルバチョフ君が静かに語りだした。
「どうして俺がお前達にミカを襲わせたのか、それはミカの俺への愛が本物かどうか確かめるためだったんだ!」
びっくりした。ワタシは本当にゴルバチョフ君を愛していたのに。彼はそれが信じられなかったんだ。
そう思うととても悲しくなったけど、ゴルバチョフ君は続けた話した。
「俺は確かにミカに告白をしてOKをもらった。けどミカの趣味は一揆で、俺の趣味の刀狩とは正反対のものだったんだ。
だから俺はミカが俺の告白をOKしたのは、クラスの人気者の俺の告白を断る事で、クラスのやつ等からいじめられるようになる。
それを恐れて仕方がなくOKしたかもしれないって思ったんだ。だからこんなことをやっちまったんだ。」
そうだったんだ。ゴルバチョフ君も、辛かったんだ。ワタシはそう思い、こんなにも私の事を真剣に思ってくれる彼が凄く嬉しかった。
「けれどミカはお前達に犯されている時も、俺の事をずっと想ってくれてた!俺達の愛は本物だったんだ!」
そうだよ、ゴルバチョフ君。わたし達の愛は純愛だよ。
「だけどお前達はそれを汚した!だから俺はお前達を粛清する!!」ゴルバチョフ君は激怒しながらこう叫んだ。
「な、何言ってんだゴルバチョフ!あんまりふざけたこと言うといくらお前でも許さねえぞ!」ペレストロイカが叫ぶ。
「お前この間俺の銅像ぶっこわしたお詫びにヤリマン紹介するって言っていたじゃねーか!だから今日俺は…!」レーニンがそれに続く。
「そうだ!お前が覚醒剤だけじゃつまらないだろうからって言われたから俺はこんなことをしたんだ!俺は悪くない!」田代も調子よく言う。
「うるせー!この悪党共が!ぶっ殺してやる!」
ドカッ!バキッ!ズガッ!不良3人にゴルバチョフ君得意のサンボとシステマがきまり、3人はボコボコにされた。
「さあミカ、帰ろう」「うん…」ゴルバチョフ君はワタシを優しく抱いて、この場から帰った。
けれど、ゴルバチョフ君は帰る間際に3人に対してこう言った。
「これだけじゃ俺の粛清は終わらない、お前達を携帯小説にしてさらしてやる!」
そして家に帰るとゴルバチョフ君はものすごい速さで携帯小説を書き上げ、投稿した。
内容は3人のレイプ魔がレイプの果てに警官に銃殺されると言うものだ。
そのセンセーショナルな内容が大ヒットし、携帯小説はあっという間に1位を取り書籍化されることになった。
657 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 01:47:04.00 ID:UHr06YzV0
ID:3/Y7CYvl0の文才wwwww
659 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 01:50:46.07 ID:oBqbTJoS0
ID:3/Y7CYvl0は天才
666 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 01:58:47.44 ID:3/Y7CYvl0
3
「どうだミカ!すごいだろう!書籍化で1000万も金が入った!何でも出来るぞ!」
ゴルバチョフ君が大はしゃぎでワタシに言う。けどワタシの心はあの小説が1位を取った時から、彼から少しずつ離れていた。
「もう止めてよ!」私は叫んだ。
「どうしたミカ?どうして止めないといけないんだ?悪いのはあいつ等だし、金も手に入るんだぜ?」
「ワタシはそんなゴルバチョフ君が好きなんじゃないんだよ!お願い!あの頃のゴルバチョフ君に戻って!」
ワタシは泣いて懇願した。けどその願いは彼に届かず
「うるせー!何が悪いんだこの馬鹿!」ドガッ!殴られた。
ワタシはあまりのことに涙をためて外に飛び出し、そして――野糞をした。
「うわぁ何やってんだミカ!おいミカ!大丈夫か!おい!ミカ、ミカァァァァァァァ!!」
薄れ行く意識の中、ワタシはゴルバチョフ君の声を聞いた。
この一件以来、わたし達はお互い傷付き、どこかギクシャクするようになってしまった。
