ラヴィプ- LOVE VIP-

俺｢…何だ無事か｣
車の主｢あの-何かあったんですか?｣
俺｢いえいえ別に｣
車の主は去った
俺はカマキリを安全な、場所へ運ぶ

隣には昨日のカマキリがひょっこり顔を出していた
なんで昨日のカマキリとわかるのかと言うと羽に傷があったからだ
そいつのカマを見ると別のカマキリのカマを持っていた
俺｢お前がやったのかい?｣
不思議とカマキリは頷いた
俺はビックリ

俺｢まさかねぇ｣
カマキリは去って行く
去っていく途中カマキリが持っていたカマが墓に落ちた
俺｢…ハハハまさかねぇ｣
とりあえず手を合わせその場を去る
次の日
カマキリがお出迎えしたように俺の前を通る
俺｢おはよーさん｣
カマキリは俺の前に立ちどかない
俺｢どいてよカマちゃん｣
次の瞬間だった…

車と車がぶつかった
凄い音がして俺の心臓はもうバクバク
カマキリはその場を去る
俺｢…これが虫の知らせというものなのか｣
車の主｢ちょいアンタ!｣
俺｢はい?｣
車の主｢はい?じゃない!｣
よく見たら相手の方がどえらい事に
車の主｢救急車呼べ!｣
俺｢あい｣
とりあえず警察も来て事態はおさまる
俺｢ふぇ～危なかったなぁ
カマちゃんに感謝しないとな｣
次の日

俺｢やれやれ昨日の事故のせいでいつもの道とおれねーや｣
カマキリがまたもや俺の目の前に
俺｢んぁ?お、カマちゃんでねーか
昨日はありがとな…ってん？」
カマキリの羽には傷がない
俺｢治ったのかな?｣
カマキリは去って行くと思いきやこっちを振り向く
俺｢ついて来いってか｣
ついて行く
ついて行かない方が良かったかもしれない
何故なら

変わり果てたカマキリがいた
羽に傷は…なかった
どうやら今俺の横にいる奴は傷があったカマキリだろう
俺に知らせて埋葬して欲しかったみたいだ
俺｢お前…やったのか｣
カマキリは頷かない
俺｢そうか やってないよな
悪かった｣
カマキリは頷いた
俺はもう驚かない
埋葬をしてカマキリと別れた

次の日
カマキリと出会った
その隣にもカマキリがいた
俺｢ま、まさかお前…俺を差し置いて彼女を…｣
更に隣のカマキリは腹が膨らんでいた
俺｢あんな事やこんな事もしたのか…｣
気を落とすなと言いたそうなカマキリ
俺｢まぁいいんだけどなお前が幸せなら｣
俺｢俺に彼女がいなくともお前にいればそれだけで幸せだ｣
しばらく見つめ合い
カマキリ夫婦は去る
んで情けない表情で次の日

俺｢んぁ?｣
カマキリ雌が俺の前に
俺｢旦那はどうしたんだい?｣
カマキリ雌は去る
途中で振り返る
これを見た瞬間俺は嫌な予感がした
カマキリについていく
やはり亡くなったカマキリだった
俺｢埋葬だな
やるよ…」
近付き葉っぱなどで運ぼうとした
その時だった…
羽にうっすらとあの傷があった…

俺｢…お、お前…」
そういつも出会っていたカマキリだった
俺｢まじかよ…やっとお父さんになれたんだぞ…家族を…俺を置いて行くのかよ…｣
雨が降る
そしてカマキリ雌が泣いてる
俺｢俺にも涙か…｣
俺｢雨も泣いてくれてる
お前の奥さんも
なんでかな
なんでこんなに悲しいんだよ｣
カマキリは雨に打たれ体が崩れいった
そして土の上に落ちる
俺｢心配するな
俺がお前の奥さんを守る
だなら安心して行け…｣

数日後
カマキリの墓に一本の花が咲いていた
周りにはない花だった
俺｢なんか不思議な体験だったなぁ
そして今もさ｣
カマキリ雌は頷く
俺｢さあて出勤しないとな
また来るからよ！｣
俺｢さあ!張り切って行くぜ!｣

～完～