出遅れた、乙ー
にゃんこ好きにはたまらない
>>385 なん……だと……素敵な絵をありがとうございます!
よし、変な時間からだけど再開再開、保守してくれた人ありがとうございます
∧ ∧
( *‘ω‘)
(___o(;;゚;;)
∧ ∧
((( * )‘ω‘( )))
( o(;;゚;;)o
v v
(*‘ω‘ *)
彼女は朝早くから家を出て歩いていた。
行き先は全く決めていないしこの先に何があるのかも知らない。
(*‘ω‘ *)(寒いけど仕方無いっぽ)
自分から出る白い息を見つめながら、また大きく溜め息を吐いた。
何でこんな事をしてるんだろう、と。
考えてみれば、こんな事をして一体何になると言うのか、無駄なだけじゃないか。
しかしちんぽっぽは、そうせずには居られなかったのである。
(*‘ω‘ *)(恩返しなんて言っておきながら)
(*‘ω‘ *)(まだ何にも、満足に出来て無いんだっぽ……)
既に今日で五日目、時間は無いと分かっていながらも、ちんぽっぽはこんな行動に出た訳であって。
(*ぅω‘ *)
(*ぅω‘ *)(そもそも、私は……恩返しだけの目的じゃなかったんだっぽ、きっと)
(*ぅω‘ *)(……私は)
普通なら、例えどんな恩でもそれを十年以上も忘れずに、死ぬまでの一週間だけでもこんな目茶苦茶な形で恩返ししようなんて思わない。
もっともっと、そこには違う感情があるからなんだ、とちんぽっぽはやっと気付いたのだ。
(*ぅω‘。*)「う、ぅ……」
(*ぅω‘。*)(こんなの、今更過ぎるっぽ……)
彼女は泣きながら道を歩く。
その先に一人の老人がいる事に気付かず、泣き続ける。
そしてどん、とぶつかった。
( ФωФ)「お、おぉ、これは失礼した」
老人は目が悪いのか、衝突してから目の前に人がいた事を知って、慌てて謝った。
しかし、返事は来ない。
(*ぅω;*)「う、うぁ、ああぁ……」
(;ФωФ)「ん?」
(*ぅω;*)「好きなんだっぽ……っく……ワカッテマス、が……」
(;ФωФ)「え!? だ、大丈夫か?」
返事が来る代わりに、泣く声が聞こえて、老人はあたふた。
彼女はと言うと収まらない涙がどうしてこうも暖かいのか、と。
(*ぅω;*)「ご、ごめ……ん、なさい……っぽ……」
(;ФωФ)「い、いや謝る事じゃ無いさ……とりあえず泣きやめ泣きやめ」
(*ぅω;*)
(*ぅω⊂*)ゴシゴシ
(*‘ω‘ *)「……あれ?」
ちんぽっぽは視界がはっきりして、改めて老人を見た。
それは自分のよく知る杉浦で、あの日から急に離れて行って、自分でもどうしてるのか心配した老人だった。
( ФωФ)「泣きやんだなら結構結構、家へ来なさい、大した物は出せないが」
(*‘ω‘ *)「は、いっぽ……」
途端、ちんぽっぽは不安になった。
杉浦が、自分の事をどう思っているのかと、それを考えると、彼女はとても不安になった。
(*‘ω‘ *)「お、お邪魔しますっぽ」
( ФωФ)「ほら、上がりなさい」
(*‘ω‘ *)(…………)
( ФωФ)「それにしても、君はこの辺りじゃ見掛けない顔だ、名前は?」
(*‘ω‘ *)「……ちんぽっぽ、ですっぽ」
早速緑茶の準備を始めていた杉浦が、一瞬ぴくりと反応した。
彼女にはそれに対する良い嘘も何も思い付かなかったので、正直に名前を言ったのだ。
そりゃあ、何かしらの反応はあるだろうと覚悟していた……けれど。
( ФωФ)「……そうか、それで、一体何故こんな朝早くから、しかも泣きながら歩いていたんだ?」
杉浦はほんの少し反応を示しただけで、猫のちんぽっぽについては何も言わなかった。
(*‘ω‘ *)「それは、話せば色々と長くなりますっぽ……」
( ФωФ)「ほう、話してみなさい」
(*‘ω‘ *)「私は……その、恩返しをしたいんですっぽ」
( ФωФ)「恩返しとは、また何で」
(*‘ω‘ *)「詳しくは、話せないんですっぽ、でも、命を救われたんですっぽ、その人には」
( ФωФ)「なるほど……」
(*‘ω‘ *)「それで、今、恩返ししようって毎日頑張ってるんですっぽ……なのに」
(*‘ω‘ *)「上手く、いかないんですっぽ、いつもいつも」
( ФωФ)「ふむ……」
(*‘ω‘ *)「それに、気付いたんですっぽ」
( ФωФ)「気付いた?」