けどきっと元に戻れる!ワタシはそう思っていた。――あの女が来るまでは。
678 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:03:36.30 ID:3/Y7CYvl0
4
ある日の学校帰り、ワタシはゴルバチョフ君と二人で歩いていた。けれどお互い口は利かないままだ。
だけど、ワタシは今日こそは仲直りしようと、ゴルバチョフ君に話しかけようとした、その時
「――久しぶり、ゴルバチョフ♪」女の声がした。振り向くと一人の女の子がたっていた。
ツインテールで人懐っこそうで可愛いけど、どこか油断してはいけない雰囲気を持っている子だった。
誰?ワタシがそう思うと「ビーフ…ビーフ佐々木…!」ゴルバチョフ君がつぶやいた。
その子、ビーフ佐々木と呼ばれた女の子はワタシ達を見ると
「へー、その子がゴルバチョフの新しいカノジョなわけ。ふーん、けっこー可愛いじゃん」と言った。
「あんた誰よ!ゴルバチョフ君にそんな馴れ馴れしくして、一体何者!」
ワタシが叫ぶと、その女は笑いながら「あっれー?アンタゴルバチョフから何にも聞いてないワケー?」と答えた。
ワタシが続けて口を開こうとした次の瞬間、信じられない言葉が女の口から発せられた。
「あたしはねー、ビーフ佐々木。ゴルバチョフの元カノだよー♪ヨロシクッ!」
元カノ?ゴルバチョフ君に?そんな事初めて聞いた。ショックだった。信じられなかった。
ワタシとゴルバチョフ君の間には隠し事なんて一つも無いと思っていた。
その事が足元から覆され、ワタシの中で何かがガラガラと音を立てて崩れる音が聞こえた。
そんな呆然と立ち尽くしているワタシの耳元でビーフ佐々木は静かに囁いた。
「――性欲をもてあます」
性欲?どうしてワタシを?まさかこの子――
「あんた、もしかしてレ――」「何しにきた、ビーフ!!!」
ワタシの問いをゴルバチョフ君の怒号が掻き消す。
「べっつに~、ちょっと気になっただけだよ。それっじゃーねミカちゃん、またねっ♪」
そう言ってビーフ佐々木はワタシ達の前から去っていった。
ワタシ達の間に大きな不安の種を植え付けて…
692 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:15:13.52 ID:3/Y7CYvl0
5
その日からワタシはしばらく夜も眠れないことが続いた。
一体あの子は何者?ゴルバチョフ君とどんな事があったの?そして今のワタシ達をどう思っているの?
様々な考えが浮かんでは消えていった。
そんな風に悩んでいる日が続いていたある日、ワタシが学校に行くとゴルバチョフ君が休みだった。
どうしたんだろう?人一倍、出席には気を使っていたゴルバチョフ君が休みだなんて…
ワタシの中を不安が支配してゆく。すると、教室に先生がやって来た。なにやら険しい顔をしてる。
何かあったのかな?と思っていると、先生の口から、想像を絶する、ワタシにとって、信じられない言葉が飛び出した。
「ゴルバチョフが…ヤクザにレイプされた…!」
目の前が真っ暗になったと思うと、ワタシの意識は深い闇の底へそのまま吸い込まれていった。
699 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:21:31.52 ID:3/Y7CYvl0
6
あの後、ワタシは気づいたら保健室のベッドに寝かされていた。そしてゴルバチョフ君に何が起こったのかもわかってきた。
どうやらゴルバチョフ君は今朝登校途中に、路地から飛び出してきたヤクザのベンツに自転車をぶつけてしまったらしい。
そして因縁をつけられたゴルバチョフ君は、得意のサンボとシステマで善戦したものの、超強いヤクザにボコられてしまったらしい。
そしてそのままゲイであるそいつに犯されてしまった、とのことだった。
ワタシはベッドから跳ね上がると、そのままの勢いでゴルバチョフ君が入院している病院へと急いだ。
どうして――。どうしてこうなっちゃったの?神様、何かわたし達悪いことした?酷すぎるよ!
