父「タカシ、誕生日プレゼントは何がいいんだ?」
- 2009/10/25
- 17:47
父「タカシ、誕生日プレゼントは何がいいんだ?」…第1部
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 17:43:41.70 ID:zr0Egkxd0
父「タカシが欲しいっていうならなんだってプレゼントするぞー♪父ちゃん張り切っちゃうぞー♪」
母「お母ちゃんだってタカシのためなら頑張っちゃうわよー」
タカシ「なんでも?」
母「そうよ、なんでもいいわよ」
タカシ「ぼくねー…お星さまがほしい!!」
父「そうか!よーし……じゃあ、あそこに見える星にしようか?」
タカシ「そのおとなりの白い星がいいな」
父「よーし、わかった!期待して待ってろよー!」
母「うふふ…よかったわねタカシ。誕生日に、すっごいパーティーしようね」
そんな会話を最期に、俺の父ちゃんと母ちゃんは行方不明になった。
母「お母ちゃんだってタカシのためなら頑張っちゃうわよー」
タカシ「なんでも?」
母「そうよ、なんでもいいわよ」
タカシ「ぼくねー…お星さまがほしい!!」
父「そうか!よーし……じゃあ、あそこに見える星にしようか?」
タカシ「そのおとなりの白い星がいいな」
父「よーし、わかった!期待して待ってろよー!」
母「うふふ…よかったわねタカシ。誕生日に、すっごいパーティーしようね」
そんな会話を最期に、俺の父ちゃんと母ちゃんは行方不明になった。
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 17:44:59.24 ID:zr0Egkxd0
翌朝目を覚ましたら、両親がいなかった。
「二人とも帰りが遅くなります」という置き書きがあった。
共働きで二人とも朝早く夜遅いということは珍しくなかったのでとくに疑問に思っていなかった。
何日か顔を合わせられない時だってあったから、
数日は冷蔵庫の中の食料を食べながら普通に生活していた。
けれど、8歳の誕生日になっても、父ちゃんと母ちゃんは帰ってこなかった。
盛大に誕生日パーティーやるぞ!という約束も達成されなかった。
その時になってようやく俺は、父ちゃんと母ちゃんが行方不明になってた事に気付いた
その後俺は、伯父の家に引き取られて生活することになった。
伯父一家はやさしかったし、従兄も面白くていい人だったから特に問題はなかった。
両親がいないということで小学校時代はいじめられたりもしたけれど、
空気に徹したので中学あたりからはそのように扱われるようになった。
そして今。高校生活3年目の秋。
俺は進路の決定が遅れていて「もう行ければどこでもいいや」という気持ちになっていた。
「二人とも帰りが遅くなります」という置き書きがあった。
共働きで二人とも朝早く夜遅いということは珍しくなかったのでとくに疑問に思っていなかった。
何日か顔を合わせられない時だってあったから、
数日は冷蔵庫の中の食料を食べながら普通に生活していた。
けれど、8歳の誕生日になっても、父ちゃんと母ちゃんは帰ってこなかった。
盛大に誕生日パーティーやるぞ!という約束も達成されなかった。
その時になってようやく俺は、父ちゃんと母ちゃんが行方不明になってた事に気付いた
その後俺は、伯父の家に引き取られて生活することになった。
伯父一家はやさしかったし、従兄も面白くていい人だったから特に問題はなかった。
両親がいないということで小学校時代はいじめられたりもしたけれど、
空気に徹したので中学あたりからはそのように扱われるようになった。
そして今。高校生活3年目の秋。
俺は進路の決定が遅れていて「もう行ければどこでもいいや」という気持ちになっていた。
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 17:48:12.79 ID:zr0Egkxd0
これまでヤンキーの入った連中の担当ばかりやっていた担任も、
あまりに無気力な俺にはあまりてがだせないようだった。
担任「で、タカシ……せめて就職か進学かは決めたか?」
タカシ「いえ、特には」
担任「進路が決定してないのなんてもうお前ぐらいだぞ?他はもう2年の3学期には方向が決まったのに…」
タカシ「就職でも進学でもいいです」
担任「……伯父さんたちとは話し合ってないのか?」
タカシ「俺のしたいようにすればいいって言ってました」
担任「………やりたいことは…無いのか?」
タカシ「特には」
あまりに無気力な俺にはあまりてがだせないようだった。
担任「で、タカシ……せめて就職か進学かは決めたか?」
タカシ「いえ、特には」
担任「進路が決定してないのなんてもうお前ぐらいだぞ?他はもう2年の3学期には方向が決まったのに…」
タカシ「就職でも進学でもいいです」
担任「……伯父さんたちとは話し合ってないのか?」
タカシ「俺のしたいようにすればいいって言ってました」
担任「………やりたいことは…無いのか?」
タカシ「特には」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 17:50:10.62 ID:zr0Egkxd0
担任「タカシぃ~……しっかりしてくれよ…」
タカシ「すみません」
担任「すみませんじゃなくってさぁ~……ハァ」
担任が露骨に頭を抱える。
体育会系で目標を見つけるのがうまい担任には俺のようなタイプは向かないんだろう。
担任が内線で進路相談担当の先生を呼びだしている。
露骨に口調が荒荒しい。やっぱり担任と俺はウマが合わないんだろうな。
進路相談室に、進路担当の老齢の女教師が入ってくる。
進路「失礼します」
担任「よく来てくれました。ちょっとこいつと進路について話してほしいんですよ」
担任は部活に遅れてしまうなどと言って俺と進路担当を残して相談室から出て行った。
タカシ「すみません」
担任「すみませんじゃなくってさぁ~……ハァ」
担任が露骨に頭を抱える。
体育会系で目標を見つけるのがうまい担任には俺のようなタイプは向かないんだろう。
担任が内線で進路相談担当の先生を呼びだしている。
露骨に口調が荒荒しい。やっぱり担任と俺はウマが合わないんだろうな。
進路相談室に、進路担当の老齢の女教師が入ってくる。
進路「失礼します」
担任「よく来てくれました。ちょっとこいつと進路について話してほしいんですよ」
担任は部活に遅れてしまうなどと言って俺と進路担当を残して相談室から出て行った。
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 17:53:10.29 ID:zr0Egkxd0
進路「えーと…タカシ君だったわねぇ…。進路決まらないの?」
タカシ「はい。やりたい事がなくて」
進路「遊んで暮らしたいとかそういうかんじ?」
タカシ「そうでもないです。与えられた事やってればそれでいいや…みたいな」
実際に、遊びまわるような元気もない。休日も本読んで寝るだけだ。
進路「好きな事とか趣味から…っていうのも難しいみたいねぇ」
タカシ「そうですね」
進路担当が小首をかしげる。
背丈がちいさく髪の毛も真っ白だからか、定年前なのにすでに隠居しているみたいだ。
タカシ「はい。やりたい事がなくて」
進路「遊んで暮らしたいとかそういうかんじ?」
タカシ「そうでもないです。与えられた事やってればそれでいいや…みたいな」
実際に、遊びまわるような元気もない。休日も本読んで寝るだけだ。
進路「好きな事とか趣味から…っていうのも難しいみたいねぇ」
タカシ「そうですね」
進路担当が小首をかしげる。
背丈がちいさく髪の毛も真っ白だからか、定年前なのにすでに隠居しているみたいだ。
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 17:56:01.73 ID:zr0Egkxd0
進路「学校としては、フリーターとかにはなってほしくはないんだけど…」
タカシ「……」
