○月×日
今日外は大雨だった。
放課後、男君と二人っきりの教室で文化祭のミーティングしてたんだけど
パンデモニウムの事が気になって仕方が無い。
雨に濡れて凍えてないかな…大丈夫かな
そんな事を考えてると
「パンの事気になる?」
とまるでエスパーの如き男君。
謝る私に男君がこう提案したのだ!!
「明日学校休みだし、俺も暇だから話し合い明日にしない?」
えーーーーーーーー!!!
なんという事だ!!!もしかしてデートか!!デートなのか!!!
もちろんその提案を快諾する私。
鼻息荒くなかったろうか…
その後、学校を出てパンデモニウムの所へ走った。
何故か男君も来てくれたッ!!
パンデモニウムはずぶ濡れで空き地の端でちっちゃくなっていた。
ここは雨を避ける場所がないので家に連れ帰る事にした。
「服汚れちゃうだろ」と、男君がパンデモニウムを抱えて私の家まで送ってくれた……
なんてお優しいお方なの!!?なんなの!!?惚れちゃうわよ!?いいえ!!私はもう惚れてるのよー!!!
土曜日
女「うぅぅぅう……」
妹「お姉ちゃん大丈夫?」
女「なんで私はこんなにタイミングが悪い女なのよぉ~…」
女「どうしてこんな大事な日に風邪なんて引いちゃうのよぉ~……」
女「風邪の無い世界に生まれたかったよぉおお~……」
妹「今日は行かない方が良いんじゃない?」
女「アホゥ!」
女「男君との約束をすっぽかすなんてそんな事できるわけないわ!」
女「私は例え野垂れ死のうとも男君のもとへ行く…」
女「オゲホッ!!!オゲホゲホゲホッ!!!」
妹「お姉ちゃんやめときなよ~」
女「離せ妹よ…私は行かねばならぬのだぁ~…」
女「いってきま~ゴホッ」
妹「いってらっしゃ~い…」
男「よう!」
女「ど、どうも///」
男「…なんか体調悪そうだけど大丈夫?」
女「え、うん!だ、大丈ブホッ!ゴホッエホエホッ!」
男「女さんもしかして風邪ひいてる?」
女「い、いやいやいや!そんなワケないじゃないっすか~!///」
男「……」
ピトッ
女「わっ///」
女(オデコに!!私のオデコに男君の手、手がーーー!!!手がーーー!!////)
男「無理すんなよ。けっこう熱あるぞ?」
女「あ、いやこれは///」
男「家まで送ってやるから。今日はやめとこうぜ。な?」
女「は、はい///」
女(うぅぅうう……男君優しい……///)
○月×日
今日は男君との大事なデートの日だったのに
風邪を引いてしまう虚弱クイーンな私。
這いずりながら男君のもとに行ったけど
結局今日のデートは無しになった。
男君が心配してくれた。家まで送ってくれた。
男君優しいなぁ…
今日はもうしんどい…バタンキュー
女「おはお~」
妹「おはよー」
女「あれ?お母さんは?」
妹「なんか婦人会で食べに行くとかなんとか言ってどっか行ったよ」
女「おとんは?」
妹「ゴルフー」
女「そっか~」
妹「お姉ちゃん風邪大丈夫?」
女「うん。もう大分楽になった」
女「妹が昨日人肌で暖めてくれたからなぁ……裸で」
妹「してないしてないw」
女「じゃぁやってもらおうくわぁっ!!」ガバッ
妹「やーーー!!」
ドゲシッ
女「体の弱い姉を足蹴にするなんて……およよ~…」
妹「はいはい」
女「妹は今日家にいるの?」
女「お姉ちゃんと遊ぼうぜ!」
妹「ごめん。今日友達と映画見に行くんだ」
女「…そうなのね」シュンッ
妹「あっ!そろそろ行かなきゃ!」
妹「それじゃぁお姉ちゃんいってくるね~!」
女「ふんだ!鍵閉めてやるー!!引きこもり事件起こしてやるー!!」
妹「立て篭もりね。それじゃあいってきま~す」
女「行って来るがいいさ!!」ガチャ
ピンポーン
女「誰だろ?」
女(ははーん。さては妹め。何か忘れ物したな?)