そんな事を思いながら走っていると、涙がこぼれてきた。そして病院に着いた。
ゴルバチョフ君は個室にいた。その姿は包帯まみれで痛々しいものだった。
「ゴルバチョフ君…」ワタシに気づいたゴルバチョフ君がはっとこっちを見た。
「大丈、夫…?」ワタシがそう言うとゴルバチョフ君は「もう…俺達終わりだな…」といきなり言った。
「どうして!?なんでワタシ達終わりなの!?まだ始まったばっかりじゃない!嫌だよそんなの!」
私は必死に説得した。けどゴルバチョフ君は悲しそうに叫んだ。
「ダメだ!お前だけでなく俺も傷物になっちまった!もうお前を愛する資格なんて俺には無い!クソッ…!なんでだよ…なんでこうなっちまったんだよ!」
「ゴルバチョフ…君…ウッウッ…ご、ごめんねぇ…うぐっ…ワタシッ…ワタシがどんくさいからっ…ひぐっ…こんなことに…」
「…もういいよ…帰ってくれ…もう帰ってくれ!」
ゴルバチョフ君はそう叫んで、手当たりしだいワタシに向かってものを投げつけた。その剣幕に押されてワタシは逃げるように病院を後にした。
708 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:29:12.25 ID:3/Y7CYvl0
7
家に帰ったワタシは、どうしようもない無力感に包まれていた。
「このまま二人の愛は永遠にかなわないのかな…」
ワタシは本気でそう思った。もうだめだ。神様は残酷だ。
こんなに二人は愛し合っているのに。こんなにも二人の愛は純粋なのに。
ワタシが神様を呪っているその静寂を、ケータイの音が切り裂いた。
こんな時に…一体誰?とワタシはそう思った次の瞬間
「――ゴルバチョフ君!」
ワタシは震える手で着信ボタンを押した。「――ミカ、俺だ。さっきは悪かった…俺気が動転してて…」
――ゴルバチョフ君だ!謝ってくれてる!ワタシはゴルバチョフ君が元に戻ったと思って凄く嬉しかった。
そしてこのままワタシ達二人の関係も元に戻るんだ!そう思ってゴルバチョフ君と話した。
「ううん、気にしてないよ♪それより次のデートはいつにする?」ワタシは聞いた。
するとゴルバチョフ君は神妙な顔つきでこう言った「ミカ、実は俺、お前に一つだけ言いたい事があるんだ」
ワタシは一気に緊張した。まさか――プロポーズ!?
そう思うと手がまるでアル中のワタシのお父さんのように震えだした。
そして、ゴルバチョフ君は、静かに、優しくそっとつぶやいた。
「ミカには夢が無いね」プツッ
私は倒れた。
710 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:30:53.33 ID:3/Y7CYvl0
ここで残念なお知らせがある
俺もそれなりに多忙だからせいぜいいけるとしても3時までだ
それ以降は17:00以降に持ち越しになるだろう
とりあえず書けるまで書くから応援頼むぜ!
721 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:50:33.03 ID:3/Y7CYvl0
8
ワタシの愛は最後の最後に彼に否定されてしまった。
その日からワタシの絶望の日々は始まったのだ。
流石に憔悴しきったワタシを見て、お母さんも学校を休むように言ってくれた。
いつもはただのアル中のお父さんもワタシのためにいろいろと世話を焼いてくれるようになった。
けれどワタシの心は満たされるまま、月日だけが過ぎていった。
そんなある日、ワタシが街をさまよっていると、一人の男に声をかけられた。
「あれ?もしかして…君はミカちゃんかい?」
誰?そう思うと、そのターバンをしたアラブ系の男は
「俺の名前はアルカイダ!今をときめくロッカーさ!君の事はゴルバチョフの友達からよく聞いてたぜ!」
と言った。何だろうこの人。とっても明るい。その陽気さに、冷え切っていたワタシの心が温まっていくのが分かった。
すぐにワタシはアルカイダと打ち解けた。
「しっかし、ゴルバチョフももったいないことしたなぁ~。こーんなカワイイ子をふっちまうなんてよ!」
「えー、ワタシそんなでもないよー(笑)」「ところでミカはロックに興味ある?」
「ん?あるよ、それがどうかした?」「今俺、新しいロックバンドを結成しようと思ってんだ。よけりゃ一緒にやらね?」
