(*‘ω‘ *)「え、休み?」
( <●><●>)「学校の創立記念日なのはわかってます、なので今日は暇なのですよ」
(*‘ω‘ *)「あ、じゃあ一緒に何処か行きましょうっぽ」
六日目、残すところあと一日とほんの少し。
どんどん時間は無くなって行く、それでもまだ、恩返しらしい事が出来ていない。
そもそも、恩返しと言っても何をすれば良いかすら分からないのに。
(*‘ω‘ *)(今日こそは……絶対に……)
という訳で。
(*‘ω‘ *)「からおけですかっぽ」
( <●><●>)「たまには歌を歌おうと思いまして」
(*‘ω‘ *)(曲とか詳しくないからワカッテマスさんに任せるっぽ)
二人はカラオケに来ていた。
とはいえちんぽっぽは歌えないも同然なのでワカッテマス一人で来ている様なものだが。
(*‘ω‘ *)「からおけにはよく来るんですかっぽ?」
( <●><●>)「時々クーさんと来ます」
( <●><●>)「ちんぽっぽさんは何か歌えますか?」
(*‘ω‘ *)「多分無理ですっぽ、だから聴いてるだけにしておきますっぽ」
ワカッテマスはちんぽっぽが首を横に振ったのを確認すると、曲を選び始めた。
( <●><●>)「じゃあまずはこれでも歌いますか……」
(*‘ω‘ *)(……これは……)
( <●><●>)「む」
ここからはちんぽっぽの感想だけお送りします。
一曲目。
(*‘ω‘ *)「英語分かんないっぽ……」
二曲目。
(*‘ω‘ *)「しーえいちえーあーるえー……?」
三曲目。
(*‘ω‘ *)「ぽにょ……?」
四曲目。
(*‘ω‘ *)「テーゼって誰っぽ」
五曲目。
(*‘ω‘ *)「一万年と二千年前からってどんだけ生きてるんだっぽ……」
と、見ての通り歌われたのはちんぽっぽにさっぱりな歌ばかりだった。
そして五曲目以降もそれは続き……
・
・
・
( <●><●>)「あー久々に歌えて楽しかったです」
(;*‘ω‘ *)(……聴いた事無い歌ばっかりだっぽ……)
( <●><●>)「ちんぽっぽさん?」
(;*‘ω‘ *)「はっはいっぽ」
( <●><●>)「何か飲みますか?」
(;*‘ω‘ *)「あ、よろしくお願いしますっぽ」
ちんぽっぽにとって今日のカラオケは、ワカッテマスの意外な一面を知る機会になったという。
臭い虫キター
( <●><●>)「さて、注文したのでもうすぐ届くはずですが……時間が余りますね」
ワカッテマスは大体歌い切ってしまったらしく、時間が無駄になってしまうと考えている。
(*‘ω‘ *)「……ぽっ?」
( <●><●>)「どうかしましたか?」
(*‘ω‘ *)「あの……これなら歌えそうですっぽ」
(;<●><●>)(これ!?)
ちんぽっぽが指差したのはそれなりに有名な曲だ。
(*‘ω‘ *)(杉浦さんがよく歌ってたっぽ! きっと歌えるっぽ!)