女(しかし鍵がかかってるので困っているのか)
女「プークスクスw」
女「出会い頭にタックルかましてやるw」
ピンポーン
女「はいは~いw」
ガチャ
女「あいておるぞよ~…プククw」
ギィ~
男「お邪魔しま…」
女「ソイヤッ!!!!」
ドンッ!!
男「おごっ!!」
女「スクラム!!スクラムを組む私!!!Like a スクラムガーーーール!!!!」
女「ぬはははは!!身動きがとれまいて!!」
女「これが花園へ行った真のラガーマンのタックルじゃい!!」
ジタバタ
男「な、何!?何!?」
女(あれ…?この声…)
男「………」
女「………?」
男「よ、よう」
女「………」
男「………」
女「Are you Otoko?」
男「い、いえ~す」
女「………」
男「………」
女「………」
女「///////////////////////////」ボッ
女「はわ……はわわわわ……/////////」
男「あ、あははは……」
女「ご、ごめんなさい!!!!//////」
バタン!ガチャ!!
男「あ!お、女さん!」
女(なんで!?なんでここに男君がいるの!?)
女(そして私は何をやっているの!?なぜ男君とスクラムを組んだの!?バカなの!?死ぬの!?)
女(ダメ!!無理!!!終わり!!!私の人生今終わった!!!!)
男「お、女さ~ん!お~い!」
女(やばい!!どうしよう!!咄嗟にドア閉めて鍵までかけてしまったけど)
女(これからどうしたら良いの!?私どうやったら死ねるの!?いえ、もう死んでるんだわ!!)
女(これは風邪をこじらせて見てしまった悪夢なのよ!!私はアジアのパピヨン!!)
男「女さ~ん!開けて~」
女(きっと扉の向こうにはフィヨルド地帯が広がってて針葉樹には長渕のストラップが)
男「お~い!スクラムガールー」ボソッ
女「スクラムガール言うなーー!!!/////////////」バタン!
男「あははははww」
女「そ、粗茶ですが……」コトッ
男「ありがとうw」
女「……///」
男「おいしい」
女「……な、なんで?///」
男「え?このお茶美味しいから…」
女「そ、そうじゃなくて!なんで…今日家に…///」
男「あぁ。用事で近くまで来たからさ。スクラムガールは大丈夫かな~って」
女「は、恥ずかしいから言わないでーーー!!////」
男「意外だったな~ww女さんってああいうキャラだったんだw」
女「このドS!!////」
男「あははははw」
女「変な奴だって思ってるんでしょ!?もうほっといてくれーー!!////」
女「死んでやるーーー!!/////」
男「死ぬな死ぬなww」
ご、ごめんなさい。寝てました。
続き考えます!
男「でもほんと意外だった」
女「え…?」
男「俺女さんってもっと可憐な少女だと思ってたよ」
女「うぐっ」グサッ
男「でも」
女「?」
男「俺は今みたいな女さんの方が好きだなぁ」
女「!!///////////////」
男「あっ!いや、今のはあれだぞ!?そういう深い意味じゃなくってその~あー///」
女「わ、わかってるわかってる」
女(うぅ……そんな必死に否定しなくてもいいじゃないかぁ~……)
男「いや~!お茶うまいなー!」
女「それコーヒーだよ」
男「……」
男「俺今日から女さんじゃなくて女って呼ぶわ」
女「い、いきなりですな///」
男「だから女も俺の事男君じゃなくて男って呼んでよ」
女「え///」
女(そ、そんな!!呼び捨てだなんて…!そ、それじゃぁまるで!!)
女(仲むつまじいお相撲夫婦のようではないですかーー!!/////)
女「どすこい…///」
男「どすこい?」
女「うわ!あたし何言ってんだ///」
男「はっけよーい?」
女「のこったー!って違うわ///」
男「ぷっww」
女「ぷっwあはははww」
男「あはははww」
女(嬉しいな……男君とこんな自然に話せるなんて……)
○月×日
今日はアルマゲドンだった。
何故か男君…否、男とスクラムを組んでしまった。
私はきっとあれなのだ。世界のタイミング、ワーストランキング1位なのだ。
女帝なのだ。崇めよ……。
っていうか男がお見舞いに来てくれたからこんな事になったんだ!!