「やるやるー!リハビリには音楽をやるといいって主治医の先生も言ってたし、ワタシ、頑張る!!」
「よっしゃーキマった!これから俺たちはロックメンバーだぜ!よろしくなミカ!」
「うん、よろしくアルカイダ!」
こうして私たちはロックバンドを結成する事になった。
その途中、アルカイダの遠い親戚にあたりロック仲間でもある赤井粛清という割と細めの男の人が仲間に加わり、
ワタシ達の活動は本格化するのであった。
722 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 02:50:53.44 ID:3/Y7CYvl0
9
話し合った結果、ワタシ達のロックバンドの名前は「俺のミカ、あいらぶゆう」となった。
じゃんけんで負けた奴の名前が「俺の」の後に入るということで、ワタシが負けたためこうなった。
「やっぱり恥ずかしいよ~!別のにしようよ~!」
「ダメダメ、じゃんけんでこうしようって言ったのはミカだべ(笑)今更無理よ、無理!」
「そうだぞ、あまりわがまま言うとシベリアに送っちゃうぜ(笑)」
「んも~!二人ともイジワルなんだからぁ!」和気藹々としたムードの中、名前は決定した。
このバンドでは、ワタシはほら貝を、アルカイダは和太鼓、そしてボーカルを赤井がやることになってる。
アルカイダの和太鼓のテクは凄い。16ビートなんてものじゃなかった。まさしくアレは160ビートだった。
ボーカルの赤井の声も凄かった。美声なのにとても大きな音が出る。
初めて「彼の千の風になって」を聞いた時、ワタシは思わず涙を流してしまったほどだ。
正直二人の超絶テクに押され気味の感じもするけど、ワタシだって、一揆の時の合戦で鍛えたほら貝には自信がある。
こうしてワタシ達は本格派ロックバンドとしてデビューを果たし、大人気になった。
そしてこの間、Avexと契約をし、出した初のシングルがオリコンのヒットチャート1位になるミリオンヒットを記録した。
こうして、ワタシは「ロッカーミカ」として充実した日々を送っていた。
――けれど、ワタシの心は、あの日から決して全てが満たされる事はなくなっていたのだった。
731 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:01:44.63 ID:3/Y7CYvl0
気が変わった。行けるところまで行くぜ俺は
10
「――カ。ミカ」誰かがワタシを呼ぶ声が聞こえる。
「おいミカ!聞いてんのか!次の出演先が決まったぞ!あのMステだ!生タモさんが見れるんだぜ!…っておい、だから聞いてんのかって!」
赤井のそう呼ぶ声にワタシはハッとする。
「ご、ごめん。ちょっと疲れてぼーっとしてた。」
「おいおい、大丈夫かよ~。そんなんじゃタモさんに、明日来てくれるかな?って聞いてもらえなくなるじゃんかよ~(笑)」
「そうだね、ごめんね、アハハハ!」ワタシはとっさにそう返した。
結局私の傷はまだ癒えていなかったのだ。最近はそれがバンド活動にもあわられ始めている。
赤井のこんな言動も、そんなワタシを気遣ってのものだ。それが余計私を傷つける。
「…どうした、本当に大丈夫かよ。疲れてんなら休んだっていいんだぜ?」
「うん…ワタシは大丈夫…それよりアルカイダは?」
「ああ、あいつならまたSPRing-8に行ってるよ。放射能半減実験がちょうど佳境だってさ。」
アルカイダは、こんなワタシを見るに見かねて最近はこんなことをしてくれている。
一体それがワタシの何になるのか分からないが、ワタシにはそんな心遣いが嬉しく、そして重かった。
「おい、本当に体の調子悪そうだぞ。医者行けよ。マネージャーには俺から言っとくからさ。」
赤井はそう言った。確かに、心だけでなく、最近は少し疲れが抜けない。とりあえず医者に行こう、そう思った。
「あのー、我集院ミカさん、大変言いにくいのですがあなたの病気は――癌です。」
738 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:09:16.75 ID:3/Y7CYvl0
11
癌?あの癌?日本人の年間死亡率1位と言われている、あの癌にワタシがなっている?