進路「特に学ぶ意欲がないなら…一度就職してお金をためておくっていう人もいるわよ?」
タカシ「じゃあ、それでいいです」
進路「けど、意欲がないならただ人手が欲しいだけのところにしか行けないわよ?それでいいの?」
タカシ「受け入れてくれるなら、別にどこでもいいです」
本心だった。だって特にやりたいことなんてないし。勉強したいとも思わない。
漫然と誰かから仕事を与えられて、それをやるだけでいいならそれが一番楽だよな。
そんな都合のいいところなんてないから就職が厳しいんだろうけど。
進路「タカシ君。演技でもいいから、興味があるそぶりをしておいたほうがいいわ」
タカシ「そうですか?」
進路「全くの無関心を出しすぎると、人手が欲しいところでも嫌がられるから」
タカシ「……」
進路「特に学ぶ意欲がないなら…一度就職してお金をためておくっていう人もいるわよ?」
タカシ「じゃあ、それでいいです」
進路「けど、意欲がないならただ人手が欲しいだけのところにしか行けないわよ?それでいいの?」
タカシ「受け入れてくれるなら、別にどこでもいいです」
本心だった。だって特にやりたいことなんてないし。勉強したいとも思わない。
漫然と誰かから仕事を与えられて、それをやるだけでいいならそれが一番楽だよな。
そんな都合のいいところなんてないから就職が厳しいんだろうけど。
進路「タカシ君。演技でもいいから、興味があるそぶりをしておいたほうがいいわ」
タカシ「そうですか?」
進路「全くの無関心を出しすぎると、人手が欲しいところでも嫌がられるから」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 17:58:55.13 ID:zr0Egkxd0
担任の今までの苦労はなんだったんだといわんばかりにあっさりと俺の進路は就職に決まった。
だいたいの方針がかたまったので、今日は帰ることにした。
今後も担任ではなく進路担当が話し相手になってくれるらしい。
進路「えぇと、きちんと御家族にもはなしておくのよ?」
タカシ「はい」
廊下にでると、窓から赤い夕陽がさしこんでいた。
かなり赤いから、帰り着くころにはもう空は暗くなっていることだろう。
ギャル「あ、タカシじゃん今から帰り~?」
同じクラスのギャルに声をかけられた。いちおううなづいておく。
ギャル「従兄さんにさぁー、コレ渡してもらえるー?」
タカシ「わかった」
ギャル「中身とかみたり渡さなかったりしたらブッ殺すかんねー」
だいたいの方針がかたまったので、今日は帰ることにした。
今後も担任ではなく進路担当が話し相手になってくれるらしい。
進路「えぇと、きちんと御家族にもはなしておくのよ?」
タカシ「はい」
廊下にでると、窓から赤い夕陽がさしこんでいた。
かなり赤いから、帰り着くころにはもう空は暗くなっていることだろう。
ギャル「あ、タカシじゃん今から帰り~?」
同じクラスのギャルに声をかけられた。いちおううなづいておく。
ギャル「従兄さんにさぁー、コレ渡してもらえるー?」
タカシ「わかった」
ギャル「中身とかみたり渡さなかったりしたらブッ殺すかんねー」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:02:17.32 ID:zr0Egkxd0
そう言ってギャルは小奇麗にラッピングした小さな箱を俺に押し付けてきた。
このギャルと従兄は同じバイト先で気があるらしく、
従兄から俺が親戚と聞きだして以来このように宅配便のかわりにされることがたまにある。
…その思いが実ることなんてないだろうけど。従兄には恋人がいるし。
一応、ギャルもそれを知っているはずなんだが諦めようとしない。
ギャル「ねーねー、従兄さんってどんな人が好みなの?」
タカシ「……恋人さんは清楚系だけど」
ギャル「知ってるけどさー、それ以外で」
タカシ「あんまりそういう話しない」
ギャル「うーわー タカシつかえなーい。じゃあいいや、バイバーイ」
言うだけ言ってギャルは美術室の方向に向かっていく。
俺は箱をできるだけ傾けないようにしつつ、カバンの上のほうにそっと入れた。
このギャルと従兄は同じバイト先で気があるらしく、
従兄から俺が親戚と聞きだして以来このように宅配便のかわりにされることがたまにある。
…その思いが実ることなんてないだろうけど。従兄には恋人がいるし。
一応、ギャルもそれを知っているはずなんだが諦めようとしない。
ギャル「ねーねー、従兄さんってどんな人が好みなの?」
タカシ「……恋人さんは清楚系だけど」
ギャル「知ってるけどさー、それ以外で」
タカシ「あんまりそういう話しない」
ギャル「うーわー タカシつかえなーい。じゃあいいや、バイバーイ」
言うだけ言ってギャルは美術室の方向に向かっていく。
俺は箱をできるだけ傾けないようにしつつ、カバンの上のほうにそっと入れた。
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:07:13.79 ID:zr0Egkxd0
帰り道を歩きながら空を見る。月は上弦の三日月だ。
星が欲しい、なんて子供の発想ではあったけれど、今でも天文関係はちょっとだけ好きだ。
でも、それも本なんかでちょっと見てしまえば満足できる程度でおしまいだ。
恐竜や宇宙に心をときめかせないやつは少ないだろうけど、
それを一生のものにする奴はもっともっと少ない。俺も例外じゃなく、気にはするけどそこまでだ。
予想していたとおりに、俺が家に着くころには星がハッキリ見え、赤い光も影をひそめていた。
タカシ「ただいまー」
従兄「おい!タカシ!!今すぐリビングに来い!!」
従兄の切羽詰まった声に促されて、俺はリビングへと心持ち駆け足で入った。
テレビからも、なにやら緊張感あふれる声が流れてきている。
アナウンサー「隕石の衝突確率は82.5%と発表されており……」
タカシ「隕石?」
星が欲しい、なんて子供の発想ではあったけれど、今でも天文関係はちょっとだけ好きだ。
でも、それも本なんかでちょっと見てしまえば満足できる程度でおしまいだ。
恐竜や宇宙に心をときめかせないやつは少ないだろうけど、
それを一生のものにする奴はもっともっと少ない。俺も例外じゃなく、気にはするけどそこまでだ。
予想していたとおりに、俺が家に着くころには星がハッキリ見え、赤い光も影をひそめていた。
タカシ「ただいまー」
従兄「おい!タカシ!!今すぐリビングに来い!!」
従兄の切羽詰まった声に促されて、俺はリビングへと心持ち駆け足で入った。
テレビからも、なにやら緊張感あふれる声が流れてきている。
アナウンサー「隕石の衝突確率は82.5%と発表されており……」
タカシ「隕石?」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:09:29.19 ID:zr0Egkxd0
今は秋だ。エイプリルフールの季節からはほど遠いどころの騒ぎじゃない。
一年をわっかにすれば真逆のあたりの位置だろう。
だけど、そのニュースはあまりにも現実味がなかった。
タカシ「なにこれ?新しいドラマかなにか?」
従兄「国営放送の臨時ニュースだよバカ!」
タカシ「そういえばギャルから従兄に渡してほしいものがあるってコレ渡されたんだけど」
従兄「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!」
そう言って従兄は頭をかかえてうろうろしだした。ぶつぶつと涙目で何かつぶやいている。
俺としては何をそんなに悩む事があるのかという気がしていたが、きっと人生に対する執着の差だろう。
テレビからは予想される被害と宇宙への脱出検討などの内容が流れてきている。
タカシ「とりあえず、約20%は外れるらしいからそっちに希望を持てばいいんじゃないかな?」
従兄「………そう…だな…」
タカシ「これ、ギャルが渡してくれって言ってたやつ。渡さなかったら俺が殺されるらしいから」
そう言って小箱を渡す。ミッションコンプリート。