(*‘ω‘ *)「じゃあこれ歌っても良いですかっぽ?」
(;<●><●>)「え、えぇどうぞ」
ピ、と一押しで送信、そして……。
(*‘ω‘ *)「じーんせいらくありゃくーもあーるさー」
( <●><●>)(無駄に上手い……)
・
・
・
(;*‘ω‘ *)「……ど、どうでしたっぽ?」
(;<●><●>)「かなり上手でしたね……」
(*‘ω‘ *)「本当ですかっぽ!?」
(;<●><●>)「え、えぇ……」
(*‘ω‘ *)(よ、良かったっぽ……)
そして、ワカッテマスからもちんぽっぽの意外な一面を見る事が出来たとか。
( <●><●>)「ではそろそろお昼食べに行きましょうか」
(*‘ω‘ *)「あ、じゃあ行きたい所があるんですっぽ」
( <●><●>)「分かりました」
(*‘ω‘ *)「……確かここらへんですっぽ……」
( <●><●>)「もしかしてあれですか?」
(*‘ω‘ *)「あれですっぽ!」
(*‘ω‘ *)「一度食べてみたかったんですっぽ……ありがとうございますっぽ」
( <●><●>)「いえいえ」
二人が次に訪れたのは近所のファーストフード店。
ちんぽっぽはハンバーガーを頬張って、自分の望みが叶った事を嬉しく思った。
(*‘ω‘ *)「あれ、ワカッテマスさんは食べないんですかっぽ?」
すると、ちんぽっぽはワカッテマスが先程から何にも手を付けて無い事に気付く。
( <●><●>)「あぁ、何だかちんぽっぽさんが凄く嬉しそうなのでつい」
(;*‘ω‘ *)「そ、そうですかっぽ……」
( <●><●>)「さて食べますかね」
平日の昼時でも、ここはそれなりに人の集まる。
そしてそのほとんどが、男女だという事にちんぽっぽは気付いた。
(*‘ω‘ *)(……周りから見たら、もしかして……)
そしてちんぽっぽはもう一つ、気にしている事があった。
昨日ハインが言った事を、ワカッテマスはどう思っているのかと。
『ちんぽっぽー、こいつがお前の好きなワカッテマスー?』
きっとあの時、ワカッテマスはそれを聞いていた筈だ。
しかし、それをどう思っていたかは分からなかった。
(*‘ω‘ *)(むむむむむ……)
( <●><●>)「……ちんぽっぽさん?」
(;*‘ω‘ *)「おうふっ! どうしましたっぽ?」
( <●><●>)「虚ろな目でハンバーガーを見つめていたので何があったのかと……」
(;*‘ω‘ *)「そ、そうでしたっぽ? 多分ちょっとぼーっとしちゃってたんですっぽ!」
(;<●><●>)「はあ……」
話が続かない。
話したい事はお互い山程あるけれど、それを言う勇気は無かった。
(*‘ω‘ *)「……ごちそうさまっぽ」
( <●><●>)「お腹もいっぱいになった事ですし、ちょっとここらを散歩でもしましょうか」
(*‘ω‘ *)「分かりましたっぽ」
( <●><●>)「公園、行きますか?」
(*‘ω‘ *)「は、はいっぽ!」
(*゚ー゚),,゚Д゚)・∀・)´∀`)
(*‘ω‘ *)「……ぽっ!」
公園に着くと、またしてもあの四匹が並んで座っていた。
ちんぽっぽはそこまで駆け寄ると、そこでしゃがみ込んだ。
( <●><●>)「この猫は?」
(*‘ω‘ *)「お友達ですっぽ」
(*゚ー゚),,゚Д゚)・∀・)´∀`)ニャーニャー
(*゚ー゚)『また会ったね』
(,,゚Д゚)『元気にしてたか?』
( ・∀・)『この前はギコのせいであんな事になってしまったね』
( ´∀`)『代わりにごめんなさいモナー』
(;,,゚Д゚)『また俺!?』
(*‘ω‘ *)「気にしないでっぽ」
( <●><●>)「?」
( <●><●>)「話せるんですか?」
(;*‘ω‘ *)「な、何となく?」
(*゚ー゚)『あれ、そこの人は?』
(,,゚Д゚)『目がでけえなゴルァ』
( ・∀・)『もしかして恩返しとかの人?』
( ´∀`)『モナモナ』
(*‘ω‘ *)「そうだっぽ、ワカッテマスさんだっぽ」
(;<●><●>)「私がどうかしたんですか?」
(;*‘ω‘ *)「えっ? い、いや何でも無いですっぽ!」
(*゚ー゚)『照れちゃってまたー』
(,,゚Д゚)『正直になれば良いのにな』
( ・∀・)『流石ギコ空気読まない答えをありがとう』
( ´∀`)『KYキャラ定着してるモナー』
(,,;Д;)『……』