「しかも、全身に転移していて、もう現代医学ではどうしようもありません。お気の毒ですが、もって後半年、いや1ヶ月です…」
そう言われた時ワタシは愕然とした。どうして、ワタシまだ18なのに!
まだまだ一杯恋もしたいし、やりたいことだってたくさんあるのに!
「とりあえず、すぐさま入院して延命治療を施しましょう!」
そのお医者さん、独田井龍先生は優しく、けれど力強くワタシに言ってくれたけど、ワタシの耳には入らなかった。
そしてワタシは入院した。病院には毎日両親が見舞いに来てくれる。
最初わたしの病状を聞いたときは泣いたけど、出来る事を最後までしてくれると言ってくれた。
ワタシは両親にこんなにも愛されていたんだと始めて知って泣いた。
またアルカイダと赤井も忙しい間を縫って頻繁に会いに来てくれた。
「やっぱりお前のほら貝が無いとしまらないぜ。」アルカイダは言う。
「藪医者の言う事なんか気にすんな、おれが家族後とシベリアに送って粛清して、変なこと言わないようにしてやっからよ!」
赤井も励ましてくれた。
そんな日が1週間ほど続いたある日、赤井が一人、ワタシの元を訪れた。
744 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:14:44.85 ID:3/Y7CYvl0
12
「赤井…どうしたの、一人で?アルカイダと一緒じゃないの?」ワタシが尋ねると、赤井は神妙な顔つきになり
「いや、今日は一人で来た。…実は前からお前に言いたい事があったんだ。」と答えた。
ワタシはドキリとした。前にもこんな事があったような気がする。
けど、ワタシは落ち着いて答えた、「一体何の話?もしかして赤井…」
「ああ…前からずっとお前に言いたいと思っていたけど…言えなかったことを今言うよ…!」
やっぱり!そして赤井はワタシの隣で囁いた。
「―――――くさい。 」
は?ワタシ聞き返した。今、何と?
「―――――くさい。 」
私は臭かったらしい。ショックだ。
そのストレスにより私は寝込んだ。
そして――次に目が覚めたときは20日経っていた。
751 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:24:06.43 ID:3/Y7CYvl0
13
けど、目が覚めるとワタシの隣には信じられない人がいた。
「――ゴルバチョフ君!」どうして!?そう思った次の瞬間、ワタシはそれに気づいた。
「アルカイダ!赤井!それに…あなたはビーフ佐々木さん!?」
そう、皆いた。そして皆はワタシに次の事を伝えた。
ワタシに残された時間は後10日だという事。そして――これから何かが起こるという事。
ワタシはそう言われて、この雰囲気の原因が分かった。そうか、何かが起こるんだ――。
そんな気がしていた。そして案の定、それは起こった。
ただし、ワタシの目の前でなく、テレビの中の出来事として。
「ミロ!上田ノ例エ突ッ込ミ普及委員会ガテレビニ出テイルゾ!」そういったのはアルカイダ。少し合わないうちに片言になった。
「いよいよ、恐れていた事態が起きたのね…」ビーフがつぶやく。
テレビからは上田の「スイーツじゃないんだから!」やら「お前はガッシ!ボカか!」と言う声が聞こえてくる。
「まさか本当に…一体この先俺たちはどうする…?」赤井が言う。
「とりあえず、アレを実行に移すしかないな…こちらの損害も大きいが…」ゴルバチョフ君がそう話す。
皆神妙な面持ちだ。ワタシは皆が何を言っているのかわからなかった。
そして、再びワタシの意識は闇の中に落ちていった。
――ワタシは一人、蚊帳の外。
757 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:34:00.95 ID:3/Y7CYvl0
14
ワタシが次におきた時。それはもう医者から宣告されたタイムリミットまで5日に迫った時だった。
もうワタシの隣にいるのは赤井粛清、彼だけだった。
かいがいしく私を世話してくれるものの、その顔つきは臭そうだった。
ワタシにはやっぱり夢なんて無かったんだな――。
今更、昔ゴルバチョフ君に別れ際に言われた事を思い出した。
そんな時だった。赤井が息を弾ませ部屋に入ってきた。手には何か紙を持っている。
「ミカ!聞いたか!Amazonの恋空のレビューが集英社から出版化されたんだってよ!」
――耳を疑った。
ワタシはこう見えてもネットで結構買い物をする。その時にAmazonはいつも使っているとこだった。
そして、以前気になっていた恋空のレビューも見たことがある。
――だがそれは一部のインターネットユーザーの手によって、惨状と化していた。
そんなあのレビューが書籍化?ワタシは信じられなった。
「ああ、何でもプレイボーイの編集長が泣きながら土下座してまでAmazonの社長に頼み込んだらしい。」
そう…ワタシは思った。さっきは酷いと思っていたけど、全国のバカ女達に真実を見せ付けてやれる。そう思えたのだ。
今の世の中の女達は、恋空のような甘い恋愛に夢を抱いている。
けど現実はワタシのように、辛く、厳しいものだという事をあいつらは知らない。
――ううん、認めようとしないだけ。
けど、そんな隠し通していた真実ががあいつ等の目の前に突きつけられることになる――。
その事にワタシは胸が躍りそうになった。
けど、私はもう死ぬ運命。そんな事は叶うはずなんて無いって思ってた。
――あの人に出会うまで!