一年をわっかにすれば真逆のあたりの位置だろう。
だけど、そのニュースはあまりにも現実味がなかった。
タカシ「なにこれ?新しいドラマかなにか?」
従兄「国営放送の臨時ニュースだよバカ!」
タカシ「そういえばギャルから従兄に渡してほしいものがあるってコレ渡されたんだけど」
従兄「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!」
そう言って従兄は頭をかかえてうろうろしだした。ぶつぶつと涙目で何かつぶやいている。
俺としては何をそんなに悩む事があるのかという気がしていたが、きっと人生に対する執着の差だろう。
テレビからは予想される被害と宇宙への脱出検討などの内容が流れてきている。
タカシ「とりあえず、約20%は外れるらしいからそっちに希望を持てばいいんじゃないかな?」
従兄「………そう…だな…」
タカシ「これ、ギャルが渡してくれって言ってたやつ。渡さなかったら俺が殺されるらしいから」
そう言って小箱を渡す。ミッションコンプリート。
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:15:04.70 ID:zr0Egkxd0
タカシ「俺、途中からしか見てないけどどんな感じ?」
従兄「約2年後に、月の3分の1ぐらいの隕石が地球に衝突するらしい…」
約2年か。進路問題から逃げるには余りにも長すぎるな。そもそも当たらないかもしれないわけだし。
当たったら当たったで、従兄のように人生を謳歌している人には悲しい事になるわけだし中途半端だな。
従兄「約2年後か……タカシが20になってから結婚しようと思ってたのに…」
タカシ「なんで?」
従兄「そしたらさ、タカシも俺達と一緒に酒飲んで祝えるだろ?」
タカシ「俺のことまで考えてくれてたなんて、やっぱいい兄ちゃんだ」
従兄「ああ、ありがとう……」
割と深刻な話をしていたはずだったのに、
俺は従兄に対して「大学生で結婚はちょっと難しくないか?」と別の突っ込みをしたくてたまらなかった
従兄「約2年後に、月の3分の1ぐらいの隕石が地球に衝突するらしい…」
約2年か。進路問題から逃げるには余りにも長すぎるな。そもそも当たらないかもしれないわけだし。
当たったら当たったで、従兄のように人生を謳歌している人には悲しい事になるわけだし中途半端だな。
従兄「約2年後か……タカシが20になってから結婚しようと思ってたのに…」
タカシ「なんで?」
従兄「そしたらさ、タカシも俺達と一緒に酒飲んで祝えるだろ?」
タカシ「俺のことまで考えてくれてたなんて、やっぱいい兄ちゃんだ」
従兄「ああ、ありがとう……」
割と深刻な話をしていたはずだったのに、
俺は従兄に対して「大学生で結婚はちょっと難しくないか?」と別の突っ込みをしたくてたまらなかった
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:19:10.78 ID:zr0Egkxd0
伯父達もそれからほどなくして大慌てで帰ってきた。
一体これからどうしようとうろたえるばかりの家族に対して俺はどう言えばいいのかわからない。
別に死ぬならそれでもいいという人とそうでない人の差っていうのはこんなものなのか。
とりあえず、俺はわかっている事だけしか言わないことにした。
タカシ「逸れる可能性はあるし、そもそもそれまでに時間はきちんとあるよ」
伯父「…時間はあるし、もしかしたらそれるかも…」
タカシ「うん」
俺が黙ってても、このいい人軍団ならきちんとした答えを出せるんだろうけど、
あんまりあわててる様子を見るのはちょっと心苦しい。
従兄「……俺…あいつにプロポーズしてくる」
従兄はなんかこの件であわてすぎというか、ぶっ飛んでしまっている。
けど仕方ないかもしれない。どう仕方ないのかは俺にはよくわからないけど。
一体これからどうしようとうろたえるばかりの家族に対して俺はどう言えばいいのかわからない。
別に死ぬならそれでもいいという人とそうでない人の差っていうのはこんなものなのか。
とりあえず、俺はわかっている事だけしか言わないことにした。
タカシ「逸れる可能性はあるし、そもそもそれまでに時間はきちんとあるよ」
伯父「…時間はあるし、もしかしたらそれるかも…」
タカシ「うん」
俺が黙ってても、このいい人軍団ならきちんとした答えを出せるんだろうけど、
あんまりあわててる様子を見るのはちょっと心苦しい。
従兄「……俺…あいつにプロポーズしてくる」
従兄はなんかこの件であわてすぎというか、ぶっ飛んでしまっている。
けど仕方ないかもしれない。どう仕方ないのかは俺にはよくわからないけど。
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:24:29.82 ID:zr0Egkxd0
従兄が恋人さんに電話をかけている傍らで、伯父と小母にインスタントコーヒーを淹れる。
二人ともコーヒー派らしい。俺は緑茶派で従兄は紅茶派だ。
伯父「ああ…ありがとうタカシ…」
タカシ「そういえば、俺就職することにした。特に勉強したいことないしまずはやってみてから考えるよ」
小母「あら、そうなの?」
タカシ「うん。あ、そうだ…でももし隕石が確実にぶつかるなら父ちゃんと母ちゃん探したい」
伯父「…! あいつか…」
タカシ「そういえば伯父さん達、父ちゃん達がどうなったのか知らないんだっけ?」
小母「……私は知らないわ…」
伯父「……お前が家に来る前に"もしかしたらタカシ預けるかも"って電話がきたきりだな…」
そんな電話されてたのか。
いままでまったく聞いた覚えがなかったけれど、たしかに手掛かりにはならないだろうな。
二人ともコーヒー派らしい。俺は緑茶派で従兄は紅茶派だ。
伯父「ああ…ありがとうタカシ…」
タカシ「そういえば、俺就職することにした。特に勉強したいことないしまずはやってみてから考えるよ」
小母「あら、そうなの?」
タカシ「うん。あ、そうだ…でももし隕石が確実にぶつかるなら父ちゃんと母ちゃん探したい」
伯父「…! あいつか…」
タカシ「そういえば伯父さん達、父ちゃん達がどうなったのか知らないんだっけ?」
小母「……私は知らないわ…」
伯父「……お前が家に来る前に"もしかしたらタカシ預けるかも"って電話がきたきりだな…」
そんな電話されてたのか。
いままでまったく聞いた覚えがなかったけれど、たしかに手掛かりにはならないだろうな。
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:28:37.25 ID:zr0Egkxd0
タカシ「…就職して、隕石の当たる確率みながら過ごして…んでそれが90%こえたら仕事辞める」
伯父「……それでいいのか?」
タカシ「父ちゃんと母ちゃん探したいってのは、さっき言う直前に思い立ったんだけど…」
伯父「あー……でも後悔するよりはいいかもなぁ…」
伯父と小母は脱力しきっている。あわてまくった後はだいたいそんなもんだろう。
運動会のあと学校に来るとみんな燃え尽きてるような感じだ。
小母に夕食を任せる事は出来なさそうだから、俺が作ることにした。
野菜炒めぐらいしかできないけど、ご飯も塩コショウもあるから大丈夫だろうたぶん。
ジュージューと野菜をいためて、ミンチをぶち込む。
ミンチにも火が通ったら皿にうつしてテーブルに乗せる。
タカシ「できた」
小母「ありがとうタカシくん…」
タカシ「苦にはならないし…」
伯父「……それでいいのか?」
タカシ「父ちゃんと母ちゃん探したいってのは、さっき言う直前に思い立ったんだけど…」
伯父「あー……でも後悔するよりはいいかもなぁ…」
伯父と小母は脱力しきっている。あわてまくった後はだいたいそんなもんだろう。
運動会のあと学校に来るとみんな燃え尽きてるような感じだ。
小母に夕食を任せる事は出来なさそうだから、俺が作ることにした。
野菜炒めぐらいしかできないけど、ご飯も塩コショウもあるから大丈夫だろうたぶん。
