「そうだ」
「……っぽ?」
「わたしが、わすれてしまわないように」
「にゃぁ」
「おかあさんに、しゃしんをとって、もらいましょう」
「っぽ」
少年はカメラを持って、母親に頼んだ。
母親は頷くと、子猫と、子猫を抱いた少年に向かってぱしゃり。
「いいですか、ちんぽっぽ」
「にゃぁ」
「いつか、あうときがきたら」
「にゃぁ」
「あなたに、このしゃしんをあげましょう」
「……っぽ」
从 ゚∀从「おい、渡辺」
从'ー'从「ん~? 何かな~?」
从 ゚∀从「ちんぽっぽって、あの日死んでた筈なんだろ?」
从'ー'从「そうだね~」
从 ゚∀从「もし、その通りになってたら、どうなってたんだ?」
从'ー'从「人間として、生まれ変わってたよぉ~」
从 ゚∀从「…………なあ、渡辺、お前は」
从'ー'从「えへへ~」
从 -∀从
从 ゚∀从「お前が、そのつもりなら」
从 ゚∀从「オレもそれでいいと思う」
从'ー'从「そっかぁ~、良かった~」
从 ゚∀从「さて、どうなる事やら」
从'ー'从「私は信じてるよぉ~」
( <●><●>)
(U )つ
u u
ワカッテマスに元々、父親はいなかった。
恐らく彼が生まれてからすぐに両親は離婚したのだろう。
母親はそれについて何も言わなかった。
( <●><●>)「…………」
川 ゚ -゚)「ん、またお前か」
( <●><●>)「図書室にいて何が悪いと」
川 ゚ -゚)「ここは図書室じゃあない、私の城だ」
( <●><●>)「勝手に私物化しないで下さい」
そして、母親はというとワカッテマスが小学校に上がる頃、自殺した。
当時借金を抱えていた母親は、自分が死ぬ事で保険がどうこうと考えていたのかもしれない。
結果、ワカッテマスは中学まで親戚に引き取られ、高校生になった今年から、元々住んでいたアパートに戻ったのである。
川 ゚ -゚)「あ、そうだ」
( <●><●>)「?」
川 ゚ー゚)「ちんぽっぽとは、どうなったんだ?」
( <●><●>)「……彼女は」
そして、ちんぽっぽがやってきた。
彼はすっかり昔の事を忘れてしまっていたけれど。
何処かで覚えていたのだろうか、不思議と彼女を拒絶する気にはなれなかったのだ。
( <●><●>)「…………」
川 ゚ー゚)「…………」
川 ゚ -゚)「?」
( <●><●>)「彼女、とは……」
川 ゚ -゚)(え、何この嫌な空気)
( <●><●>)「……お別れ、します」
そして、今、ようやく彼は気付く。
彼女がいなくなる寸前で、自分の気持ちにようやく気付く。
川;゚ -゚)「は!?」
(;<●><●>)「ちょっ……耳に響くんですけど」
川;゚ -゚)「今はそれどころじゃないだろう! どうしてだこの馬鹿!」
(;<●><●>)(心折れそう)
臭い虫ktkr
( <●><●>)「でも……仕方無いじゃないですか」
川 ゚ -゚)「……」
( <●><●>)「私がもっと、自分の気持ちに早く気付いて」
( <●><●>)「彼女の事を思い出す事が出来たとしても」
( <●><●>)「きっと、彼女とは別れなくちゃいけなかったんです」
川 - )「……そうか」
( <●><●>)「そうです」
馬鹿野郎ッ!
川#゚ -゚)っ 三 っ#)<●><●>)
ぐえあっ!