762 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:41:46.42 ID:3/Y7CYvl0
15
ワタシは久しぶりに外を散歩してみた。残された時間はあと1日。
――最後は今まで育った町を見て回りたい、ワタシはそんな事を思って外に出た。
「今日、死ぬんだなぁ・・・。最近、一揆してなかったなぁ・・・。」
そんな独り言を言いながら歩いていると、ワタシはある男の人に出会った。
その人はずっと走っていて、決して後戻りできず、傷だらけで立ち止まっていた。
すると、彼の目の前に謎の男が現れた!
「うおおおおお!チェルノブ!我等デスタリアンの誇りにかけても貴様を、ぐえーっ!!!」
そのチェルノブと呼ばれた人は謎の男を一瞬で殴り倒した。
ドキン!
私の心臓が激しい鼓動を刻ンでいるのが分かった。
すると彼もこっちに気づいた。すると彼はワタシを見て
「何て…何てきれいな人なんだ…儚くて…けど芯が強そうで…」
お互い一目ぼれだった。
「俺はチェルノブ。原子力発電所の爆発事故に巻き込まれた、炭鉱夫だ。妹を含む家族は全員死んでしまった。」
「そうなの…それは悲しかったでしょう…けど…これからはワタシが死ぬまでいてあげる…」
「ミカ…ミカァーッ!」
彼が私に抱きついてきた。けど、その瞬間――
「うっ…!ゲホッ!ゲボッ!」
私は血を吐いた。
766 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 03:48:03.96 ID:3/Y7CYvl0
16
とうとうお別れの時間が来ちゃったみたい。
ごめんねチェルノブ、会ったばかりなのにまた貴方につらい別れを味合わせてしまって。
そう思って私はチェルノブのほうを見た。
けど、チェルノブは、何もしないで、静かに佇んでいた。
そして、ワタシに向かって一言こう言った。
「釣りはよしな」
チェルノブは言った。
釣り?ワタシのこの血を吐くということが、この人にはワタシがこの人の愛を試そうとしようとするように見えたのだろう。
けどこれは決してそんな事なんかじゃない。私は最後の力を振り絞ってチェルノブへ伝える。
「釣り…なんかじゃないよ…ワタシ…今日で死んじゃうんだ…」
けどチェルノブは言い放った。
「釣りはよしな」
ワタシは、最後まで人に信じてもらえずに死んでいくんだと思うととても悲して泣いてしまった。
だけど、チェルノブだけには、信じてもらいたかった。
だから、ワタシは言った。
「グスン…えぐっ…ホントに…苦しいんだよぉ…ぐふっ」
そう言って入間にもワタシは血を吐いた。
けど、チェルノブの目は冷たいままだった。
777 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:01:37.42 ID:3/Y7CYvl0
17
どうして…どうして皆、アタシを捨てるの…??