ジュージューと野菜をいためて、ミンチをぶち込む。
ミンチにも火が通ったら皿にうつしてテーブルに乗せる。
タカシ「できた」
小母「ありがとうタカシくん…」
タカシ「苦にはならないし…」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:33:02.89 ID:zr0Egkxd0
従兄が電話口でヒートアップしている。何かよくない事態に陥っているらしい。
テレビはどのチャンネルも臨時ニュースでもちきりでこの時間帯に見るクイズバラエティも潰れていた。
一昔前のバカバカしいクイズ番組で好きなんだけどな……隕石め。
タカシ「……そういや、父ちゃんと母ちゃんは俺に星をプレゼントするって言ってたけど…まさかな…」
伯父「ハハハ!まさかそんなことはないだろ~。」
伯父はだいぶいつものテンションを取り戻しつつある。
父ちゃんも割とハイテンションだったから、沈んだりしている伯父よりはこっちの伯父のほうが好きだ。
小母はちょっとひきつった笑いだ。
確かにジョークならちょっとブラックかもしれない。
テレビはどのチャンネルも臨時ニュースでもちきりでこの時間帯に見るクイズバラエティも潰れていた。
一昔前のバカバカしいクイズ番組で好きなんだけどな……隕石め。
タカシ「……そういや、父ちゃんと母ちゃんは俺に星をプレゼントするって言ってたけど…まさかな…」
伯父「ハハハ!まさかそんなことはないだろ~。」
伯父はだいぶいつものテンションを取り戻しつつある。
父ちゃんも割とハイテンションだったから、沈んだりしている伯父よりはこっちの伯父のほうが好きだ。
小母はちょっとひきつった笑いだ。
確かにジョークならちょっとブラックかもしれない。
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:39:26.84 ID:zr0Egkxd0
従兄が涙目で食卓に参戦してくる。
どんぶりに白飯を盛って野菜炒めを上にがっつりのせてかき込む。
一体何があったか聞きたかったけどメシを食うにつれて、メシくってんだか泣いてるんだかな顔になってくる。
最終的に従兄の箸は止まり、成人男性が肩を震わせてわんわん泣いているような形になった。
フラれたんだろうか?あんなにこれ見よがしに仲良くしていたのに。
伯父「どうした?」
従兄「うっ…うぅぅ…グスっ うあア゛ァ~~~…」
タカシ「はい、ティッシュ」
従兄「ダガシいぃぃ…… あ゛り゛がどうなあぁぁぁ~~~」
濁点まみれになりながら従兄は俺の渡した箱ティッシュからボシュボシュとティッシュを取り出しいろいろふき取る。
普段の細マッチョ系イケメンの面影はかけらもない。
どんぶりに白飯を盛って野菜炒めを上にがっつりのせてかき込む。
一体何があったか聞きたかったけどメシを食うにつれて、メシくってんだか泣いてるんだかな顔になってくる。
最終的に従兄の箸は止まり、成人男性が肩を震わせてわんわん泣いているような形になった。
フラれたんだろうか?あんなにこれ見よがしに仲良くしていたのに。
伯父「どうした?」
従兄「うっ…うぅぅ…グスっ うあア゛ァ~~~…」
タカシ「はい、ティッシュ」
従兄「ダガシいぃぃ…… あ゛り゛がどうなあぁぁぁ~~~」
濁点まみれになりながら従兄は俺の渡した箱ティッシュからボシュボシュとティッシュを取り出しいろいろふき取る。
普段の細マッチョ系イケメンの面影はかけらもない。
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:47:01.53 ID:zr0Egkxd0
まだダメージが回復していないらしく、
何か言おうとするたびに涙と鼻水まみれになる従兄はしばらく放置することにした。
これはギャルにもなんとかなるスキはあるかもしれな…いや、
あのギャルに失恋男を包容し癒せるスキルがあるとは思えない。やっぱダメか。
臨時ニュースにテレビの中の人も飽きたのか、お目当てだったクイズ番組が始まる。
生放送の番組だったらこうはいかなかっただろう。録画番組っていいな。
なんでもかんでも生がいいという話ばかり聞いている気がするけど、ちゃんと保存するのも大事だよな。
生の野菜よりも火を通した野菜のほうが俺にとっては断然美味いし。
背後からはいまだに従兄が箱ティッシュを消費するボシュボシュ音が聞こえる。
伯父「どうしたんだろうなあいつは…」
タカシ「今日はやめて明日あたりに聞いたほうがいいかも」
伯父「そうだな…」
何か言おうとするたびに涙と鼻水まみれになる従兄はしばらく放置することにした。
これはギャルにもなんとかなるスキはあるかもしれな…いや、
あのギャルに失恋男を包容し癒せるスキルがあるとは思えない。やっぱダメか。
臨時ニュースにテレビの中の人も飽きたのか、お目当てだったクイズ番組が始まる。
生放送の番組だったらこうはいかなかっただろう。録画番組っていいな。
なんでもかんでも生がいいという話ばかり聞いている気がするけど、ちゃんと保存するのも大事だよな。
生の野菜よりも火を通した野菜のほうが俺にとっては断然美味いし。
背後からはいまだに従兄が箱ティッシュを消費するボシュボシュ音が聞こえる。
伯父「どうしたんだろうなあいつは…」
タカシ「今日はやめて明日あたりに聞いたほうがいいかも」
伯父「そうだな…」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 18:53:35.44 ID:zr0Egkxd0
小母はあまりテレビ番組に興味がないのか、皿洗いをしている。
そっちのほうでは水の音とともに皿をとり落とす音がきこえてきたりした。
目当ての番組が終わったら早々に寝ることになった。
風呂を沸かしている間に不安になったりするからという理由で、
入りたい奴だけシャワーを浴びろということらしい。
俺は朝にシャワー浴びる事にして部屋に戻る。
タカシ「それじゃあおやすみなさい」
伯父「ああ、おやすみ」
小母「おやすみなさい」
従兄「……」
2階にある部屋に移動してから、リビングにカバンを置きっぱなしだった事を思い出した。
まぁ、別にかまわないか。明日は体育ある以外は今日とほぼ同じ教科だしな。
そっちのほうでは水の音とともに皿をとり落とす音がきこえてきたりした。
目当ての番組が終わったら早々に寝ることになった。
風呂を沸かしている間に不安になったりするからという理由で、
入りたい奴だけシャワーを浴びろということらしい。
俺は朝にシャワー浴びる事にして部屋に戻る。
タカシ「それじゃあおやすみなさい」
伯父「ああ、おやすみ」
小母「おやすみなさい」
従兄「……」
2階にある部屋に移動してから、リビングにカバンを置きっぱなしだった事を思い出した。
まぁ、別にかまわないか。明日は体育ある以外は今日とほぼ同じ教科だしな。
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 19:01:02.46 ID:zr0Egkxd0
朝。割とさわやかだが、いつもよりも窓に面した道が静かだ。
いつもより早く寝たせいでつられて早起きしたらしい。
下着と服を用意して風呂場に移動する。
朝シャンとかいうやつか?たしか昔はやったという……今でもあるんだろうか?
でも、寝汗とかの事を考えたらこっちのほうが清潔な気もするな。理にかなってるな朝シャン。
シャワーを終えてリビングに行くと、従兄が酒瓶抱いて寝てた。なんだこのわかりやすさ。
カーテンをあけて窓をあけて空気の入れ替えをしつつ、朝ごはんの準備をする。
いつもなら小母さんが起きてやってるはずなんだけれど、まだ寝ているらしい。
従兄「うーん…」
タカシ「おはよう。朝ごはんできてるよ」
従兄「タカシか……」
タカシ「うん、別の人に見えた?」
従兄「そういう意味じゃねぇー…」
いつもより早く寝たせいでつられて早起きしたらしい。
下着と服を用意して風呂場に移動する。
朝シャンとかいうやつか?たしか昔はやったという……今でもあるんだろうか?
