ラヴィプ- LOVE VIP-

女「あっ、そうだ。昔のアルバムとかないの？どんな感じだったのか見てみたい！」
男「え？いや、ないけど」
女「嘘だー、絶対あるよ。普通１つや２つ家においてるでしょ？」
男「本当ないって。一回もリリースしたことないから」
女「それCDのアルバムでしょ！？写真だよ。写真のこと」
男「ジャケット撮影もしたことないから……」
女「CDはもういいから。卒業アルバムとかだよ」

男「あぁ、俺が童貞卒業した時の写真が」
女「なんで！？なんで記念に残してんの！？気持ち悪いんだけど」
男「へへっ……」
女「その笑いかたマジきもいからやめて」
男「それより……何で玄関に座ってんの？あがれよ」
女「あんたが座らせたんでしょ！」
男「あっ、中学の修学旅行の写真が……ない」
女「じゃあ言うな！」
男「小学生の時のならあるよ」

女「見せて見せて！どれどれ……五人で並んでる写真の一番右が男でしょ？可愛い♪……ん？一番左の子の肩にある手ってもしかして……」
男「それ俺の右手」
女「長くない！？間に三人いるんだよ！？」
男「その日はたまたま長かったんだよ。はい、コーヒーできたよ」
女「ありがとう。腕って長い日とかないよね」
男「ていうかさっきから郷ひろみの顔マネやめろよ」

女「やってねぇよ。私がジャパーンって言うと思う？」
男「ならいいんだけど。そうだ、手品見せてやろうか？」
女「本当に？見たい」
男「じゃあ、１万円貸して」
女「うん、どうぞ。それをどうするの？」
男「まずは小さく折りたたんで……右手で強く握るだろ。すると、ほら……消えてなくなる」
女「おぉ！どこにいったの！？」
男「俺にもわからない」
女「それ手品じゃなくて超能力だよね！？ていうかこの手品って千円でもよくない？」
男「さぁ、外食しようか。今日はおごるよ」
女「私のお金だろ」

～完～

第二部逝きます

女「ついに来ちゃったね……遊園地！」
男「ついに出ちゃった……うんち！」
女「臭いの原因あんたなの！？トイレ行きたいなら言ってよ」
男「男がそんな恥ずかしいこと言えるわけないだろ！」
女「結果的にもの凄く恥ずかしいことになってるよ！？……トイレ行ってきてよ……」

10分後……

女「OK？」
男「あぁ、ギザスッキリしたよ」
女「ギザっていうのやめてくれる？」
男「でかい遊園地だな」
女「日本一の遊園地だからね。今日は連れて来てくれてありがとう」
男「礼なら俺に言えって」
女「言ったよ！聞いてた！？」
男「まぁ、そんなことはいいから……さぁて、まずは何コースターから乗る？」
女「コースター限定！？ジェットコースターしかないじゃん！」
男「お前がそこまで言うならジェットコースターから乗るか」

女「何なのこのトラップ！私のワガママで決定したみたいになってるし……」
男「パプロ……ジェットコースターすげぇ並んでるなぁ」
女「今なんか言いかけたでしょ！？パプロって何？パプロの続きが気になるんだけど……おばけ屋敷にしない？最近のはすごいらしいよ」
男「じゃあそうしようか……」
そしておばけ屋敷へ……

女「怖い雰囲気出すために暗くしてあるね」
男「暗くて何も見えないよ……目つぶってると」
女「当たり前だろ……キャー！幽霊出た！」
男「うわぁ！……え……松崎？」
女「友達！？気まずい偶然」
松崎しげる「あれ？久しぶりー」
女「なに普通に会話してんのよ。仕事しろ」
男「もうすぐ出口だな」
彼女「松崎しげる無視！？松崎しげるとの会話が盛り上がる流れだったけど……まぁ、いいか……ふぅ、終わったね。怖かったぁ。もう汗でびしょびしょ」
男「俺も……パンツびしょびしょ」

女「また漏らしたの！？」
男「松崎め……」
女「松崎しげるのせいにしてるし。ちょっとそこのベンチで休もうよ……よいしょ」
男「あのさ、渡したいものがあるんだ」
女「え、なに？」
男「記念日にプレゼントしようと思って、仕事頑張ってついに手に入れた」
女「嘘……全然知らなかった」
男「給料三ヶ月分の……69万円」
女「お金！？数字がリアルすぎて受け取れないよ！」