川#゚ -゚)「何が仕方無いだ、死ね! 氏ねじゃなくて死ね!」
(#)<●><●>)「ひどっ!」
川#゚ -゚)「アイツだって本当は嫌だったろうに! 離れたくなかっただろうに!」
(#)<●><●>)「…………」
川#゚ -゚)「どんな事情があったって、お前も離れたくないんだろ!? なら引き止めろ! 馬鹿かお前は!」
(#)<●><●>)「…………」
川#゚ -゚)「ったく……本当はこんな奴の為に、話してやりたくは無いがな」
(#)<●><●>)「……え?」
川 ゚ -゚)「お前、昔私に一つだけ自慢してきた事があったんだよ」
(#)<●><●>)「自慢……?」
川 ゚ -゚)「それくらい自分で考えろ、写真まで撮って約束したって言ったくせに」
(#)<●><●>)「……写真」
川 ゚ -゚)「……仕方無いな」
(#)<●><●>)「?」
川 ゚ -゚)「約束、したんだろ? いつか、アイツから会いに来るって」
(#)<●><●>)「……あ」
それは何年も昔の話。
それは幼い頃の一つの思い出。
(#)<●><●>)「……クーさん」
川 ゚ -゚)「何だ」
(#)<●><●>)「ごめんなさい、ちょっと急用が」
川 ゚ -゚)「ああ、分かってるさ」
(#)<●><●>)「昼休みの間で間に合いますかね……」
川 ゚ -゚)「ふん、知るか」
(#)<●><●>)「じゃあ、また後で」
川 ゚ -゚)「さっさと行け、馬鹿」
(#)<●><●>)「クーさん」
川 ゚ -゚)「今度は何だバカッテマス」
「ありがとうございます」
ワカッテマスは走って図書室から出て行った。
クーはカウンターに頬杖をつくと、溜め息を一つ。
川 ゚ー゚)「本当に馬鹿だな、ワカッテマスは」
川 ゚ー゚)「……」
川 ー )「ま、私の方がもっともっと、馬鹿だな」
(;<●><●>)(あーもうこんな時に片付けられてないとか酷過ぎますね)
ワカッテマスは家にいた。
ちんぽっぽは既に居ない、もうあの場所へと行ってるのだろう、とワカッテマスは思考を巡らせた。
(;<●><●>)「あ、あった……」
片付けられてない本棚の中から、一冊のアルバムを引っ張り出して、乱暴に捲る。
その中の一枚を引き抜くと、ワカッテマスはアルバムを元に戻さずさっさと家から去って行った。
(*‘ω‘ *)「……」
ちんぽっぽは、公園のベンチで時間が来るのを待っていた。
ワカッテマスとは、昨日の夕方からろくに会話していない。
(*‘ω‘ *)(結局、恩返しは一週間じゃ足りなかったんだっぽ)
彼女は溜め息を吐くと、そこから出来た白い息を見上げた。
そうしていると、どうしようもない様な気分になっていく。
(*ぅω;*)「……」
頬を伝う暖かい涙を、彼女は初めて心底憎いと思った。
ふと、足音が聞こえる。
砂を踏む音が自分の目の前まで来て、止まった。
「……ちんぽっぽさん」
(*ぅω;*)「ぽっ……?」
( <●><●>)「ちんぽっぽさん、泣かないで下さい」
(*ぅω;*)「ワカッテマス、さん?」
(*ぅω;*)「な、んで……」
ちんぽっぽは涙で歪んだ視界に写る、ワカッテマスを見つめた。
ワカッテマスはここまで走って来たのか、制服のままで、息切れを起こしている。
( <●><●>)「……まず、忘れててごめんなさい、あと、約束を覚えていてくれて、ありがとう」
(*ぅω‘。*)「遅いですっぽ……」
( <●><●>)「……これ、どうぞ」
(*ぅω‘。*)「……これは……写真ですかっぽ……?」
一枚の古い写真が、ちんぽっぽの手の中に収まった。
写真の中には小さな猫と、笑顔の少年。
( <●><●>)「……それと」
(*‘ω‘ *)「?」
( <●><●>)「行かないで、下さい」
(*‘ω‘ *)「ぽっ……」
( <●><●>)「どんな事情があろうと、私は貴女と離れたくありません」
(*‘ω‘ *)「……な」
( <●><●>)「?」
(*‘ω‘ *)「何でですかっぽ……?」
( <●><●>)「……それを聞きますか、普通……」
(;*‘ω‘ *)「う……」
( <●><●>)「……貴女が、好きだからに決まっているでしょう?」