でも、寝汗とかの事を考えたらこっちのほうが清潔な気もするな。理にかなってるな朝シャン。
シャワーを終えてリビングに行くと、従兄が酒瓶抱いて寝てた。なんだこのわかりやすさ。
カーテンをあけて窓をあけて空気の入れ替えをしつつ、朝ごはんの準備をする。
いつもなら小母さんが起きてやってるはずなんだけれど、まだ寝ているらしい。
従兄「うーん…」
タカシ「おはよう。朝ごはんできてるよ」
従兄「タカシか……」
タカシ「うん、別の人に見えた?」
従兄「そういう意味じゃねぇー…」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 19:05:01.70 ID:zr0Egkxd0
タカシ「ふられた後の目覚めってどんな感じ?」
従兄「…最悪だよ。……ひどいんだぜ…実は二股かけてて結婚するならそっちだって言われた…」
タカシ「男はオオカミっていうけど女はもっとひどいな。なんだそれ」
従兄「……タカシ、男に走ってもいいかな…?」
タカシ「俺は勘弁してください」
従兄「ああうん。ごめんごめん…」
ひどい女もいたもんだ…。とかおもいながら茶碗に白飯をよそう。
今朝も野菜炒めだ。それしか作れないからな。
従兄「…最悪だよ。……ひどいんだぜ…実は二股かけてて結婚するならそっちだって言われた…」
タカシ「男はオオカミっていうけど女はもっとひどいな。なんだそれ」
従兄「……タカシ、男に走ってもいいかな…?」
タカシ「俺は勘弁してください」
従兄「ああうん。ごめんごめん…」
ひどい女もいたもんだ…。とかおもいながら茶碗に白飯をよそう。
今朝も野菜炒めだ。それしか作れないからな。
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 19:11:22.96 ID:zr0Egkxd0
いつまでたっても伯父と小母が起きてこないが、なんとなく起こしに行くのはやめておいた。
泥のように眠るような行為をした後だったとかだったら気まずいどころの騒ぎじゃない。
カバンの中身を一応確認してから、登校する。
タカシ「行ってきます」
従兄「いってら…そうそう。ギャルちゃんにクッキーありがとうって言っておいてくれ…」
あの箱の中身クッキーだったのか。
ギャルのくせに以外とかわいいアピール方法だな。
結局家を出たのはいつも通りの時間だというのに、いつもより通学路は閑散としていた。
そこそこに人通りが多いはずの場所でも、明らかに人通りが少ない。
俺と同じように、そこに疑問を持ってきょろきょろしながら通る人が何人かいた。
教室に入っても、人は少なかった。
俺と同じく地味で目立たないタイプのが数人いるだけでいつもは騒がしい連中が一人としていない。
泥のように眠るような行為をした後だったとかだったら気まずいどころの騒ぎじゃない。
カバンの中身を一応確認してから、登校する。
タカシ「行ってきます」
従兄「いってら…そうそう。ギャルちゃんにクッキーありがとうって言っておいてくれ…」
あの箱の中身クッキーだったのか。
ギャルのくせに以外とかわいいアピール方法だな。
結局家を出たのはいつも通りの時間だというのに、いつもより通学路は閑散としていた。
そこそこに人通りが多いはずの場所でも、明らかに人通りが少ない。
俺と同じように、そこに疑問を持ってきょろきょろしながら通る人が何人かいた。
教室に入っても、人は少なかった。
俺と同じく地味で目立たないタイプのが数人いるだけでいつもは騒がしい連中が一人としていない。
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 19:18:13.67 ID:zr0Egkxd0
遅刻ギリギリの時間になってギャルがやってきたが、それ以上人は増えなかった。
ギャル「えー?何?何でこんな人少ないの~?」
ギャルが不満そうに声をあげたことで、俺含む地味ーズもざわざわし始めた。
男子「もしかして昨日のニュースのせい?」
女子「そうかも……私のおにいちゃんも"サボってやる。もういい。"とか言ってたし…」
デブ「だからってこんなイッキにいなくならなくってもいいじゃないか」
そばかす「いいんじゃない?学校来るよりやりたいことあるならさ」
俺が聞いていた中ではそばかすの女の意見が一番まっとうだったと思う。
特に名前も覚えてないけど計6名でとりあえずざわざわしておいた。
俺も「この事でやけになったやつって少なくなさそうだし」とか言っておいた。
ギャル「えー?何?何でこんな人少ないの~?」
ギャルが不満そうに声をあげたことで、俺含む地味ーズもざわざわし始めた。
男子「もしかして昨日のニュースのせい?」
女子「そうかも……私のおにいちゃんも"サボってやる。もういい。"とか言ってたし…」
デブ「だからってこんなイッキにいなくならなくってもいいじゃないか」
そばかす「いいんじゃない?学校来るよりやりたいことあるならさ」
俺が聞いていた中ではそばかすの女の意見が一番まっとうだったと思う。
特に名前も覚えてないけど計6名でとりあえずざわざわしておいた。
俺も「この事でやけになったやつって少なくなさそうだし」とか言っておいた。
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 19:26:34.43 ID:zr0Egkxd0
しばらくざわざわやっていると、進路担当が教室に入ってきた。
教室内をきょろきょろとみて、俺達しかいないとわかると残念そうに肩を落とす。
進路「みんな。ちょっと体育館に集まってくれない?」
ギャル「あ、センセー。やっぱ人少なかったの?」
進路「そうなのよー…先生達の中にも"好きにやりますもうやめます"っていっちゃう人がいて…」
そばかす「情熱持って教員試験に臨んで落ちた人に席を明け渡すべき」
男子「とりあえず行こうか」
進路担当を先頭にしてぞろぞろと後をついていく。
途中途中で別の教室にいる生徒をよび、列はだんだんと長くなっていく。
体育館には、結構生徒がいた。俺はちょっとほっとする。
それでも本来なら1学年分ぐらいの生徒数だろうか…。
校長「えー…みなさん。これで今日来ているのは全部ですか?」
体育館に設置されているステージの上に校長が悲しそうな顔をして立っていた。
教室内をきょろきょろとみて、俺達しかいないとわかると残念そうに肩を落とす。
進路「みんな。ちょっと体育館に集まってくれない?」
ギャル「あ、センセー。やっぱ人少なかったの?」
進路「そうなのよー…先生達の中にも"好きにやりますもうやめます"っていっちゃう人がいて…」
そばかす「情熱持って教員試験に臨んで落ちた人に席を明け渡すべき」
男子「とりあえず行こうか」
進路担当を先頭にしてぞろぞろと後をついていく。
途中途中で別の教室にいる生徒をよび、列はだんだんと長くなっていく。
体育館には、結構生徒がいた。俺はちょっとほっとする。
それでも本来なら1学年分ぐらいの生徒数だろうか…。
校長「えー…みなさん。これで今日来ているのは全部ですか?」
体育館に設置されているステージの上に校長が悲しそうな顔をして立っていた。
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 19:37:13.48 ID:zr0Egkxd0
教師の顔ぶれをうかがってみる。
新学期の全体集会で紹介された先生のうち、新任の先生が2人。
校長と、教頭と、進路担当と保険医と、あとは俺は担当された事のないのが3人いた。
先生のほうが俺達のクラスよりも集まりがいいのか……。
校長「みなさん、昨日のニュースは見ましたか?」
数名が「はーい」と返事する。ギャルもそれにあわせて返事していた。
校長「このような時です。自棄になった人も沢山いると思います。」
校長「実際に、教員の中にもそのような人がたくさんいました。」
校長「しかし、少なくとも残った教員は皆さんの勉強を全力でサポートします」
間をあけながら、ゆっくりと校長が話す。
簡単に言うと「くる人はこい、こっちはがっつりそだててやる!」ということらしい。
今まで何気なく見てたけど校長はかっこいいかもしれない。
新学期の全体集会で紹介された先生のうち、新任の先生が2人。
校長と、教頭と、進路担当と保険医と、あとは俺は担当された事のないのが3人いた。
先生のほうが俺達のクラスよりも集まりがいいのか……。
校長「みなさん、昨日のニュースは見ましたか?」
数名が「はーい」と返事する。ギャルもそれにあわせて返事していた。
校長「このような時です。自棄になった人も沢山いると思います。」
校長「実際に、教員の中にもそのような人がたくさんいました。」
校長「しかし、少なくとも残った教員は皆さんの勉強を全力でサポートします」
間をあけながら、ゆっくりと校長が話す。
簡単に言うと「くる人はこい、こっちはがっつりそだててやる!」ということらしい。
今まで何気なく見てたけど校長はかっこいいかもしれない。
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 19:44:46.44 ID:zr0Egkxd0
教員の人数が足りないのと、クラスの統合を行うので今日は集会だけで終わるらしい。
進路担当が今日来た生徒の出席を取っている。
新しい時間割ができたら明日の分を電話で連絡してくれるそうだ。
俺は教室に置いたカバンをとりに戻る。
一緒になってギャルがついてきた。
ギャル「ねーねー…従兄さんはヤケになってないよねー?」
不安そうだ。俺はギャルに正直に従兄の状態をぼかしつつ伝えることにした。
タカシ「彼女さんにふられて大学に行く元気はないみたい」
ギャル「…やっぱねー……あの女クサいとおもってたのよ。何?ビッチ臭?」
どっちかというと見た目だけならギャルのほうがビッチ臭がすごいきがするんだけれど、
ギャルの世界観ではボサボサ茶髪で目元のメイクがきついほうが純情ってことになってるのかもしれない。
価値観って人それぞれだよね。黙っておこう。
進路担当が今日来た生徒の出席を取っている。
新しい時間割ができたら明日の分を電話で連絡してくれるそうだ。
俺は教室に置いたカバンをとりに戻る。
一緒になってギャルがついてきた。
ギャル「ねーねー…従兄さんはヤケになってないよねー?」
不安そうだ。俺はギャルに正直に従兄の状態をぼかしつつ伝えることにした。
タカシ「彼女さんにふられて大学に行く元気はないみたい」
ギャル「…やっぱねー……あの女クサいとおもってたのよ。何?ビッチ臭?」
どっちかというと見た目だけならギャルのほうがビッチ臭がすごいきがするんだけれど、
ギャルの世界観ではボサボサ茶髪で目元のメイクがきついほうが純情ってことになってるのかもしれない。
価値観って人それぞれだよね。黙っておこう。
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 19:52:00.54 ID:zr0Egkxd0
タカシ「それよりクッキーうまかったって言ってたよ」
ギャル「……できればヤケになってない時の感想欲しかったけどね」
そばかす「何?何の話?」
そばかす女が乱入した事でなんちゃって両手に花状態ができる。
けどどっちも好みじゃない。俺おっぱい星人だし。
ギャル「私の狙ってる従兄さんの話~♪」
そばかす「ああ、よく部室で話してる」
そばかすとギャルは親交があったらしい。
ちょっと眼付の悪い地味なそばかすとギャルの取り合わせはあまりぴったりとは言い難いはずだけど、
話している時には結構仲がよさそうに見える。ギャルのほうの人徳だろうか?