(*‘ω‘ *)「私はただ恩返しがしたいってだけじゃ無かったんですっぽ」
(*‘ω‘ *)「……きっと、その人の事が好きだから、役に立ちたかったんですっぽ…………」
( ФωФ)「難しいな」
(*‘ω‘ *)「難しいですっぽ」
(*‘ω‘ *)「それに、それに、私はその為にとても大切な人を捨ててしまったんですっぽ……」
( ФωФ)「それは、仕方の無い事だったのか?」
彼女は少し考えて、こくりと頷いた。
( ФωФ)「なら、君が全部悪いなんて思わなくて良いさ」
( ФωФ)「むしろその大切な人からすれば、その恩返しが出来ないまま戻って来られる方が辛いだろう」
(*‘ω‘ *)「そう、ですかっぽ」
( ФωФ)「あくまで私からすればだがな」
( ФωФ)っ旦「まあ、まずはお茶でも飲みなさい」
(*‘ω‘ *)っ旦~「あ、ありがとうございますっぽ」
ちんぽっぽは杉浦から緑茶を受け取ると、ちまちまそれを飲み始めた。
猫舌なのであまり一気には飲めない訳だ。
( ФωФ)「何にせよ、私は君がちゃんと恩返し出来る事を祈ってるよ」
(*‘ω‘ *)「ど、どうもっぽ……」
从'ー'从
从 ゚∀从
从'ー'从「ハインちゃんどうしたの~?」
从#゚∀从「ちょっと渡辺お前何した」
从'ー'从「何もしてないよ~?」
从#゚∀从「嘘吐け! だったらこいつはなんだこいつは!」
从'ー'从「あ、ちんぽっぽちゃんだ~、上手くやってると良いな~」
从#゚∀从「わ、た、な、べ!」
从;'ー'从「な、何かなハインちゃん……」
从#゚∀从「神様だからってこんな事していいと!?」
从;'ー'从「じゃ、若干思ってます……」
从#゚∀从「ンだとコラァっ!!」
从;'ー'从「そ、そんなに怖い風に言わないでよぉ~……」
从 ゚∀从「よし、決めた」
从'ー'从「へっ?」
从 ゚∀从「オレちょっくらちんぽっぽをどうにかしてくる」
从;'ー'从「えっ? ちょっと待って! ハインちゃーん!」
( <●><●>)
朝起きた時、既に彼女は何処にもいなかった。
長い長い夢でも見ていたのだろうか、と自分で自分を疑ってしまう。
ただ、これによって予想していなかった事が一つ。
( <●><●>)(何故、こんなにも寂しいのでしょうか)
ワカッテマスが彼女と過ごしたのは、たったの四日間で。
しかもワカッテマスからしたら彼女は正体不明の存在。
だが、それにも拘らずワカッテマスはそんな彼女が居なくなって寂しい、と思っていた。
( <●><●>)(今日は、火曜日……ですか)
( <●><●>)(風邪も治りましたし、学校行かなきゃマズいですね)
( <●><●>)「……行って来ます」
返事は無かった。
昨日ならあった返事は、無かった。
( ФωФ)「……それにしても、君を見ていると猫を思い出すよ」
(*‘ω‘ *)「……猫ですかっぽ」
( ФωФ)「ああ、変な鳴き声の猫だ」
(*‘ω‘ *)「……」
( ФωФ)「最近、急にいなくなってしまってな……愛想を尽かされたのかもしれん」
(;*‘ω‘ *)「そ、そんな事はありませんっぽ!」
( ФωФ)「え?」
(;*‘ω‘ *)「う……そ、そんな事無いですっぽ、絶対、きっと十年以上も一緒なんですから…………」
( ФωФ)「いや別に変に疑っている訳じゃ……それと君は何で十年以上も私と猫が一緒だと知って……」
(;*‘ω‘ *)「わ、忘れて下さいっぽ……」
(;ФωФ)「……」
(;*‘ω‘ *)「で、でもきっと、愛想を尽かしたとか、そういうのじゃ無いはずですっぽ」
( ФωФ)「……ああ、ありがとう」
(*‘ω‘ *)(でも、杉浦さんに会えて良かったっぽ)
(*‘ω‘ *)(ちょっとだけ、安心したっぽ)
( ФωФ)「……そういえば、私の親戚にも、君くらいの歳の子がいたな」
(*‘ω‘ *)「……親戚?」
ちんぽっぽは、親戚という言葉に反応した。
ついこの前、ワカッテマスから聞いたクーの話の中に、それはあった。
(*‘ω‘ *)(確かクーさんの親戚のお爺さんが体調を崩しているとかどうとかで……)
(;*‘ω‘ *)(……まさか)
( ФωФ)「どうかしたか?」
(;*‘ω‘ *)「そ、その親戚ってもしやクーさんでは……」
( ФωФ)「なんだ、君もクーを知っているのか」
(;*‘ω‘ *)(やっぱりかっぽ!)