ゴルバチョフ君に、アルカイダに赤井粛清、お父さんにお母さん、そして――チェルノブ。
ワタシは地獄に突き落とされた気がした。
そんな時、何かが私のほうへ向かっているのに気が付いた。
「あ…れは…何…?」
それは、――核ミサイルだった。
あの天才物理学者アインシュタインが見つけ出した人類最大にして最悪の力。
60年前、広島と長崎を焼き尽くし、ワタシのお婆ちゃんに一生消えない傷を残した悪魔の炎。
それが、今まさに私に向かってきた。
――ああ、ワタシ、死んじゃうんだぁ…一体誰なんだろうな…私を殺したい人って…
最後までワタシは、人に嫌われたまま死んでいくと思った。
けど、それは違ったの。
778 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:02:01.71 ID:3/Y7CYvl0
核は、世界中に発射されていたんだ。
核が地球を襲う。そんな時、ワタシの頭の中に一人の男の声が響いてきた。
「ミカヨ、聞コエテイルカ?アルカイダダ。全テハ俺ノ筋書キ通リダッタ。
オ前ニ近ヅイタノモ、ロックバンドヲ結成シタノモ、全テハコノ日ノタメダッタノダ。
コノタメダケニ日本人ノ真似ヲシテマデオ前ニ近ヅイタノダ。フハハハハ!サラバダミカヨ…来世デ会オウ!」
そう…全てはアルカイダの策略だった…
みんな…ゴメン……。
アタシ、世界を救えなかった…。
でも…希望はあるよ……。
次世代の子供たち…。
君たちが、空を作るの…。
争いの無い、平和な、空を。
君たちの、空。君空――――。
「ピカッドドーン」
こうしてワタシは死んだ。スイーツ(笑)
君空 ~Fin~
781 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:03:17.53 ID:3/Y7CYvl0
ちょっと>>50に今から投下してくる
皆最後までありがとうな
俺なんか>>590に乗っかっただけの金魚の糞みたいな存在なのに応援してくれて嬉しかったぜ
じゃあもう寝ろよ、お休み
50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/19(月) 21:48:23.59 ID:f6BmpMDA0
これ完成したら
http://ip.tosp.co.jp/p.asp?I=MAHOBOOK
に載せようぜwww
590 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 00:45:37.39 ID:pKphpAPV0
うpるなら誰かやってくれwwwwwwwwww
俺もう眠いwwwwwwwwwwwwwwww
暇潰しに付き合ってくれてありがとうwwwwwwwwwww
779 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 04:02:55.18 ID:QnTEk6oH0
(;∀;)イイハナシダナー
782 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:03:27.84 ID:1KsTN4BHO
感動した!wwwwww
783 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:03:31.67 ID:Oh/KCRfo0
終わった・・・!
>>778超乙wwwwww
784 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 04:04:19.49 ID:7fkjy7fe0
乙wwwwwwwwwwwwwwwww
785 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:04:29.91 ID:Z9O9t4EH0
乙www最高だったw
786 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 04:04:39.22 ID:umQWx+jG0
>>781
乙!久しぶりにいいもの見た
書籍化楽しみにしてるぜ
787 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:04:46.13 ID:D7Qek/UB0
>>778
おつかれだぜwwwww
ケータイ小説の大賞がとれるといいなwww
788 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 04:05:09.18 ID:cbLqe7Nu0
やべぇ見入ったwあ
789 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:05:18.37 ID:DwUpU+FO0
ガチで感動したわ・・・・
790 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:05:27.85 ID:5kctbW1i0
感動したwwwwwwwマジで乙wwwwwww
安価取ったやつも原型まとめたやつも小説書いたやつも天才wwwwwwなんかうれしいわwwwwwww
791 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2007/11/20(火) 04:05:46.76 ID:7fkjy7fe0
いつの間にか架空じゃなくなってたwwwwwwwwwwwwww
792 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:06:29.93 ID:7sa53F3X0
うわぁ
これスクリーンで豪華キャストで見てええ
794 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:07:27.66 ID:DwUpU+FO0
みんな…ゴメン……。
アタシ、世界を救えなかった…。
でも…希望はあるよ……。
次世代の子供たち…。
君たちが、空を作るの…。
争いの無い、平和な、空を。
君たちの、空。君空――――。
このくだりが最高
796 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/20(火) 04:07:52.67 ID:oBqbTJoS0
乙!!!!!
楽しかった、ぜひ書籍化してほしい
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