ギャル「タカシは従兄さんのいとこなんだって」
そばかす「へぇ。似てない。ひょろい。たるんでそう」
なんであまり親交のない相手の事をこういえるんだろうか?
まともだとおもってたそばかすの評価が自分の中でガタ落ちした。
ギャル「……できればヤケになってない時の感想欲しかったけどね」
そばかす「何?何の話?」
そばかす女が乱入した事でなんちゃって両手に花状態ができる。
けどどっちも好みじゃない。俺おっぱい星人だし。
ギャル「私の狙ってる従兄さんの話~♪」
そばかす「ああ、よく部室で話してる」
そばかすとギャルは親交があったらしい。
ちょっと眼付の悪い地味なそばかすとギャルの取り合わせはあまりぴったりとは言い難いはずだけど、
話している時には結構仲がよさそうに見える。ギャルのほうの人徳だろうか?
ギャル「タカシは従兄さんのいとこなんだって」
そばかす「へぇ。似てない。ひょろい。たるんでそう」
なんであまり親交のない相手の事をこういえるんだろうか?
まともだとおもってたそばかすの評価が自分の中でガタ落ちした。
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 19:58:28.14 ID:zr0Egkxd0
ギャル「そうだねー。ひょろいよねー。筋肉つけたらいいよ、頼りないよりもモテるよ?」
タカシ「いや、興味ないし…」
そばかす「?! ……男に興味が…」
ギャル「従兄さんが危ない!?」
タカシ「ないから。もう一度言うけど、ないから」
この二人がどういう仲なのかなんとなくわかってきた。
そういえばそばかすは昼休みになにかマンガ描いてた覚えがある。
この学校には漫画クラブがあったはずだから、そこでたぶんアレな仲なんだろう。
アレな仲っていうと卑猥だな…。
ギャル「わかってるってば。ジョーダン通じない人って苦手ー」
俺もこういう女は苦手だと言いたいけど言ったらもっと絡まれそうだからやめた。
教室につくと、デブと男子が何か話している。
男子が俺たちに気付くと手招きしてきた。
タカシ「いや、興味ないし…」
そばかす「?! ……男に興味が…」
ギャル「従兄さんが危ない!?」
タカシ「ないから。もう一度言うけど、ないから」
この二人がどういう仲なのかなんとなくわかってきた。
そういえばそばかすは昼休みになにかマンガ描いてた覚えがある。
この学校には漫画クラブがあったはずだから、そこでたぶんアレな仲なんだろう。
アレな仲っていうと卑猥だな…。
ギャル「わかってるってば。ジョーダン通じない人って苦手ー」
俺もこういう女は苦手だと言いたいけど言ったらもっと絡まれそうだからやめた。
教室につくと、デブと男子が何か話している。
男子が俺たちに気付くと手招きしてきた。
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 20:05:18.52 ID:zr0Egkxd0
男子「なぁ…みんなはさ、今日なんで学校に来たんだ?」
タカシ「他にやることないから」
デブ「僕もそれできたんだけど…」
ギャル「私はもっといろいろ考えてきたよー?」
そばかす「私も」
男子「俺さ…当たらない確率があるなら、そっち重視すべきだって思うんだ」
そばかす「ふーん」
男子「…ふーん て ちがうの?」
そばかす「当たっても当たらなくてもどっちでもいいと思ってはいる。けどそのうえで学校に来た」
タカシ「他にやることないから」
デブ「僕もそれできたんだけど…」
ギャル「私はもっといろいろ考えてきたよー?」
そばかす「私も」
男子「俺さ…当たらない確率があるなら、そっち重視すべきだって思うんだ」
そばかす「ふーん」
男子「…ふーん て ちがうの?」
そばかす「当たっても当たらなくてもどっちでもいいと思ってはいる。けどそのうえで学校に来た」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 20:12:37.66 ID:zr0Egkxd0
ギャルとそばかすはだいたい同じ意見らしい。
当たるにしろ当たらないにしろ、どっちであっても学校に来ることが一番いい選択だと思ったそうだ。
一方、男子のほうは当たらない可能性に賭けてまともに生きようと考えたらしい。
それで、俺やテブは消極的に現状維持したい…と、結構みんな考えている事がバラバラだな。
男子「俺さ…悩んだんだよ。全部捨てちゃって両親といろんなとこに最後の思い出つくりに行こうかとか…」
ギャル「仮にそっち選んでもいい事なさそーじゃない?」
男子「そう? あー、でさ。そこでちょっと欲でちゃって…」
欲望重視ならむしろはっちゃけるもんじゃないか?と思ったけど、
デブがなにかなっとくしたらしく「あー、そっか」などとうなづきだした。
デブ「他のやつに、今なら差をつけられるってことか」
男子「そう。何気なく勉強していいとこいけるやつがサボってる間に頑張れば出しぬける」
デブ「あたまいいなーお前」
タカシ「……そういう考えもあるのか」
男子「賭けだけどな」
当たるにしろ当たらないにしろ、どっちであっても学校に来ることが一番いい選択だと思ったそうだ。
一方、男子のほうは当たらない可能性に賭けてまともに生きようと考えたらしい。
それで、俺やテブは消極的に現状維持したい…と、結構みんな考えている事がバラバラだな。
男子「俺さ…悩んだんだよ。全部捨てちゃって両親といろんなとこに最後の思い出つくりに行こうかとか…」
ギャル「仮にそっち選んでもいい事なさそーじゃない?」
男子「そう? あー、でさ。そこでちょっと欲でちゃって…」
欲望重視ならむしろはっちゃけるもんじゃないか?と思ったけど、
デブがなにかなっとくしたらしく「あー、そっか」などとうなづきだした。
デブ「他のやつに、今なら差をつけられるってことか」
男子「そう。何気なく勉強していいとこいけるやつがサボってる間に頑張れば出しぬける」
デブ「あたまいいなーお前」
タカシ「……そういう考えもあるのか」
男子「賭けだけどな」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 20:21:30.94 ID:zr0Egkxd0
ギャル「私はねー。学校来てぇー、やりたいことあってー」
そばかす「私も。勉強好きだし、それならサボっていろいろするより学校来たくて」
意外に勤勉だなギャル。なんかどんどん株が上昇していく気がする。
…俺は自分でもわかっているとおり無気力故に学校に来た感じだから、
なんだかこの場にふさわしくない気がしてきた。
タカシ「……なんとなく来たからなー…なんか申し訳ない気分だ」
デブ「僕も…」
男子「…なんていうか、欲なさそうだもんな…」
ギャル「デブもタカシも草食通り越してそれに食われる草みたいな奴だもんね」
そばかす「いいんじゃない?ヘタに行動しないっていうのが必要な時もあるし」
タカシ「……場合によってはヘタに行動するかも。衝突確率がすごく高くなってからだけど」
そばかす「私も。勉強好きだし、それならサボっていろいろするより学校来たくて」
意外に勤勉だなギャル。なんかどんどん株が上昇していく気がする。
…俺は自分でもわかっているとおり無気力故に学校に来た感じだから、
なんだかこの場にふさわしくない気がしてきた。
タカシ「……なんとなく来たからなー…なんか申し訳ない気分だ」
デブ「僕も…」
男子「…なんていうか、欲なさそうだもんな…」
ギャル「デブもタカシも草食通り越してそれに食われる草みたいな奴だもんね」
そばかす「いいんじゃない?ヘタに行動しないっていうのが必要な時もあるし」
タカシ「……場合によってはヘタに行動するかも。衝突確率がすごく高くなってからだけど」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 20:32:10.89 ID:zr0Egkxd0
そばかす「犯罪行為とかはやめてよ?」
タカシ「…犯罪者顔に見える?」
そばかす「まともなのがダメになるのを見るのは気分悪いから」
こいつのキャラはいまいちつかめないが心配してくれたんだろう。
なんだ、いいやつじゃないか。
デブ「僕は、たぶんずっと平凡なままかな…」
男子「そのほうがいいに決まってる。逸れる可能性とか、生き延びる可能性を考えたらそのほうがいい」
なんか瞳が燃えている。意外と身近にすごく熱い奴っているもんなんだな。