優しい!!優しすぎるよ!!その優しさが怖いよ!!
そしてその優しさにタックルをかます女帝な私。
崇めよ……。
でもそれが功を制してなんだか男との距離が縮まった。
だって、男が「俺の事男君じゃなくて男って呼べ」なんて言うぐらいだもん…
いやーーーーーーーーーん!!!!!そんなん言っちゃっていいんすかーー!!?
しかも私の事は「女!!」って呼び捨て!!!
女ー女ーんなーんなーなーなーなー(エコー)
これからそう呼ばれる度に私の脳内では上記のようにエコー処理が施されるだろう。
っていうか今日男が物凄い事を言ってくれた…
「今みたいな女の方が好き…」
だってさーー!!!どうよコレーーーー!!!いやーーーーー!!キャーーーーーーー!!!
いや!!!「女が好き」って言ってたかな!?そう言ってたわ!!ファイヤーーーーーーーーーーーーー!!!
でもその後必死でフォローしてたなぁ……私に勘違いさせまいと必死だった……本当はわかってるの…
わかってますよー。別にいいもんね!!今日のセリフだけで後10年は生きていけるもんね!!
男「おはよー女ー」
女「お、おはよう男!///」
男「お、今日はスクラム組んでこないなw」
男「良かった~w俺細いから背骨折られそうで心配だったわw」
女「んもー!!それ言わないでよー!///」
男「あはははww」
女「こんちくしょー!///」ブンブンブン
男「お!今度はボクシングか!?ww」ヒョイッ
女「興毅ー!!ちゃんと見んかーい!」シュッシュッ
男「あはははww」
例の別クラスの女「………」
放課後/自宅
女「いでよ!!パンデモニーーーウム!!」
パンデモニウム「キャンキャンッ!」ピョンピョン
女「おーーーーよしよしよしよしよしよし!」
お母さん「女…パンデモニウムって名前おかしいんじゃない?」
女「えー。パンデモニウムはパンデモニウムじゃんか~。なぁ?」
パンデモニウム「キャンキャンッ!」フリフリフリ
女「ほらも~!こんな尻尾振っちゃって可愛いーーー!!」ギュッ
パンデモニウム「キャンキャンッ!」フリフリフリ
お母さん「はぁ……ちゃんと世話しなさいよ」
女「ほーい」
妹「ただいまー」ガチャ
女「ゆけ!パンデモニウム!!」
パンデモニウム「キャンキャンッ!」
妹「きゃー!ただいまパンデモニウムー!」ギュッ
お母さん「ふふw」
女「あっ。さてはお母さんもまんざらじゃないな!?」
お母さん「さぁどうかしらw」
○月×日
最近は男ともすごく自然に話せるようになったし、
とても楽しい。
もうすぐ文化祭だ。私達のクラスはスパルタ喫茶をやる事になった。
「300」と言う映画を見た男からの提案だった。
正直どないやねんと言った感じだったけど
私もその「300」を見てから気が変わった。
ところで、
あの大雨の日。男がパンデモニウムを家に送ってくれてから
私はなし崩し的にパンデモニウムの市民権を勝ち取った。
さすがのお母さんも私と妹とお父さんの波状攻撃には耐えかねたようだった。
パンデモニウムが市民権を勝ち取れたのも男のおかげだ。
本当に男には感謝感謝である。
それにしてもスパルタ喫茶かぁ~。
デカイ盾と槍を持った男はさぞかっこいいんだろうなぁ……
文化祭当日が待ち遠しい。
うっひょひょーーーい!
○月×日
今日から文化祭の準備が始まった
私と男が司令塔になりつつ
着々とスパルタン喫茶が作り上げられていく。
なんだか最近クラスの女の子達とも打ち解けてきた。
きっとこれは男が私の殻を破ってくれたからだ。
きっかけは事故だったけど、まぁ結果オーライだ。
男とも色々話せる機会はあるけど
ほぼ事務的な話しばかりだ。
まぁ実行委員なので仕方ない。
でも話せるだけで嬉しい。
スパルタの女は誇り高いのよ!!オーーホッホッホ!!