～完～

第三部逝きます

男「今日は俺の家で晩御飯作ってくれるんだよな。それで今、一緒にスーパーに来てるわけだけど……」
女「誰に状況説明してんの！？すごい白々しいよ」
男「野菜から見に行こうか」
女「うん。どれもおいしそうだね」
男「あぁ、白いピーマン、赤いきゅうり、緑のニンジン」
女「色合いおかしくない！？腐ってもそんな色にならないと思うよ？」
男「ちゃんと普通の選んでるよ。次は肉だな」

女「この豚ミンチにしよっか？」
男「どれでも一緒だよ。牛肉とか言って豚肉入れたりしてんだろー！？」
女「なんで大声！？恥ずかしいからやめてよ！そ、そうだ、魚も見に行こ？」
男「酒飲むだろ？じゃあつまみにイカとかよくない？」
女「うん、いいね！」
男「つまみにイカとかよくない」
彼女「どっち！？発音で意味変わってくるからね？」

男「イカとか言ってタコ入れたりしてんだろー！？」
女「そんな偽装聞いたことないよ！さっきから誰に言ってんの！？……最近そういう事件多いけどね」
男「段ボールに肉まん入れたりとかな」
女「逆だよ……そんなことしたら段ボールがおいしくなっちゃう。あとは何買うんだっけ？卵は家にあるし」
男「お菓子見に行くか」
女「何買うの？」
男「何を今さら……うまい棒に決まってんだろ」
女「誰が決めたのよ」
男「ジャパネット高田」
女「わけわかんないこと言うな！」
男「さぁ、レジ行くか」

松崎「いらっしゃいま……あれ？」
女「あっ、友達でしょ？」
松崎「また会ったねぇ！」
男「全部で6048円？8円持ってる？」
女「うん、あるよ……っていうか露骨な無視だね」
男「ジョコツ？」
女「ロ、コ、ツ！」
松崎「ありがとうござ――」
男「ところで今日は何作ってくれんの？」
女「買ったものでだいたいわかるでしょ？」
男「まぁな……楽しみにしてるぜ、ホットケーキ」
女「ハンバーグだよ！ホットケーキミックス買ってないでしょ！？」

～完～

どうする？
続ける？
そろそろgdgdになってくるんだが

じゃあ続き行きますかね

女「めずらしいね、車でむかえに来てくれるなんて」
男「いつもかかとの高い靴履いてるから、もしかしたら歩きにくいんじゃないかなぁ、と思って久しぶりに車出した」
女「すごい……そんなこと気づいてくれたんだ」
男「当たり前だろ。何のために目が三つあるんだよ」
女「飛影！？」
男「いや、テンシンハン」
女「どっちでもいい！」
男「気に入って買った靴は気分よく履いてほしいしな」
女「優しいね。でも、車でデートしたら飲みにはいけないね」
男「そうだな……飲酒運転は二十歳になってからだもんな」
女「運転は駄目だよ！」
男「免許取ると教習所で勉強したことって結構忘れるんだよなぁ。標識なんて『動物が飛び出すおそれあり』しか思い出せないよ」
女「めったに見ない標識だけ覚えちゃったね。私まだ見たことないし」
男「悪いけどちょっとガソリンスタンド入るよ」
女「いいよ」

松崎「いらっしゃいませ！」
女「……(出たな松崎しげる……)」
男「ゴマ油満タンで」
女「走らなくなるよ！」
松崎「大変申し訳ございませんが、只今ゴマ油の方は売り切れで……」
女「本来はあるの！？」
男「ならレギュラーでいいよ」
松崎「レギュラー満タン入りましたー」

ぶぅぅぅん……
男「どこ行く？」
女「お金は！？払ってないよね！？」
男「値上がりしたからな」
女「だからなに！？理由になってないよ？」
男「もう９時か……ちょっと見せたいものがあるからそろそろ目的地に向かうよ」
女「どこ？」
男「すぐ着くよ。話かわるけど……突き合うならやっぱり金持ちのほうがいい？」
女「そりゃ貧乏よりはね……でもあんまり気にしないかな」
男「金持ちの基準とかある？」
女「基準？やっぱり車とかじゃない？」
男「よかったー、実家に三台ある……」
女「そんなに！？車種は？」
男「え、ビークスパイダー、レイスティンガー、ハリケーンソニック……」
女「ミニ四駆！？」
男「詳しいな」
女「ほっとけ」