(*‘ω‘ *)「い、一応知ってますっぽ」
( ФωФ)「そうかそうか……クーは変わってるだろう」
(;*‘ω‘ *)「いやそんな事は……」
( ФωФ)「いやいや、気は遣わなくて良いんだよ、それがクーでもあるからな」
(;*‘ω‘ *)「は、はいっぽ」
( ФωФ)「でも、それだからかあまり仲の良い人がいないらしくてな」
(*‘ω‘ *)「……」
( ФωФ)「よく、私の所へと来ていたものだ」
( ФωФ)「だからまあ、時々で良いんだ、会ったら何かしら話してやってはくれないか」
(*‘ω‘ *)「は、はいですっぽ! クーさんにはお世話になってますっぽ」
( ФωФ)「ほう、そうなのか」
そこでようやくちんぽっぽは緑茶を飲み切って、立ち上がった。
(;*‘ω‘ *)「あ、朝っぱらからお邪魔しましたっぽ、そろそろ行きますっぽ」
( ФωФ)「おお、そうかいそうかい、ならこれでも持って行きなさい」
(*‘ω‘ *)「……蜜柑?」
( ФωФ)「多少腹の足しになると思ってな」
(*‘ω‘ *)「な、何から何まで……ありがとうございますっぽ」
( ФωФ)「気にするな気にするな、じゃあまたな」
(*‘ω‘ *)「はい、また…………あ」
( ФωФ)「?」
(*‘ω‘ *)「今まで、ありがとうございましたっぽ!」
ちんぽっぽはそう言うと、杉浦家から走って出て行った。
( ФωФ)「……ふむ、やはりそうなのか」
(*‘ω‘ *)(これからどうしようっぽ…………とりあえず公園で蜜柑頂くっぽ)
|゚∀从))
(*‘ω‘ *)「ぽっ?」
|彡 サッ
(;*‘ω‘ *)「……?」
|゚∀从 ソー
(;*‘ω‘ *)(ば、バレバレっぽ……)
(*‘ω‘ *)(声を掛けてみるべきかっぽ……)
道端で、電柱からちょくちょくこちらの様子を伺ってくる少女。
声を掛けようか掛けまいか、悩みどころである。
(*‘ω‘ *)「あ、あのー……」
結局、放っておくのもアレなので、声を掛けてみる。
すると。
| ミ 从 ゚∀从「よお」
(*‘ω‘ *)「ど、どうもですっぽ」
从 ゚∀从「オレはハインリッヒ高岡だ、よろしくな」
(;*‘ω‘ *)「は、はあ」
そんな急に自己紹介されましても。
ハインリッヒ高岡と名乗った少女は、銀髪に少々乱暴な言葉遣いが印象的な少女である。
从 ゚∀从「とりあえず、戻れ」
(*‘ω‘ *)「は、はい?」
从 ゚∀从「いやだから戻れって」
(*‘ω‘ *)「戻る……?」
从 ゚∀从「元の姿にだよ」
(;*‘ω‘ *)「なっ……貴女誰ですかっぽ……」
从 ゚∀从「よーくぞ聞いてくれました!」
(;*‘ω‘ *)
从*゚∀从「アンタ何様閻魔様! ハインリッヒ高岡でーっす!」
(*‘ω‘ *)(テンション高いっぽ……)
(;*‘ω‘ *)「って閻魔様!?」
从 ゚∀从ノシ「そーそー、オレ渡辺の相方」
(;*‘ω‘ *)「そ、その相方さんが何かご用で…………」
从 ゚∀从「ん? あ、そうそう、ウチの渡辺が勝手な事したからねー君には悪いけど消えてもらうよ」
(;*‘ω‘ *)(消えてもらうって何処の中二バトルの台詞っぽ……)
(;*‘ω‘ *)「……え? 消える?」
从 ゚∀从b「ィェァ」
从 ゚∀从「まあそんな訳だから……」
と言うとハインは何処からともなくチェーンソーを取り出した。
なかなか様になるのは気のせいか否か。
从 ゚∀从「ごめーんねっ!」
(;*‘ω‘ *)「に゙ゃっ!?」
チェーンソー特有の音と共に、ハインはちんぽっぽに向かって突っ込んで行った。
だ、駄目だ眠い……一旦寝ます……五日目後半は起きたらすぐにでもやります
猫と恩返しのようですまとめ第1話:(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようです
http://lovevippers.blog.2nt.com/blog-entry-288.html第2話:(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようです-綺麗になった部屋-
http://lovevippers.blog.2nt.com/blog-entry-289.html第3話:(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようです -雨は止まない。 -
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http://lovevippers.blog.2nt.com/blog-entry-292.html第6話:(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようです -5日目の終わり-
http://lovevippers.blog.2nt.com/blog-entry-293.html第7話:(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようです -6日目の終わり-
http://lovevippers.blog.2nt.com/blog-entry-294.html第8話:(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようです -エンディング-
http://lovevippers.blog.2nt.com/blog-entry-295.htmlラスト:(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようです -真・エンディング-
http://lovevippers.blog.2nt.com/blog-entry-296.html
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