明日もスパルタン喫茶作り頑張るぞー!!
クラスメートの男「女さん」
女「はいはい」
クラスメートの男「ちょっと足りない物があるんだけどどうしよう?」
女「あぁ、それなら今度のお休みの日に買出ししようかな」
クラスメートの男「あっ。それなら俺も付き合うよ。足りないのって盾の素材だし。重いでしょ?」
女「あ、でもそれなら男が…あ~でも休みの日に教室で指示だす人が必要か」
クラスメートの男「だね」
女「それじゃあ悪いけど付き合ってもらっていいかな?」
クラスメートの男「オッケーオッケー」
女「ありがと」
男「……」
例の別クラスの女「…男」
男「あ…久しぶりだな」
例の別クラスの女「この前は……ごめん」
男「あぁ、いいよ別に」
例の別クラスの女「……あのさ。今度のお休みの日」
例の別クラスの女「お詫びに何かおごらせてくれない?」
男「いいよ。そんな事しなくって」
例の別クラスの女「ううん!私の気がすまないの!」
男「で、でも俺休みの日は教室にいないといけないし…」
例の別クラスの女「それが終わってからでいいからさ!ね?」
男「う~ん…」
例の別クラスの女「お願いっ!」
男「わかった」
例の別クラスの女「ありがとう!それじゃあまたねっ!」
女「あ……」
○月×日
今日、例の別クラスの女の子と男が話してた。
何を話してたのかはわからないけど、
なんだかジェラスィーだ。
でも良いの!!私はスパルタの女!誇り高いのよ!!
……はぁ。
そういえば今度のお休みの日、
私はクラスメートの男子と買出しに行く事になった。
あんまり話したこと無い人だけど、
まぁなんとかなるよね。
それにしても男君とあの子、
一体何話してたんだろう…。
休日/学校へ向かう道
女「くっはーー!!遅くなってしまったーー!!」
クラスメートの男「もうみんな教室いないだろうなぁ~」
女「なんかつき合わせちゃってごめんね。こういうのって実行委員がやらないとダメなんだけど」
クラスメートの男「あぁ、いいよいいよ」
女「それにこんなに遅くなっちゃったし…」
クラスメートの男「いいってばwだって何処探してもないんだもん。しょうがないよ」
女「君いい奴だなぁ~!あっはっはっはw」バシバシ
クラスメートの男「い、痛い痛いw」
例の別クラスの女「それでさ~w」
男「へぇ~wそうなんだw」
女「え…あれって…」
男「あ……女…」
女(なんで!?なんで二人っきりで楽しく下校してるの!?)
女「お、お~い!男~!」
男「…」プイッ
女(え…)
女(なんで……?無視された……)
○月×日
今日男とあの子が一緒に帰っている所を目撃してしまった。
そして何故か
無視された!!
なんで!?ワケワカンナイ!!!
どうしてあの子と一緒にいるの!?
しかもすっごく楽しそうにしてさ!!ふんだ!!
男のバカヤロー!!こっちはハァハァ言いながら文化祭に必要な物そろえてたのに
そっちは楽しくランデブーかよー!!
キィーーー!!
無視する事ないじゃんか!!
あの子と楽しくキャッキャウフフするがいいさ!!
うそ!!
今の嘘!!そんなの絶対嫌!!!
えーーーん!!もう嫌になっちゃうよーーー!!こんちくしょーー!!
無視する事ないじゃんかよーーー!!!
すいません。ちょっとタバコ買ってきます。読んでくれてる人、ありがとう。
何故かパソコンで規制されて書き込めません。悔しいです。
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女「○月×日。今日の男」
女「○月×日。今日の男君」…第2部
女「○月×日。今日の男君」…第3部
女「○月×日。今日の男君」…第4部
女「○月×日。今日の男君」…第5部
女「○月×日。今日の男君」…last
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