男「着いたよ。綺麗だろ？」
女「うわぁ……綺麗な夜景。これを見せたかったんだね。まるで宝石箱だよ」
男「その宝石箱から……一つ指輪を取ってきたんだ、ほら」
女「えっ……これ……ダイヤ……じゃない？」



男「結婚しないか？」

女「うわぁ……嬉しい。ありがとう」
男「ごめんな、プロポーズの言葉普通で。いろいろ考えたんだけどどれもしっくりこなくて」
女「どんなの考えてたの？」
男「毎朝味噌汁で作ってくれとか」
女「味噌汁で何を！？」
男「あっ、返事は？……」
女「ちょっと考えさせて。こんな大事なこと簡単には決めたくないし」
男「そうだな。そろそろ帰ろうか。送るよ」
女「うん」

人いない
次ラスト

男「たまには家で過ごすのもいいだろ」
女「うん。ここ来るの久しぶり。あれ？前には本棚なんかなかったよね」
男「最近本が増えてさ。本棚買ったんだよ、ホームヘルパーで」
女「たぶんホームセンターのことだよね。ホームヘルパーは介護する人だよ」
男「関東ではそう言うのか？」
女「関東だけじゃないよ！日本中どこでも――あれ？これ中学生の教科書じゃない」
男「久しぶりに勉強してるんだよ。けっこう忘れてるからさ」

女「そうなんだぁ。私はまだまだ覚えてるよ。国語とか得意だったし」
男「ホントかよ？四字熟女とかも覚えてるか？」
女「熟女！？四字熟語ね。四文字の熟女覚えてどうすんの……漢字の問題出してあげる。『滞る』これ読める？」
男「くわだてる」
女「『拘る』これは？」
男「くわだてる」
女「『孕む』これは？」
男「くわだてる！」
女「くわだてるへのこだわり捨てろ！くわだてる一生出さないよ！？三問目に関しては送り仮名見て……どの科目が得意だったの？」

男「社会だな。特に経済のことなら俺にまかせろって、いつも部屋の壁にむかって呟いてたよ」
女「それは鬱だね。じゃあ問題ね！物価が上がって貨幣価値が下がることを？」
男「インフレ！」
女「じゃあその逆は？」
男「セフレ！」
女「セフレ！？」
男「インフレーションとセフレーションだろ」
女「なんか卑猥！デフレね、デフレ。数学とかはどうなの？」
男「まぁまぁかな。因数はよく分解してたな」
女「因数分解をそういう言い方する人いるんだね。私は理科が苦手だったな……でも落体の法則っていうのは好きだった、知ってる？簡単に言っちゃうと、重さの違う物でも落ちる速さは同じってやつ」
男「知ってるよ。コップと小皿で実験したよ。同じ高さから同時に落としてみた」
女「どうなった？」
男「同時に砕けた」
女「だろうね。物選ぼうよ……そうだ、社会得意なら地理とかどう？」
男「どうだろ？問題出してみろよ」

女「東南アジアで、約一万の島――」
男「インドネシア共和国」
女「……正解。16世紀からスペイン――」
男「フィリピン共和国」
女「極端！！地理だけ詳しすぎるよ！問題途中だし……」
男「ベトナム社会主義共和国！」
女「問題出してないよ！？予知！？」
男「英語も得意だったかな」
女「じゃあ英語で自己紹介してよ。名前と出身地と年齢だけでいいから」
男「いやいやいや、それはテレパシーの侵害だろ」
女「プライバシーね！？テレパシーは自由に送ってもらってけっこうだけど。英単語くらいは知ってたほうがいいよね。恥かくよテレパシーとか言ってると」
男「問題出してみろよ」
女「じゃあ、蜘蛛を英語で？」
男「スパイダー……マン」

女「なんでマンつけるの？本当、変わってる……でも一緒にいると楽しいなぁ」
男「そういえばこの前の……」
女「わかってるよ。この前はテンション上がって指輪もらっちゃったけど……結婚はOKできないなぁ」
男「俺のこと嫌いになった？」
女「ううん。今はまだ結婚なんて考えられないの。まだ彼氏と彼女の関係がいい。だから指輪はとりあえず返しとくよ」
男「やるよ。それただのちくわだし」
女「ちくわなの！？ダイヤだと思ってた……」
男「光の関係でそう見えるんだよ」
女「光の関係で？」
男「そう、光の関係で。理科が苦手なんだろ？だからわからないだけだよ。そういうことだからお前が持っとけよ」
彼女「……ありがとう」

～完～