しかしこの猫達とちんぽっぽの会話はワカッテマスからしたらただのにゃあという鳴き声にしか聞こえない。
ちんぽっぽにとって都合は良かったけれど、変だと思われてないか少しだけ心配だった。
(*゚ー゚)『ワカッテマスさんワカッテマスさん』
( <●><●>)「?」
(#,,゚Д゚)『あ、てめえ俺のしぃに手を出すな!』
(;<●><●>)「は? はい?」
( ・∀・)『馬鹿だなあギコ、ワカッテマスさんには届かないよその声』
( ´∀`)『しかも誤解しちゃってるモナー』
(<●><●>;)「ち、ちんぽっぽさん、何て言ってるんですか?」
(;*‘ω‘ *)「ぽっ?」
(<●><●>;)「ちんぽっぽさんなら分かるでしょう? 片方が何か怒ってるみたいなんですけど……」
(*‘ω‘ *)「いや、下らない理由で怒ってるだけですっぽ……」
(*^ー^)『あははっ、言うねえ』
(;,,゚Д゚)『えぇっ!?』
( ・∀・)『彼女の言う通りだね』
( ´∀`)『モナモナw』
それから二人は猫達と戯れ、時にギコがKY呼ばわりされたりした。
ワカッテマスも、何処か楽しそうに見えた。
(*‘ω‘ *)「じゃあそろそろ行かなきゃっぽ」
( <●><●>)「ああ、もうこんな時間ですか」
(*゚ー゚)『暗くなるのって早いねー』
(,,゚Д゚)『おう、またな!』
( ・∀・)『頑張ってねー』
( ´∀`)『気をつけてモナー』
(*‘ω‘ *)「今日は楽しかったですっぽ」
午後四時頃、二人は家に帰ると炬燵に入って話した。
ちんぽっぽはそういえば、と先日杉浦に貰って置いといた蜜柑に手を伸ばした。
( <●><●>)「ええ、今日はお陰様で」
(*‘ω‘ *)「こちらこそ奢ってもらって悪いですっぽ」
( <●><●>)「気にしないで下さい、連れ回したのは私なんですから」
( <●><●>)「それに、今日は、本当に楽しかったです」
(*‘ω‘ *)「……ぽっ」
( <●><●>)「久し振りに、誰かと一緒に歩き回って、自分でもかなり喜んでいるのが分かりました」
(*‘ω‘ *)「…………」
( <●><●>)「……ですが」
(*‘ω‘ *)「?」
そう言うと、ワカッテマスは黙り込んでしまった。
ちんぽっぽは蜜柑を一口。
臭い虫め……
( <●><●>)「……時々、貴女が悲しそうな顔をしているのを見ると、私も悲しくなります」
( <●><●>)「私は、力になれませんか?」
(;*‘ω‘ *)「そ、れは……」
ワカッテマスは時折ちんぽっぽの表情が暗くなるのを分かっていた。
今日だけじゃない、今まで何度も何度も、そんな表情を目にしてきた。
はっきりと気付いてはいないが、ワカッテマスもまた、この六日間で自分がちんぽっぽと過ごす事で変わって行くのを感じていた。
( <●><●>)「私は、寂しいです」
( <●><●>)「やっと一人じゃ無くなったと、思っていたのに」
(;*‘ω‘ *)「…………」
( <●><●>)「初めて、私に会った時、貴女は何かを手伝いたいと言ってくれました」
(;*‘ω‘ *)「そうですっぽ……」
( <●><●>)「……そんな事をしなくても良いです、私はただ、側に居てくれればそれで良いです」
( <●><●>)「駄目、ですか?」
ちんぽっぽは知っている。
自分の気持ちと、残された時間を。
(*‘ω‘ *)「本当、は、何もかも話したいですっぽ」
(*ぅω‘ *)「でも、それはどうしても出来ないんですっぽ」
ちんぽっぽの声が震えると同時に、今まで揺れていた尻尾が床へ力無く垂れ下がった。
ワカッテマスは、表情を変えずにそうですかと呟いて、立ち上がった。
( <●><●>)「夕飯の買い物、行って来ます」
(*ぅω;*)「…………」
ワカッテマスは返事を待たずに出て行く。
部屋では啜り泣く声がずっと響いていた。
ああなんというなんという。
多分これで六日目は終わりでござる。
夜になったら七日目投下になる予定、ペース遅くてごめんなさい。
猫と恩返しのようですまとめ第1話:(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようです
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