校長とかもそうだけど、こういうことがあっていろいろ見えるのは楽しいかもしれない。
本来なら、こういうことは学内のイベントなんかで起こる事なんだろうけど、
今までそれにほんのわずかにしか参加してなかったし、参加してても黙々とただやってるだけだった。
両親がいない事をあっさりと口に出せる程度に強かったらそうしてたのかもしれない。
まぁ、やってないことを悔やんでもしょうがない。
先に帰ってしまった女子を仲間外れにした形ではあるけど、今はなんか仲良くなった事を喜んでおこう。
タカシ「…犯罪者顔に見える?」
そばかす「まともなのがダメになるのを見るのは気分悪いから」
こいつのキャラはいまいちつかめないが心配してくれたんだろう。
なんだ、いいやつじゃないか。
デブ「僕は、たぶんずっと平凡なままかな…」
男子「そのほうがいいに決まってる。逸れる可能性とか、生き延びる可能性を考えたらそのほうがいい」
なんか瞳が燃えている。意外と身近にすごく熱い奴っているもんなんだな。
校長とかもそうだけど、こういうことがあっていろいろ見えるのは楽しいかもしれない。
本来なら、こういうことは学内のイベントなんかで起こる事なんだろうけど、
今までそれにほんのわずかにしか参加してなかったし、参加してても黙々とただやってるだけだった。
両親がいない事をあっさりと口に出せる程度に強かったらそうしてたのかもしれない。
まぁ、やってないことを悔やんでもしょうがない。
先に帰ってしまった女子を仲間外れにした形ではあるけど、今はなんか仲良くなった事を喜んでおこう。
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 20:42:28.03 ID:zr0Egkxd0
帰り道、やはり人は少ない。
一度帰って昼食を食べたら街の中を見回ってみよう。
やっているまとも店があればガンバレという意味でちょっとでも貢献したいしな。
そんな事を考えながら家に帰りついた。
タカシ「ただいま」
従兄「おかえり」
タカシ「伯父さんたちは?」
従兄「会社のほうから今後の方針まとめるって言われて、そのための資料作ってる」
タカシ「やっぱり、いろいろ大変なんだな……学校も来てたやつ少なかったし」
従兄「……多分だけど、これから隕石がきてみるまではこういう状態が続くだろうな」
俺はカバンを置きながら従兄の話に耳を傾ける。
従兄「会社にしろ、個人にしろ、やる気のあるやつだけが社会に参加することになる」
タカシ「……いままでだってそうじゃないの?」
従兄「社会に守られてたから入ろうと思ってたやつのほうが多いと思うぞ?」
一度帰って昼食を食べたら街の中を見回ってみよう。
やっているまとも店があればガンバレという意味でちょっとでも貢献したいしな。
そんな事を考えながら家に帰りついた。
タカシ「ただいま」
従兄「おかえり」
タカシ「伯父さんたちは?」
従兄「会社のほうから今後の方針まとめるって言われて、そのための資料作ってる」
タカシ「やっぱり、いろいろ大変なんだな……学校も来てたやつ少なかったし」
従兄「……多分だけど、これから隕石がきてみるまではこういう状態が続くだろうな」
俺はカバンを置きながら従兄の話に耳を傾ける。
従兄「会社にしろ、個人にしろ、やる気のあるやつだけが社会に参加することになる」
タカシ「……いままでだってそうじゃないの?」
従兄「社会に守られてたから入ろうと思ってたやつのほうが多いと思うぞ?」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 20:55:07.93 ID:zr0Egkxd0
従兄は「ルールを守るのにやる気が必要」ということをとにかく俺に説いてきた。
俺は特にやる気はなくとも続けられるから続けているかんじなんだけど、それも継続という力らしい。
…学校では男子、家では従兄がなんだか主役属性に思えてきた。
どっちも言いたい事はわからんでもないから反対はしない。
タカシ「…従兄は、社会に参加するほう?」
従兄「するほうになるかな。……ふられた直後はもうどうでもいいと思ったけど」
タカシ「この世の終わりかってぐらい泣いてたしね」
従兄「いや、この世の終わりになりそうな状況なんだけどな実際に」
タカシ「おっしゃる通りです」
従兄「ふられる前はさ…世界が終っちゃうにしてもそれまでに沢山幸せになって置こうと思った」
タカシ「それで、彼女さんといくとこまでいってしまおうと」
従兄「そうだな。ふられた直後はもう駄目だと思ってたけどさ…それ以外の事探すの諦めたら終わりかなって思って」
うん、主人公属性だな従兄……
顔もいいしこれならモテまくってるのにも納得がいく。
俺は特にやる気はなくとも続けられるから続けているかんじなんだけど、それも継続という力らしい。
…学校では男子、家では従兄がなんだか主役属性に思えてきた。
どっちも言いたい事はわからんでもないから反対はしない。
タカシ「…従兄は、社会に参加するほう?」
従兄「するほうになるかな。……ふられた直後はもうどうでもいいと思ったけど」
タカシ「この世の終わりかってぐらい泣いてたしね」
従兄「いや、この世の終わりになりそうな状況なんだけどな実際に」
タカシ「おっしゃる通りです」
従兄「ふられる前はさ…世界が終っちゃうにしてもそれまでに沢山幸せになって置こうと思った」
タカシ「それで、彼女さんといくとこまでいってしまおうと」
従兄「そうだな。ふられた直後はもう駄目だと思ってたけどさ…それ以外の事探すの諦めたら終わりかなって思って」
うん、主人公属性だな従兄……
顔もいいしこれならモテまくってるのにも納得がいく。
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 21:05:30.05 ID:zr0Egkxd0
昼食は従兄が作ってくれることになった。
小麦粉を水で練って麺をつくっている。俺も横でどんぶりなどの準備をする。
昼のメニューはうどんだった。伯父と小母もよんで、みんなで食卓を囲む。
従兄の作ったうどんは正しい製法ではなくとも、かなりうまかった。
伯父「会社は、きちんと運営していくそうだ」
小母「けど、かなり取引先もゆれるだろうからまず今までの自社のことをまとめて方針を定めるんですって」
ずるずるとうどんをすすりながら伯父達はしゃべる。
自分の周りが正しいもののモデルケースまみれで、やはりなんだか肩が狭い。
俺は早々に食べ終わると自分のどんぶりを洗う。
タカシ「ちょっと街のほうみてくる」
伯父「治安が不安だから、防犯用に何か持って行ったほうがいいんじゃないか?」
伯父の言うことももっともだ。ヤケになって犯罪に走るやつがでないとは限らないんだよな。
実際、そばかすもそんな懸念をしてたし…
小麦粉を水で練って麺をつくっている。俺も横でどんぶりなどの準備をする。
昼のメニューはうどんだった。伯父と小母もよんで、みんなで食卓を囲む。
従兄の作ったうどんは正しい製法ではなくとも、かなりうまかった。
伯父「会社は、きちんと運営していくそうだ」
小母「けど、かなり取引先もゆれるだろうからまず今までの自社のことをまとめて方針を定めるんですって」
ずるずるとうどんをすすりながら伯父達はしゃべる。
自分の周りが正しいもののモデルケースまみれで、やはりなんだか肩が狭い。
俺は早々に食べ終わると自分のどんぶりを洗う。
タカシ「ちょっと街のほうみてくる」
伯父「治安が不安だから、防犯用に何か持って行ったほうがいいんじゃないか?」
伯父の言うことももっともだ。ヤケになって犯罪に走るやつがでないとは限らないんだよな。
実際、そばかすもそんな懸念をしてたし…
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 21:17:51.37 ID:zr0Egkxd0
最終的に、俺は従兄がいつだったか土産物屋で買ってきた小さめの木刀をいれて持ち歩くことにした。
そのままで持ってると俺が危ない人みたいだから肩掛け型のカバンの中に放り込んである。
その状態で、街に出てきた。学校とは違い、意外な事に人であふれている。
遊びまくってしまえという思考の連中が多いんだろうか?
よく見ると、店員は少ない。
ほとんどが刹那的に遊んで思い出を作ろうとしている人らしい。
そばかす「人間観察にはもってこいよね」
タカシ「?!」
どこからわいたこの女?!