ワカッテマスがそう言うと、ちんぽっぽは話し始めた。
(*‘ω‘ *)「……私もですっぽ……あの日から、ずっとずっと、だから神様に頼み込んで、人間になって……」
ちんぽっぽは、全てを話した。
条件を破る事になったとしても、構わないと、そう思ったのだ。
( <●><●>)「……なるほど」
(*‘ω‘ *)「だから私は、今日までの命なんですっぽ……だけど、離れたくありませんっぽ……」
二人共、どうしようも無いという顔をして、溜め息を吐く。
すると、何処からか声が聞こえた。
『それは無理な話だなぁ~』
(;*‘ω‘ *)「渡辺さん……」
从'ー'从「えへへ~盗み聞きしちゃった」
从 ゚∀从「オレもー」
(;<●><●>)「あ、貴女はこの前の……」
二人の前に、神様と閻魔様が現れる。
しかし渡辺もハインも、何故かそれを喜んでいるように見えた。
从'ー'从「……さて、ちんぽっぽちゃん」
(*‘ω‘ *)「……私は約束を破りましたっぽ……だから何でも受け入れますっぽ」
从 ゚∀从「よしよし、まず単刀直入に言おう、お前は生まれ変われない」
从'ー'从「やり直してもらうの」
(*‘ω‘ *)「やり直す……?」
从 ゚∀从「そこのギョロ目がお前さんの運命を捩じ曲げて、本来は生きるはずも無い分まで生きたのは知ってるだろ?」
从'ー'从「だからね、今度は貴女が、あの時死んでいたらって事になるのよ」
(;*‘ω‘ *)「え?」
从 ゚∀从「あの時もし、筋書き通りお前が死んでいたら、お前は今頃十三歳の人間なんだ」
从'ー'从「まあ簡単に言っちゃうと~」
( <●><●>)「約十三年前に戻って、人間として生まれる、って事ですか?」
从;゚∀从「あ、台詞取られた!」
(;*‘ω‘ *)「え? よ、よく分かりませんっぽ……」
从'ー'从「そうね……今から二年後かしら」
从 ゚∀从「そうしたら全部分かると思うぞ」
(;*‘ω‘ *)「って事は……また、ワカッテマスさんに会えるんですかっぽ?」
从'ー'从「うふふ~貴女の頑張り次第かな~」
从 ゚∀从(渡辺って案外策士だから気を付けよう)
(*‘ω‘ *)「あ……ありがとうございますっぽ……」
从'ー'从「さてワカッテマスくん」
( <●><●>)「……はい」
从 ゚∀从「何かこいつに、言っておく事はあるか?」
( <●><●>)「……ちんぽっぽさん」
(*‘ω‘ *)「……はいっぽ」
( <●><●>)「私は二年後まで……いやそれからもずっと待っています」
(*‘ω‘ *)「……」
( <●><●>)「まあ二年くらいですから、私もそんなに変わっていないはずです」
(;*‘ω‘ *)「変わってたら困りますっぽ……」
( <●><●>)「そうですね、では……」
「二年後までさようなら、ちんぽっぽさん」
ワカッテマスがそう言った瞬間、ちんぽっぽの身体は光に包まれた。
(*‘ω‘ *)「二年後、必ず会いに行きますっぽ」
(;*‘ω‘ *)「その時はきっと、耳も尻尾も無いでしょうけど……」
(*‘ω‘ *)「とりあえず今は、さようならっぽ」
ワカッテマスは、より一層光が強まった時、一瞬だけその光の中で猫を見付けた気がした。
「にゃぁ、っぽ」
从 ゚∀从「お仕事かんりょー」
从'ー'从「じゃあね~」
( <●><●>)「どうも、ありがとうございました」
ワカッテマスは二人が消えるのを見届けてから、空を見上げた。
二年後にまた、会えると信じて。
彼女はきっと、次こそ恩返ししようと、考えているはずだ。
何故か強く、そう思った。
END
猫と恩返しのようですまとめ第1話:(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようです
http://lovevippers.blog.2nt.com/blog-entry-288.html第2話:(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようです-綺麗になった部屋-
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