というのがモロに顔にでたらしく、そばかすはニヤニヤしている。
そばかす「いや、街のほうどうなってるのか気になって。画材も買いたいし」
タカシ「やっぱりそっちの側の人間か…」
そばかす「今日買うのはマンガじゃなくって美術用。でもマンガ用も買っちゃうべきかな」
そのままで持ってると俺が危ない人みたいだから肩掛け型のカバンの中に放り込んである。
その状態で、街に出てきた。学校とは違い、意外な事に人であふれている。
遊びまくってしまえという思考の連中が多いんだろうか?
よく見ると、店員は少ない。
ほとんどが刹那的に遊んで思い出を作ろうとしている人らしい。
そばかす「人間観察にはもってこいよね」
タカシ「?!」
どこからわいたこの女?!
というのがモロに顔にでたらしく、そばかすはニヤニヤしている。
そばかす「いや、街のほうどうなってるのか気になって。画材も買いたいし」
タカシ「やっぱりそっちの側の人間か…」
そばかす「今日買うのはマンガじゃなくって美術用。でもマンガ用も買っちゃうべきかな」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 21:25:31.19 ID:zr0Egkxd0
「お金ないけど」とそのままつぶやいて周囲の様子をメモにとっている。
俺はと言えば、まともに働いている店員たちが目を回しそうになっているのにハラハラしていた。
そばかす「そうだ、ギャルの分も買うから荷物持つの手伝って」
タカシ「え…?」
そばかす「ヒマじゃないならいいけど」
タカシ「ヒマじゃないです」
そばかす「ああそう。じゃあまた明日ね」
そういってすたすたと去っていく。何もんだあいつ…。
しかし、ちょっとだけそばかすの言った事で考えた事があった。
もしかしたら…今のうちに物を買い込んでおいたほうがいいんじゃないか?
きちんと良心的に店が開かれ続ける保証なんて無いわけだし…。
そう考えると背筋が急に冷たくなった。
急に「世界が滅びます」と言われただけだとジョークにしか感じないが、
それを受けての周囲の人の行動を見ていると少なくとも人間が原因の危機はたくさん起こりそうだ。
俺はと言えば、まともに働いている店員たちが目を回しそうになっているのにハラハラしていた。
そばかす「そうだ、ギャルの分も買うから荷物持つの手伝って」
タカシ「え…?」
そばかす「ヒマじゃないならいいけど」
タカシ「ヒマじゃないです」
そばかす「ああそう。じゃあまた明日ね」
そういってすたすたと去っていく。何もんだあいつ…。
しかし、ちょっとだけそばかすの言った事で考えた事があった。
もしかしたら…今のうちに物を買い込んでおいたほうがいいんじゃないか?
きちんと良心的に店が開かれ続ける保証なんて無いわけだし…。
そう考えると背筋が急に冷たくなった。
急に「世界が滅びます」と言われただけだとジョークにしか感じないが、
それを受けての周囲の人の行動を見ていると少なくとも人間が原因の危機はたくさん起こりそうだ。
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 21:35:23.23 ID:zr0Egkxd0
とりあえず、俺は園芸関係の店に向かった。
一家で経営しているらしい小さな店で、俺が店内に入る時少し緊張した顔をしていた。
タカシ「すみません、ちいさなものでもいいから家庭菜園できるのってありませんか?」
爺さん店員「というと…プランターと苗とかかい?」
タカシ「そんなかんじです。えーと…できればタネも何かあれば」
強盗の類を警戒しながらもきちんと客を迎え入れてくれるこの店はいい店だと思う。
けど、実際に強盗の例が多発すればこの店含むいろんな所が経営をやめてひきこもるんじゃないだろうか?
みんなが「こんな時こそ協力が必要だ!」と思えるようならそんな心配いらないんだけどな。
爺さん店員がプラスチック製の横に長いプランターを重ねていくつか持ってきてくれる。
俺の考えている事がだいたい分かっているみたいだ。
爺さん店員「土は重いぞ?どうするね?」
タカシ「えーと…地面から掘り出してくるのじゃ栄養たりないですよね…?」
爺さん店員「肥料とタネだけ今日は買っていくかい?」
タカシ「そうします」
一家で経営しているらしい小さな店で、俺が店内に入る時少し緊張した顔をしていた。
タカシ「すみません、ちいさなものでもいいから家庭菜園できるのってありませんか?」
爺さん店員「というと…プランターと苗とかかい?」
タカシ「そんなかんじです。えーと…できればタネも何かあれば」
強盗の類を警戒しながらもきちんと客を迎え入れてくれるこの店はいい店だと思う。
けど、実際に強盗の例が多発すればこの店含むいろんな所が経営をやめてひきこもるんじゃないだろうか?
みんなが「こんな時こそ協力が必要だ!」と思えるようならそんな心配いらないんだけどな。
爺さん店員がプラスチック製の横に長いプランターを重ねていくつか持ってきてくれる。
俺の考えている事がだいたい分かっているみたいだ。
爺さん店員「土は重いぞ?どうするね?」
タカシ「えーと…地面から掘り出してくるのじゃ栄養たりないですよね…?」
爺さん店員「肥料とタネだけ今日は買っていくかい?」
タカシ「そうします」
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 21:41:48.85 ID:zr0Egkxd0
タカシ「ただいまー……」
従兄「うわ、すごい大荷物だな?!」
タカシ「ちょっとでも自給できるようにと思ってプランターとトマトと大根のタネ買ってきた。あと肥料」
従兄「土は重くてムリだったんだな?」
タカシ「うん」
従兄「まぁ…庭もあるしなんとかなるだろ。犯罪気にするなら家の中で育てたほうがいいけど」
俺は背負ってきた荷物をすべて下ろす。
おもい。超重い。確かに俺はひ弱だった…。
従兄「そうそう。学校から連絡来たぞ。明日は国語、数学、社会、理科、情報らしい。」
タカシ「もう決まったんだ…先生達も頑張るなぁ…」
従兄「お前のとこの先生達はいい人みたいだな。よかったじゃないか」
タカシ「そうだね」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 21:50:13.21 ID:zr0Egkxd0
腕と足をぶるぶると振って疲れを追いやろうとしてみる。
こういうのでもちょっと楽になるもんだな…。
従兄「どんな感じだった?」
タカシ「店員は少なくて利用者が嫌になるほど多かった」
従兄「だろうな」
タカシ「……そういや従兄は大学どうしたの?」
従兄「全面的に休講するって連絡が来たよ。一部の教授が研究室使う以外は開講しないらしい」
従兄は話してくれつつ、俺の持ってきた荷物を解体している。
俺も一緒になってまとめてあったプランターを1つ1つ分離する。
従兄は大学が無い間はずっとバイトすることにしたと言っていた。
ファーストフード店だから、利用者も多いだろうし、強盗の懸念がある中なら男手はいなきゃなと笑っていた。
こういうのでもちょっと楽になるもんだな…。
従兄「どんな感じだった?」
タカシ「店員は少なくて利用者が嫌になるほど多かった」
従兄「だろうな」
タカシ「……そういや従兄は大学どうしたの?」
従兄「全面的に休講するって連絡が来たよ。一部の教授が研究室使う以外は開講しないらしい」
従兄は話してくれつつ、俺の持ってきた荷物を解体している。
俺も一緒になってまとめてあったプランターを1つ1つ分離する。
従兄は大学が無い間はずっとバイトすることにしたと言っていた。
ファーストフード店だから、利用者も多いだろうし、強盗の懸念がある中なら男手はいなきゃなと笑っていた。
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 21:44:13.22 ID:NtQUkuT4O
理科社会なんてあるんだな
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/10/24(土) 21:52:09.68 ID:zr0Egkxd0
メシくう
>>74
自分の行ってたとこが時間割の表記を理科とか社会にしてあって、
実際の内容は生物や化学とわけてたんです。一般的じゃなかったのをレスみて思い出しました。
>>74
自分の行ってたとこが時間割の表記を理科とか社会にしてあって、
実際の内容は生物や化学とわけてたんです。一般的じゃなかったのをレスみて思い出しました。
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父「タカシ、誕生日プレゼントは何がいいんだ?」…第1部
http://lovevippers.blog.2nt.com/blog-entry-433.html
父「タカシ、誕生日プレゼントは何がいいんだ?」…第2部
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父「タカシ、誕生日プレゼントは何がいいんだ?」…last
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